何を目指すのかマンション管理士と理事とのコミュニケーションを | 廣田信子のブログ

廣田信子のブログ

マンションコミュニティ研究会、MSC㈱代表廣田信子より
日々のマンション生活やお仕事に、また人生にちょっとプラスになるストーリーをお届けしています。
一人ひとりが自分らしく活躍しながら、力を合わせることで豊かに暮らす、新しいコミュニティ型社会を目指して・・・

こんにちは! 廣田信子です。

 

最近、管理組合の役員の方が

顧問のマンション管理士を替えたいという

話をよく聞きます。

 

ある理事の方が、

マンション管理士に不満を持って、

何とか替えたいというのです。

 

マンション管理士を替えるのは、

管理組合にとっても大変なのです。

 

理事会で、マンション管理士がいる前で、

マンション管理士への不満の話はしにくい…と。

 

その話を聞いて私が感じるのは、

マンション管理士の方に、何を望むのかが、

管理組合によって違い、

理事によっても、認識が違うということです。

 

そのことが原因なのに、

そのことに気づいていないのです。

 

マンション管理士の方も、

自分が何を求められていて、

何を提供するのか明確ではないのです。

 

管理組合の理事の方々の中にも、

いろいろな意見があります。

 

マンション管理士を替えたいと思っている人が、

理事会の総意だとは限りません。

 

ただ、そういった関係で理事会を進めるのは、

好ましくないということになります。

 

 

きちんと運営してきた高経年マンションには、

自分たちの「こだわり」があります。

 

その「こだわり」が、

その人にとってのマンション管理の

「アイデンティティ」なのです。

 

その「こだわり」が

管理組合運営をこれまで育ててきた

基本でもあるのです。

 

標準管理規約の定め方も、

その「こだわり」からはずれると、

それとは違うやり方でやってきたのです。

 

大型団地における修繕積立金の集め方、使い方に

それが良く表れます。

 

高経年団地が一体になって、

これまで運営してきたところでは、

 

修繕積立金を棟ごとに集め、

棟ごとに使うということに抵抗があります。

 

共用部分の修繕積立金が

設定されていないところもあります。

 

それも、

みんなが出し合えばいいと思うのです。

 

それで、うまくやってきたのですから。

 

マンション管理士の方は、

建物の形状がちがう団地では、

将来を考えて、棟ごとにしたいと思いますが、

 

その提案は、

自分たちのアイデンティティに係わるのです。

 

これまでやってきたことの意味も

不確かになってしまうのです。

 

マンション管理士の方は、

きちんと運営してきた大型団地に入るときは、

その辺を話し合うコミュニケーションを

しっかりとった方がいいと思います。

 

それがなしで始めると、

マンション管理士が提供しようということと

理事が求めていることが異なってしまいます。

 

そして、話がどうもずれていると感じたら、

また相手と向き合って

コミュニケーションをとることです。

 

その中で、理事の中にも、

将来を考えたら棟ごとにすべきでは

と思う人がいることもあるのです。

 

なかなか表には出ませんが…。

 

相手と向き合って、

相手の思いを聞き、それを受けとめて、

それを心に置きながら、

 

少しずつ、少しずつ、

変えていくということも必要です。

 

その過程で、

管理組合が、何を求めているのか…をしっかり聞いて、

それに、自分が合わなかったら、それを説明して、

マンション管理士を辞退するということも時には必要です。

 

そうして、辞退したマンション管理士に、

中心になっていた方が引いた後、

ぜひ、マンション管理士をお願いしたいという

申し出があることもあるのです。

 

その時は、強い勢力に何も言えなかったけど、

マンション管理士の方の真摯な態度が印象に残り、

ぜひお願いしようということになったのです。

 

管理組合には歴史があります。

その歴史の中で生まれた「アイデンティティ」は、

大事だと思います。

 

それを理解しつつ、

将来のために、今、何が必要かを考えるのは

たいへんなことです。

 

でも、

そういう芯があるマンションは力強いです。

 

私は、マンションへの「こだわり」を堂々と述べる

管理組合がきらいじゃありません。

 

その熱さを残しつつ、

少しずつ、変わっていってほしいと思います。

 

将来、区分所有者が変わって、

マンションを取り壊すことになったときに、

 

円滑にいくようにということも

考え始めなければなりませんから。

 

マンション管理士の方は、

何を目指すのかをいつも意識して、

 

緩やかなコミュニケーションをとることを

折々に意図しながら、

進めてほしいと願います。

 

 

 

-------------------------------------


ランキングに参加しています。
クリックしていただけると励みになります!



マンション管理 ブログランキングへ

にほんブログ村 住まいブログ マンション管理へ
にほんブログ村