初診時に行う徒手検査 | おかやま股関節Cafe

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既存の全国支部を展開する
某患者会のスタッフをしていましたが
患者会として発信してきた情報内容に
少々疑問を感じ数年前に退会。
基本的なことを中心に、
患者さんが本当に知りたいことを
出来るだけ分かりやすい言葉で
変形性股関節症と闘う方へ発信しています。

診察時に医師が行う徒手検査にはいくつか種類があります

医師は、診察室にあなたが入室した時から、

あなたが普段どんな歩き方をしているのか観察しています。

医師に向き合って立ち、医師がお尻部分の両横を支えた姿勢で
ゆっくりとその場足踏みをさせる場合があります。
これは、骨盤がどれくらい傾いているかをチェックしています。


股関節患者の骨盤の傾きの特徴現象に
① トレンデレンブルク現象

② デュシェンヌ現象

というのがあります。


は、悪い方の足で片足立ちをした時に、骨盤を水平に保てず

良い方の側の骨盤が下がる現象です。


は、①のように骨盤が傾かないように

悪い方の足に体重を乗せてバランスを取ろうとするため

良い方側の骨盤が上がります


いずれの場合も、足を外側に開く筋力の低下が原因です。


次にベッドに仰向けに寝るように指示されます。

まず、脚長差と大腿周径のチェックを行います。

脚長差とは、ずばり足の長さなのですが

これには、「真の脚長差」と「見かけの脚長差」というのがあります。

脚長差とは、骨盤の上部で前側に突き出ている

上前腸骨棘(じょうぜんちょうこつきょく)という部分から

足首の内側のくるぶしまでの長さのこと を言います。


患者さんの中には、この数値が少なくて

えっ?と感じる方が多いと思います。

自分的にはもっと長さが違うのでは?と感じるのです。

この部分の測定では、骨盤の傾きの影響は受けないので

「真の脚長差」を得ることができます。

つまり、骨盤の傾き数値は含まれていない のです。

私の場合、真の脚長差は2センチ以内でしたが

骨盤が2センチ傾いているので

「見かけの脚長差」は、4センチになるというわけです。


大腿周径も測る場所は決まっていて

膝のお皿の上部分から、10~15センチのところ に印をつけて

左右とも測ります。

悪い方の足の周径は筋力低下のため小さくなるので、

日頃、どれくらい悪い足を庇って歩いているかがわかります。


次に股関節の具体的な動きのチェック=可動域

のチェックを行います。

これは、股関節のしくみ その2 で示した6つの動きのチェックで、

分度器と定規が一緒になったようなゴニオメーターという

計測器で測ります。


① 屈曲・伸展のチェック

医師が悪い方の足の脛の部分を持って、

股関節と膝関節を同時に曲げます

ちょうど膝頭を顔に近づける感じです。


伸展は良い方の足を最大限に屈曲させたときの

伸ばした悪い方の足の状態をチェックすることでわかります

この時に、悪い方の側の膝が浮くようであれば、股関節に伸展制限がある

いうことを示します。これをトーマステストと呼びます。


② 外転・内転のチェック

足が外側へどれだけ開くか、内側へどれだけ入るか を調べます。

骨盤も一緒に動くため、脚長差を測定するときの起点である

上前腸骨棘の外側にゴニオメーターを固定させて測ります。


③外旋・内旋のチェック

これは医師によってやり方が違いますが

私の主治医はうつぶせでチェックします。

うつぶせで膝を90度曲げた状態で、

ふくらはぎを医師が持って、内側に倒します。

このとき、大腿の前面がどれだけ、傾くかをチェックするのが外旋。

反対に、外側へ倒してチェックするのが内旋となります。

仰向けや座位で行う医師も居られますが

要は太腿がどれだけひねられているかをチェックしています。


この他、あぐら姿勢を取って、痛みが出るかどうか 

チェックを行います


これを、パトリックテスト と呼びます。


以上が、診察室で行う医師の徒手検査です。

これに患者さんからの訴えを合わせて

診断をつけていきます。




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