トラカリコン!

「虎・借り・コン!」。虎の威を借りた狐。虎の威を借りて吠える狐が私…。虎が何であるかは、本人にもわからない。

安倍元首相による仕事の格付け

2021-11-22 18:24:23 | アベスガ政権
第2次安倍政権は、官僚を屈服させていた(NTTに接待されていた総務省幹部達は「安倍さんのお友達」だったのかもしれないが)。
政策の立案のような分野での変更ならともかく、法解釈や文書管理という公務員の仕事の基盤さえ踏みにじられた。それは、仕事の矜持を捨てることだ。

一方、公務員の中で「自衛隊は別格」、と定めようとしていた。
憲法が定める国家公務員の組織は、現在は会計検査院だけだ(他官庁に頭が上がらない所なのだから、それでなんとかなっているのでは)。元首相は自衛隊を明記したがった。命懸けで国を守ってくださるから、と反論が空気的に難しい主張もして。

「オリンピアン」「アスリート」も格上らしい。聖人認定されているようだ。

「東京2020」の時期もひどい扱いをされていたのは、政府のCOVID-19対策の欠陥を埋めていた医療従事者達。
使命感を搾取されているように見えた。燃え尽き症候群になっていないか気になる。
(ほとんど取り上げられなかったが。精神病院では、入院患者の人権も生命も医師達の人格にかかっていたようだ。例えばああいう場で政治家は学ぶべきなのでは)

介護施設の職員のワクチン接種の優先順位が低いままだったのも、ずっと待遇改善を進めない政府の価値観が反映されていたのだろうし。

マスコミは格が落ちた。放送法で中立を要求されているはずのテレビ局は、10月の改編期で一段と。生き残った番組は少数。
幹部が安倍さんに接待されてなびいた説・放送法または法的根拠なしに総務省に締めつけられた説・勝ち馬に乗りたい説・・・いろいろ推測されるが。
安倍政権時代、何人かの記者が海外で殉職されたり拉致されたりした。政府の扱いはひどいものだった。その上、多くの国民はその振る舞いを容認するようにみえた(「右な」人達はむしろひどい発言をしていた)。
戦場ジャーナリストは命懸けだし、国内で顔も出して報道するのも勇気がいると思う。そういう人達を軽んじる神経は私には信じられない。
こんな日本でのジャーナリスト。想像がつかないがすごく変わった人(自己顕示欲がとっても強いとか?)はともかく、職業上の使命感が動機なら、私ならめげる。

2015年は内閣法制局の歴代長官の憲法解釈が覆され、その際には9割以上の憲法学者の意見も否定された(他方、日本会議メンバーなどごく少数の憲法学者の意見は肯定された)。
次の首相菅氏は、日本学術会議の会員候補のうち6人を、理由を明らかにしないまま任命しなかった。
実績や研鑽とは何なんだ。虚しい。

警察官の印象は変わった。
2015年の国会前のデモでは、私には「あの人達には仕事だから」と思えた。沖縄県民に「土人」と言い放った大阪府からの警官には、警察官の理想と現実を思って失望した(なお、当時の松井知事はその警官の振る舞いを肯定した。法的に制度的におかしいのでは)。北海道で安倍氏の街頭演説の場でプラカードを掲げた人を囲んだ警官達には危険を感じた。今の警察は、こんなことまで認めているのか。
権力の行使にもうちょっと禁欲的な印象だったんだけど。もしも、アメリカの「BLM」の発端になったような事件が日本で起きても、今ならあまり驚かない。ああいうタイプの警官もいるだろう。
一番古いと、2歳の時に迷子で交番で面倒をみてもらった。その後もあちこちで道案内などお世話になってきた。なので、頭でそう思っても心はついていかない。



仕事は食べるため、と割り切れなかった。向上とか人との関わりとか、そんなものもあった。古いかな。
アルバイトそして就職して、他の人の仕事にも目が向くようになった。お互い、助けられたり迷惑をかけられたりして。

安倍元首相のCOVID-19対策は、「目詰まり」(本人談)・漏ればかりだった。多くの仕事現場からその不備を指摘された。現場を知らないせいもあるけど、そもそも、働く人の尊厳・仕事の価値を元首相が認識していなかったからではないか。

だから安易に職業を格付けし、持ち上げたり蔑んだりできるのでは。


例えば、企業の経営者が人員削減を決め担当者がその実務を行なうには、感覚が麻痺していないとつらいと思う。なのに、安倍元首相は、いろんな仕事の価値を公然と踏みにじった。
とても傲慢で有害だ。

一方、仲間内で公金を回したりオーナー商法の人とつながりがあったわけで。
ほんと、嫌になっちゃうよ。


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