アルパカの右にならえ

邦画と小説をこよなく愛する創作ヲタク。

「先生、壁の外に人類がいないってどうやって調べたんですか?」

サッポロクラシックビールのコラボ商品が発売されるようで嬉しい。北海道旅行の日程が発売前なので、発売後ならコンビニとかスーパーで目にすることができたのになぁって。おしい。とりあえずサッポロクラシックは10リットル飲めばいいということですか? あと、ツイッターとかでいろんな人が写真をアップしているどうぶつフォーゼシリーズのぬいぐるみ。ぬい文化にうとい私でもチラチラと目にしては可愛いなぁって思ってた。完売して手に入らない状態だったのが、ちょうど再販するらしく尾形・月島・鯉登を予約しました。嬉しい。
少し前に人間型のぬいぐるみ(尾形)も注文した。それは何月に届くんだろう……。最近、なんの躊躇もなく予約商品を購入しまくっているので、いくら払っていつ届くのかを全く把握できてない。この大雑把で適当な勘定加減がハマった直後の感覚ハイ時期って感じで、それも楽しい。

最近ようやく3週目を読み終わりました。やっぱり月島はいい……。小柄な体形でめちゃくちゃ強い、というキャラクターに弱いのかも。リヴァイとかがそう。ねえ今気づいたんだけど、リヴァイとエルヴィン・鯉登と月島、このペアに共通する終盤の関係性って「相手を地獄から解放してあげたい」なんじゃない? もしかして。そんなの死ぬじゃん。そんなの好きジャン。好きになるに決まってるじゃん、好きになること前世から決まってたじゃん。「先生、壁の外に人類がいないってどうやって調べたんですか?」むり、しぬ。

月島の好きなところは、戦闘シーンで足技が多いところ。喧嘩っ早いやんちゃガキスタイル。悪童と言わしめた足蹴りには毎回惚れ惚れする。インカラマッを迎えに来た谷垣を扉ごと蹴り飛ばすところとか、最高過ぎて何回でも楽しめる。谷垣の右手に持った拳銃を蹴り飛ばす腰の捻りもたまらない。小屋まで追いかけてきて、谷垣に下半身を持ち上げられて壁に投げられるシーンもすごくいい。なされるがままで咄嗟にどうすることもできない伸びきった膝下がいとおしい。過去に死なせてしまった江渡貝くんのこと、諦めてしまったいご草ちゃんのことを一生引きずってそうな情深いところもたまらん。
誘拐事件に関与している時点で、「16歳の音之進」と(一方的に)面識のある月島が成立してるのが感慨深すぎてどうにかなりそう。16歳の頃を知ってて、時を経て年下の上官・年上の補佐になる関係性はかなり胸にくる。月島は魅力的な要素が多すぎる。過去の想い人、敬語キャラ、語学堪能、小柄な体形で筋肉バキバキで強い、上司の右腕。 どう考えても月島が良い……。

それに比べて尾形は、おっ母も愛してくれた勇作も殺すし、自分のことを愛して欲しいのに、愛してくれた人は軒並み殺すルートなの、第一話スタート時点ですでに詰んでるのマジで最高で推せるな……最高……おまえがナンバーワンだ……。それにしても、杉元と尾形に関しては「お前が好きで助けたわけじゃない」「俺だって別に好きじゃないぜ」で本当にお互い別にたいして好きじゃない展開ってありなんだ……、って終盤思ったな。ただ、どうあがいても仲良くはなれない敵対した関係の2人の「元気そうで嬉しいぜ尾形」「俺もだぜ杉元」(309話)のやり取りは最高にかっこよくてたぎった。『月が綺麗ですね』、をすな。
尾形って、食料の獲物を撃ったり、集団の最後尾について追跡されてないか双眼鏡で常に監視していたり、どこの陣営に加入していても基本的に最大限チームのために仕事してるイメージ。海ジャンプは一緒にしてくれないけれど。右目を失って左撃ちに慣れる間もこつこつと鴨を撃ち続けてたし、のら尾形として土方陣営に戻ってきていた期間は身を守るために必死だったんだなと思うと見る目が変わるな……、まあどういう見方をしても「オガタ、ヨイ……」しか言わないんだけど。

ファンブックでの比較や作中明らかにされたキャラクターの年齢との照らし合わせで出てくるそれぞれの年齢がとてもいい。尾形とかもう……いとし……いとしさしかない。つら……。ゴールデンカムイのキャラクターの年齢で一生お酒飲めると思う、たぶん。

月島軍曹

月島軍曹のことをたまに考えては胸がぎゅ…となる。このぎゅ…の正体は、自分の身に降りかかったとしたらとてもじゃないけどやってられない、という絶望に近い気持ち。残酷な真実を告げられるより、振り回されて心底疲れて、もうどうだっていいや、と考えるのを放棄するまで疲弊した心を思うとつらい。鶴見中尉の属性ってやっぱり「愛」だよね。どの形の愛も利用するし把握するし、飼い慣らす。
この前寝る時にふっと、もし今(ストーリの中腹で)、月島軍曹の前にいご草ちゃんが現れたとしたら、任務の何もかもを投げ打ってただ彼女の手を取って、今度こそ本当に駆け落ちするだろうか、と想像したらせつなさキツ過ぎてゲー出そうになった。あの軍服姿のまま全速力で駆け出す月島を想像して想像力で死んだ。たぶん驚いて、高揚感で笑みがこぼれて、涙が出てという、例えるなら有名な映画「卒業」のラストシーンを想像した。あの、興奮が過ぎ去った後に行く末を不安に感じるふたりの表情は、昔見た時は上手く理解できなかったな。

叶わなかったからこその if だからどうしようもないんだけど、どうしようもない絵空事をどうしても考えちゃうよね~~。っていう。救いようのないせつなさでたまに殺されたい。ので「AIの遺伝子」の1話をまた読む。物語の導入と登場人物の関係性紹介も入れた40Pでこの完成度は完璧すぎる。「感受性豊かなヒューマノイドの助けは借りない。非情な人間様にまかしときな。キーを叩きだけの簡単な仕事だ」って須堂先生のセリフがかっこよすぎてハマったなぁ。わかりやすいニヒルなキャラ設定が好き。

ペルシャネコの赤ちゃん


ゴールデンカムイの最終回を見届け、この胸に渦巻くドデカ感情をどう発散させたらいいのかいまだに分からず、手元にあるペルシャネコの赤ちゃんにぶつけました。尾形(樺太後の包帯Ver.)隣は試作中のヴァシリ(頭巾ちゃんVer.)。どう考えてもペルシャネコの赤ちゃんサイズでやることじゃなかった。弾薬盒がお気に入りポイント。鶴見中尉の額当てと、樺太での鯉登月島ペアも作りたい。
素材のフェルトを見に100円ショップに行ったんだけど、今は手芸用のパーツや材料の種類が豊富で驚いた。安く可愛い素材がたくさん揃えられて嬉しい。
ドールやフィギュアなど趣味にしている方が型紙を後悔していたりするので、いろいろ検索して合うかたちを見つけるのも楽しい。過去に針と糸を使う仕事をしていたので久しぶりに感覚が蘇った感じ。仕事中は手汗が厳禁で、作業の合間によく手を洗いに行ってたことを思い出した。

ゴールデンカムイの話しかしてない


鯉登猿叫Tシャツが届きました。今気づいたんだけどセリフが猿叫しかない。

先日、推しの香水が買える、ということに気が付いて、勢いで尾形とヴァシリの香水を購入してしまった。二次元ってすごくない? コラボアイテム無限大ジャン。 尾形の香水のレビューが狂っているらしい、と読んでみたら、全員どうかしてやがる(最大級の誉め言葉)熱量の文をしたためていて、いてもたってもいられず。 こういうコラボもののアイテムって相場より高価なイメージだけど、30mlで6,600円ってどうなんだろう? と思い、過去に買ったPerfumeの香水を調べたところ10mlで3,000円だった。あれ、思ったより良心的?
ちなみにAmazonの方のレビュー「女性が仕事などに付けるには可愛くなさすぎる匂いです。女性が普段使いするのには難しいかもしれません。ホンマにおじさんの匂いです。」という一文で笑っちゃった。ホンマにおじさんの匂いですって。ヴァシリと尾形の香水を隣に並べるんだ……。

指輪はさすがに笑ってしまったけど、何気に普段使いできるシンプルなデザインなのが怖い。普通に買えるのがこわい。内側のフルネーム刻印も怖い。尾形の指輪のデザインが割れた顎の縫合痕なのなんなん? 鯉登の眉毛もなんなん? 狂ってる……。どうせならシルバーよりK18が欲しい……違うっ考えるな! 指輪は付けない! どうせなら素材はWGかPTがよい! もういい! 考えるな! 負ける! これ以上!! 考えるな!!
仕事の休憩時間にちょっとだけ……、と310話を読み返したら、改めて「祝福」を浴びて虚無になり午後の仕事が死んだ。

ゴールデンカムイを1回目はストーリーを追って、2回目は好きな部分のみざっくりと、現在3回目は1巻からじっくり読み直しています。2回読み直してもまだまだ理解しきれていない部分があって楽しい。あと、今になって門倉とキラウシの良さに気づいたので、たぶん1、2回目ではほぼ取りこぼしてる門倉とキラウシを取り戻すのを楽しみに読み進めています。
アニメ4期が10月スタートということで、それも楽しみ。札幌ビール工場の終わりまでじゃないか? という予想を見た。ということは、あの「ゴッドタン弾丸装填選手権優勝尾形」が見られる……ってコト……?! 16歳の鯉登を、右目を失ってリハビリ期間中の尾形を、頭巾ちゃん期のヴァシリを、谷垣を殺すために地獄の果てまで追いかける殺戮サイボーグ月島を、アシリパ捕獲より鯉登少尉を優先してしまう月島を、「上官命令」を下す鯉登を、動いてる映像で見られるってこと? コワ。祝福されちゃう。

尾形のなにがいいって、接近戦ではほぼほぼボコボコにやられる狙撃手全振りのスキルと、プライドが高く重度の捻くれ拗らせメンタルの人間が最期無様な死に様を見せるところ。このへんはデスノートの月の最期にも通じるものがあるなって思う。エンターテイナーとして圧倒的過ぎる。「推しが死んだ」というより、「死んで推しが完成した」と思う。なに言ってんの?
最近ゴールデンカムイを読んでくれた友達とずっと「勇作殿が特選ロースを食べるところを見てみたい」「勇作殿が柄シャツを着ているところを見てみたい」「兄様は祝福されて生まれた子供です(バックハグ)」って言っています。楽しい。

今さら187話の感想。「やっぱり俺では駄目か、うまくいかんもんだな」というセリフには「杉元のように信頼される」「鶴見中尉のように周囲から心酔される」「勇作をたらしこむ」こと全てにかかっていると気づいて悶絶した。

【漫画ログ】ゴールデンカムイ最終話314話感想

白石やりやがった!!!
という感情と、
ヴァ……ヴァ……(ヴァ、ヴァシリおまえ生きとったんか~~!!)
という感情でもうグチャグチャ。

尾形とヴァシリ、月島と鯉登。この二組の関係性が好きだった私からすると、最終回で公式から最大の供給を投下されて心がどうにかなりそう……。ファンブックの『本当は美術学校に通いたかったけど家が貧しくて行けなかった』というインタビューからのあのキャラクター像、ヴァシリの生涯がすべて見えたようだった。正直、尾形が誰にも偲ばれず孤独に死んでいったことに一抹の虚しさを感じていたので、きっとヴァシリが弔ってくれたんだろうと想像できるあの1コマに衝撃を受け、そして安心しました。結局狙撃手としての対決は引き分けだったんだなと、それもアツい。
月島と鯉登はまじでなんも……言うことがない……(放心状態)。でも言う。最終的に月島か鯉登どちらかは死ぬだろうなと、そしてそれは八割の確率で月島だろうと思っていたのに。死亡ルート必須尾形が絶望するほどの生存ルート開拓能力持ちじゃん、月島。月島は、意識が死に向かっているというよりは、死刑囚を受け入れていたように「生存にいっさいの未練がない」状態のように思えたので、鯉登の薩摩隼人SSRスーパー光属性のおかげで引力が発生したイメージ。

個人的に杉元とアシリパさんの関係は、アシリパさんからはほんのりとした感情を匂わせつつも、杉元からは色恋ではなく、アシリパさんを一人間として最大限尊重し、保護者目線の意識しかないことを美徳と思っていたので、最終的にあくまで「相棒」としての約束をもってして二人の関係が収まったことにちょっと感動してしまった。この作者は常に全方向に気を遣って書いていたんだなぁと思って。
過去、「金塊が見つかったら故郷に戻って好きだった人と暮らすのか?」と、わりとストレートに質問をしたアシリパさんに対して「金塊が見つかったとしてもアシリパさんが事件について納得できるまで相棒のままでいるよ」と答える杉元に、「聞きたかった答えはそういうことじゃないんだけどな…」って気持ちを抱くアシリパさんの心情にウワア~って胸がぎゅうぎゅうにつらくなったから、「故郷に帰ろう」という杉元の言葉を聞いたアシリパさんのあの笑顔が本当にうれしくて、またウアアア~~! 3年後に肩を並べて歩く2人の縮んだ身長差にもン"……! ともなった。

白石というキャラクターは特殊能力持ちでだけど戦闘で強いわけでもなく(作中で一人も人を殺してない…?)、誰かを見守る立ち位置であることも多かった。人の死に対して感情をあらわにして、物語の上で読者の代弁者の役割を担う非常に重要な人物で、なおかつラストのオチをかっさらうってマジで仕事のデキる男だった、最高。終盤で「俺だって(杉元やアシリパに)そこまで信頼されているわけじゃない」と心情を吐露する白石に、せつなさ爆発して持ってかれそうになったこともある。個人的に好きなアシリパさんは、谷垣に「フチに会う夢を見たと伝えて」とことづけるところ。子供の嘘って言い訳に使われるイメージなので、誰かを安心させるための優しい嘘をアシリパさんはもうつけるんだと思って。

【漫画ログ】ゴールデンカムイ


がまんできなかった、尾形Tシャツ……。脂身食べて「ヴェッ」てなってる尾形と、トドを殺し損ねた「む?」の尾形が描かれているのでお気に入りです。届いてすぐ一度着ました。在宅仕事中に「私はいま全身で”尾形”を”理解”している……ッ!」とバーサーカー状態に陥ったのですぐに脱ぎました。

そういえば、元々アニメ作品はジブリピクサー(子供の頃に見たドラえもんとかしんちゃんとか)しか見ないくらい疎かったため、ゴールデンカムイも別にアニメはいいかな、と思っていた。だけど310話を読んで、尾形が走馬灯で過去の自分に問いかけられそれに混乱しながら答えるシーンがかなり衝撃的で、動いてる映像も観たい……! と強く思うようになった。それには今3期まで配信されているアニメを事前に観た方がいいのかなって。
あの描写ってすごく映像映えするシーンだと思う。映画「ベンジャミンバトン数奇な人生」のラストシーンで、「音楽が得意な人、ボタンを作る人、母親になる人、そして、踊る人…」と、ナレーションに乗せて過去に出会ってきた人たちを回想する場面があって、そこがあまりに綺麗で美しくて、思わず耽美な気持ちに浸った記憶がある。尾形のあれは醜くて無様な最後の悪あがきだけど、無様だからこそ美しい幕引きの映像になるんじゃないかな、と今から期待してる。

あと声優さんにも疎くて、尾形役が津田健次郎(ツダケン、という略称は聞いたことある)さんと初めて知ったんだけど、この人ってすっごい渋くてセクシーな声な人なんだね。言葉の中に吐息をまとっているというか。気になるシーンだけネトフリでちょこっとつまみ食いした。樺太で、金塊に関する鍵を聞き出そうとするシーンで、アシリパ銃口を向ける時の「お前達のような奴らがいて良いはずがないんだ」というセリフの消え入るような語尾の「だ」にゾクッとした。
あとは、父親を殺す際の、母に関する独白(父親はまだ事切れていないけどほぼ独白に近い)シーンの、感情がない淡々とした空気の中に潜んだ狂気。ツダケン……怖い……。この独白シーンはiPodに入れて通勤時に繰り返し聴きたいくらい良い……! この人の写真を改めてしっかり見たけど、男前すぎてたぶん今までずっと俳優さんだと思ってた。

310話で尾形の最期を目撃した瞬間から、今までは”尾形”だった尾形という概念が、明確に「「「尾形」」」になっちゃった。どっちが命だかわかんなくなっちゃった?! 「まずは尾形百之助少尉か…クスクス」って悦に入ってたの、最初読んだ時記憶違いで毒にやられた後のシーンだと思ってたんだけど、読み直してみたら普通にシラフの時に呟いててま~~じキモくて最高じゃん…! 最後まで「おっ母、見て」だけだった。罪悪感からずっと逃げ続けた末に、最後には追いつかれたのがキツイ。
万が一でも勇作殿による救済もあったか…と考えるけど、母親殺しの時点で詰んでるからどう転んでもデスルート。どの分岐選んでも結果「死」に辿り着くのなんなん? アシリパの毒矢で右目を撃たれた時に死んでいれば、それが本人にとってまだ一番マシな救済だったのかも。心の中のウェンカムイに幾度も殺されそうになっていた砂金採りの平太師匠は、最後死ぬ間際にすべてを打ち明けられたけど、尾形の自問自答は尾形の中にしかなく、杉元たちから見るとただ毒にやられて錯乱しただけにしか見えなかったのが辛い。最後まで内向きで一人よがり。イイイイイ~~~(悶え)(最高)

あの銃口を自分に向ける見開きのシーンをPCの壁紙にしてみたら心がぶっ壊れそうになったので2秒でやめました。推し、死ぬな。といいつつ、最高のフィナーレに胸打たれている。