理事会がないマンションが人気? | 廣田信子のブログ

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マンションコミュニティ研究会、MSC㈱代表廣田信子より
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こんにちは! 廣田信子です。

 

8月19日の日経新聞に、

「理事会なしマンション増加」

という記事が出ました。

 

その後、これに対する

管理組合の反応が大きいです。

 

2年ほど前から、

オープン時から理事会がないマンションが増えている

という話はよく聞きます。

 

理事会があって、

その長である理事長が

区分所有法で言うところの「管理者」になって、

マンションを運営する…

 

という一般的な運営ではなく、

 

管理会社が「管理者」となって管理組合を運営し、

理事会はなく、

区分所有者は、総会の意思決定で、「管理者」を

監視するという仕組みです。

 

第三者管理方式と言われ、

その議論は、

自分たちで運営できない管理組合をどう補完するか

という意味合いで始まったはずだと思いますが、

 

大手分譲会社が分譲する都心部のマンションで

分譲時からの第三者管理が始まっています。

 

三井不動産や住友不動産が、

グループの管理会社で試験導入しています。

 

といっても、このまま不満がなければ、

理事会なしの仕組みが続くのだと思います。

 

この仕組みについては、

 

他の管理組合で活動している人も、

第三者管理の物件を投資として購入して、

 

「これはこれで、楽でいい」…と発言しています。

 

 

この件について、

私の管理会社の友人の話が印象的でした。

 

大手の分譲マンション、

ほとんどが億ション(分譲価格が1億円以上)

でのことです。

 

理事会を開催しても理事が集まらない。

 

結局、1年毎月理事会を開催しても、

半数の理事が集まることはほとんどなく、

 

結局、何も決められなかったと言います。

 

半数以上の理事が出席しないと、

理事会は開催できないのですから。

 

総会を前に、

組合員に理事になる意向について聞いたが、

何の反応もなく、

 

今後どうするかを今の少数の理事と相談したが、

「理事会を運営するのは無理、

管理会社が管理者になればいい」

…という話になって、

 

「本当にそれでいいのか」を確認したが、

それしかないという結論になった。

 

それで、

総会にかけて、管理会社による第三者管理が

簡単に決まったと言います。

 

それで、管理者になって運営しているが、

「本当にこれでいいのか」と思いながら、

緊張しながらやっていると言います。

 

億ションを購入する人は、

パワーカップルと呼ばれる夫婦の合わせての収入が格段に多く、

しかし、時間は取りたくない…という人か、

 

又は投資用に購入している人が多いという

背景があります。

 

新聞によると、

ある管理会社では、

東京都心部の20戸~40戸程度の億ションを中心に

導入を進めていると言います。

 

こういった億ションのようなマンションを

管理者として運営するのは、

それなりのコストも取れるでしょうから、

 

管理会社も真剣に取り組むことになると思います。

 

少し前までは、

自分たちの考え方を全面に出し、

マンションを合理的に管理する管理組合運営を、

進んで行っていたマンションのことを考えると、

何とも不思議な気がしますが、

 

大規模なタワーマンション等を

自分たちで管理組合運営することの難しさも、

合意形成のたいへんさも、

聞いています。

 

時代の変化は大きいです。

それに、コロナ禍も拍車を掛けました。

 

少なくとも、

管理者管理であることをマイナスとは考えないで、

むしろ、役員になる必要がないことが、

「売り文句」になるという背景があるのですから。

 

 

でも、小規模で、

自分たちで長寿命化を目指した管理組合運営が

難しいマンションをどうするか…という問題とは

別に考えなければなりません。

 

それについては、

次回考えたいと思います。

 

 

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