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高血圧には、大きく分けて「本能性高血圧症」と「二次性高血圧症」がありますが、患者の9割以上が、原因不明な一次性高血圧といわれる「本能性高血圧症」とされています。これは、遺伝要因と、生活環境から生まれる要因により引き起こされる多因子遺伝病であるとされています。

<親が高血圧の場合、子供に高血圧が遺伝する割合>

高血圧は、さまざまな生活習慣が複雑にからみあって発症するとされます。親から受け継いだと明らかに特定できる「責任遺伝子」については、はっきりしたことはわからずとも、次のような調査結果が出ています。

・両親とも高血圧であった場合、子どもが高血圧になる確率は1/2
・親のどちらかが高血圧であった場合、子どもが高血圧になる確率は1/3
・両親が正常値であった場合、子どもが高血圧になる確率は1/20

これは高血圧になりやすい遺伝的因子の割合を見た結果ですが、遺伝的因子を多く受け継いでいたとしても、生活習慣に注意することで発症を予防することは可能です。両親共に高血圧である場合は、生活習慣に特に気をつけ、血圧をコントロールするよう努めましょう。

<血圧を上昇させる遺伝子「アンジオテンシノーゲン」>

さまざまな研究でも高血圧の決定的な「責任遺伝子」の発見は難しいとされていますが、血圧の上昇に関与が証明された遺伝子があり、それが「アンジオテンシノーゲン」です。塩分による血圧の上昇に関係すると考えられており、「アンジオテンシノーゲン」遺伝子型を持つ人が塩分を摂り過ぎると、高血圧になりやすいとされています。

内臓脂肪が増えると脂肪細胞自体からの分泌が高まり、血液中のアンジオテンシンを増加させて血圧を上昇させる物質です。アンジオテンシノーゲンは本来、主に肝臓でつくられますが、脂肪細胞でもつくられており、内臓脂肪の増加に伴ってその産生・分泌が高まり、血中濃度が増加します。アンジオテンシノーゲンは、腎臓から分泌されるレニンの作用でアンジオテンシンIにつくり替えられ、血液にのって肺を循環している時に、アンジオテンシン変換酵素の作用でアンジオテンシンIIに変わります。

アンジオテンシンIIは強力な末梢血管収縮作用をもつほか、副腎皮質でつくられるアルドストロンの分泌を促します。アルドストロンは血中のカリウムを排泄させ、ナトリウムの再吸収を促進し、血液の水分量を増やすため、血圧の上昇を惹起します。腎臓はこうした血中のカリウム、ナトリウム、水分量の変化に応じてレニンの分泌を調節し、血圧をコントロールしていますが、アンジオテンシノーゲンの分泌が増えると、この一連の血圧調節機構(レニン・アンジオテンシン・アルドストロン系=R-A-A系)が活発になり、血圧を上昇させるのです。

レニンアンジオテンシン系


<本態性高血圧症と遺伝の関係>

遺伝子が関係していると考えられている本能性高血圧症とは、なにも体で異常が見つからない高血圧症のことで、発症の原因は解明されていません。事象として、高血圧になった本人の血縁関係をたどると高血圧の方が多いことや、子どもも高血圧になりやすいことが多いことから、遺伝が関係していると考えられています。ただ、ひとつ言えることは、遺伝的要素があってもなくても、発症には生活習慣が大きく関係してきます。塩分の摂りすぎ、加齢による血管の老化、飲酒、喫煙、ストレス、過労、運動不足、肥満など、遺伝以外にも高血圧になってしまう危険な要因はたくさんあります。また、遺伝的な要素がある場合は、普段から血圧を測っておくと、高血圧によるなんらかの疾患が発症した場合の早期発見につながります。

・・・ということです。
親から子に遺伝するのはあくまで高血圧を発症しやすい体質であり、高血圧そのものではありません。そのため、遺伝的要因だけで発症する事はまず有り得ないのです。遺伝という要因に生活習慣が絡み合って、日常生活や食事、毎日の運動の有無などが影響を及ぼしてはじめて発症するものです。。(実際、うちは高血圧の家系ですが、弟はかなり食生活に気を付けているせいか健康体です。) カリウムを意識した食事、有酸素運動、ふくらはぎマッサージなどを毎日の生活に取り入れて、高血圧改善していきましょう!



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