【WhiteRedRose Story②】
・・・
それから少したったある日のこと、
白ばらと紅ばらは薪を拾いに森の奥までやってきました。
すると・・・
何処からか、
「助けてくれー!!!」
と叫び声が聞こえてきたのです。
白ばらと紅ばらは声のする方に行ってみることにしました。
するとそこには、
倒れた木の枝に自慢の長いヒゲを絡ませて、
動けなくなっている小人がいました。
そこで紅ばらは持っていたカゴからハサミを取り出し、
小人の長いヒゲをばっさり切ってあげたのです。
「だいじょうぶ?小人さん」
「よかったわねぇ、小人さん」
紅ばらと白ばらはホッとしてそれぞれに声を掛けました。
ところが・・・
小人は顔を真っ赤にして怒鳴り散らしたのです。
それからまた少したった夏の日に、
白ばらと紅ばらは川遊びに出掛けました。
するとまた何処からか、
「助けてくれー!!」
と叫ぶ声が聞こえてきたのです。
二人は声のする方に走りました。
するとそこには・・・
あの時の小人がいたのです。
小人は大きな魚にヒゲを噛まれ、
川の中に引きずり込まれそうになっていました。
白ばらはカゴの中からハサミを取り出し、
魚に引っ張られピーンと伸びた小人のヒゲをチョキーンと切ってあげました。
ところが、
小人は反動でバランスを崩し転がり落ちてしまったのです。