【9月30日 AFP】英高等法院は29日、英王室を離脱したヘンリー王子(Prince Harry)の妻メーガン妃(Meghan, Duchess of Sussex)がプライバシーと著作権を侵害されたとして英メディアグループを訴えている裁判で、被告側に弁論内容の変更を認めた。

 メーガン妃は、2018年にヘンリー王子と結婚する前に、疎遠になっていた父親に宛てて書いた手紙の抜粋を掲載したとして、大衆日曜紙メール・オン・サンデー(Mail on Sunday)やオンラインニュースサイトのメールオンライン(MailOnline)の発行元であるアソシエーティド・ニューズペーパーズ(Associated Newspapers)をプライバシー侵害などで訴えている。

 先週ロンドンの高等法院での審理で、メーガン妃側は、ヘンリー王子夫妻が最近出版された王子夫妻の伝記「Finding Freedom(自由を探して)」に協力したという陳述の申し立ての阻止を試みた。夫妻は同書の出版には一切協力していないと主張している。

 しかしアソシエーティド側は、あらゆる面から見て、同書の執筆にはヘンリー王子夫妻の「広範な協力」があったとみられると主張。特に、メーガン妃は状況を自身にとって望ましい形で説明するため、同書の著者ジャーナリストのオミド・スコビー(Omid Scobie)氏とキャロリン・デュランド(Carolyn Durand)氏に、父親に宛てた手紙について詳しく明かしていたと主張した。

 さらにアソシエーティド側は、メーガン妃は問題の手書きの手紙を「メディア戦略の一部」として使うことを望み、投函(とうかん)前に王室の広報担当者と協議していたと主張した。

 メーガン妃側の弁護士らは、アソシエーティド側の弁論は「利益もなく、事実でもない」と主張したが、フランチェスカ・ケイ(Francesca Kaye)判事はアソシエーティド側に弁論内容の変更を認めた。

 これまでスコビー氏は証人陳述書で、メーガン妃もヘンリー王子も同書の執筆に協力していないと証言していた。さらに「(夫妻は)同書を公認しておらず、同書のためのインタビューも受けていない」とも述べていた。

 この裁判は来年1月に10日間の公判が開かれる予定。結果がどうであれ、この裁判はヘンリー王子夫妻と英国のタブロイド・メディアの闘いにおける大きな出来事になるとみられている。(c)AFP