【横浜フランス映画祭2024】『めくらやなぎと眠る女』村上春樹の小説がフランスでアニメ化

めくらやなぎと眠る女(2023)
Saules aveugles, femme endormie

監督:ピエール・フェルデシュ
出演:ライアン・ボンマリート、ショシャーナ・ビルダー、マルセロ・アロヨetc

評価:50点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

横浜フランス映画祭2024で村上春樹の小説をアニメ化した『めくらやなぎと眠る女』が上映された。知人が昨年の年間ベストに入れていたので気になって観たのだが、そこまでピンと来るような作品ではなかった。

『めくらやなぎと眠る女』あらすじ

2011年の東京。東⽇本⼤震災から5⽇後、刻々と被害を伝えるテレビのニュースを⾒続けたキョウコは、置き⼿紙をのこして⼩村の元から姿を消した。妻の突然の失踪に呆然とする⼩村は、図らずも中⾝の知れない⼩箱を⼥性に届けるために北海道へと向かうことになる。同じ頃のある晩、⼩村の同僚の⽚桐が家に帰ると、そこには2メートルもの巨⼤な「かえるくん」が彼を待ち受けていた。かえるくんは迫りくる次の地震から東京を救うため、こともあろうに控えめで臆病な⽚桐に助けを求めるのだった――。めくらやなぎ、巨⼤なミミズ、謎の⼩箱、どこまでも続く暗い廊下――⼤地震の余波は遠い記憶や夢へと姿を変えて、⼩村とキョウコ、そして⽚桐の⼼に忍び込む。⼈⽣に⾏き詰まった彼らは本当の⾃分を取り戻すことができるのだろうか…。

Filmarksより引用

村上春樹の小説がフランスでアニメ化

『すずめの戸締まり』が、巨大ミミズによる地震を阻止するための冒険譚であったが、そのルーツは村上春樹にあったのだろうか。モチーフが似ている本作を観ながらふと考える。そしてこちらは、失踪したキョウコ、小包を届けるために北海道へと向かうコムラ、そしてその同僚のカタギリの旅を編み込んでいくことで、東日本大震災後の心理を紐解こうとしている。映画は夢から現実へと引き戻される様を透明感のあるボディでもって演出している。例えば、電車で寝ている人を透明に描くように。そして怪物が出てくる空間から現実に引き戻す運動の反復によってトラウマを捉えようとしているように見える。しかし、フランス人から見た日本の珍妙な画以上のものはなく、単に3つの話が並んでいるだけのように思えて、あまりピンとくるような作品ではなかった。村上春樹の場合、持論が展開されるはずなのだが、それが漂白されてしまったように思える作品であった。
※映画.comより画像引用