こんにちは! 廣田信子です。
旧耐震基準(1981年5月31日までの建築確認に適用された基準)
で造られたマンションの理事長より、
恨み節ともいえる相談(?)がありました。
耐震診断をして耐震性が不足していると分かったら
資産価値が下がる…という組合員を説得して
ようやく実施した耐震診断(簡易診断)の結果に愕然とした…と。
大手ゼネコンが、
国の基準より大幅に安全性を見た基準で強固に造っている
という触れ込みのマンションで、
実際に、柱も梁もしっかり造られている。
それなのに、
耐震性がかなり不足しているという結果に
納得がいかない。
自分の中では、
これだけしっかり造られているのだから、
そんなに悪い結果は出ないだろうと思っていた…と。
耐震基準や耐震性確保の方法については、
いろいろな変遷もあり、
なかなか説明が難しいのです。
私たちも何度か勉強会を実施してきました。
記事に書いたこともあると思い
それを探して紹介しました。
ちょうど4年前の記事で、
3回に分けて書いています。
改めて読んで、
手前味噌のようですが、
専門的知識がない方に読んでもらえるように書いたので、
分かりやすくかけているな…と思いましたので、
興味がある方には、
改めて読んで頂ければと思います。
「固く」「しなやかに」というから耐震性はわかりにくい
https://ameblo.jp/nobuko-hirota/entry-12267270575.html
耐震診断の「納得がいかない」を一歩進めて
https://ameblo.jp/nobuko-hirota/entry-12267558254.html
なんで新耐震基準なのに耐震スリットがないの?
https://ameblo.jp/nobuko-hirota/entry-12268445456.html
建物は100年でももつといわれますが、
その間、建物や設備に求められる基準はどんどん変わります。
竣工の時は、最新の基準に沿ったものであるはずが、
基準は変わります。
今、近くに建築中のマンションは、
長期優良住宅の基準を大幅に超えた長寿命化基準を満たし、
耐震性、地盤の液状化対策も万全で、
しかもZEH(ゼッチ)で
太陽光パネルで使用電力の多くを賄う仕組みです。
*ZEH(ゼッチ)とは「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略。
ひと言で言えば「使うエネルギー≦創るエネルギー」になる住宅。
脱炭素社会への重要戦略のひとつ。
断熱、省エネ、創エネの3つを兼ね備えた住宅。
また、
在宅勤務に対応したインターネットの通信量が確保され、
コワーキングスペースも充実しています。
マンション内のシェアリングサービスも工夫されています。
しかし…
これだけ考慮されていたら万全かというと、
決してそうではなく、
きっと、また新しいニーズや基準が出てくるのでしょう。
最新だったはずの施設が経年と共に、
逆に負担になることもあるでしょう。
一時流行った託児施設やミニ店舗は、維持管理が大変で、
今は、すっかり姿を消しましたから…。
常に、住宅(マンション)に求められる基準も
そこに暮らす人のニーズも変化しているのです。
変化することを前提に、
今のまま守っていくこと、変える必要があることを
選別して対応していかなければなりません。
45年前のパンフレットにある「売り文句」が、
今となっては通用しないことは、
誰のせいでもないのです。
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