デリー発着の航空便を利用すると車椅子利用者が多いことに驚かされる。
初めてその光景をみたとき、インド人はとても積極的なんだなと思った。
ベビーカーを押している私の前に長い車椅子の列。
車椅子で海外旅行なんてハードルが高いと思っていた私のイメージを覆された気持ちだった。
が、空港職員の方から衝撃的な事実を聞かされた。
インド人の車椅子利用のほとんどの方は歩行に不自由がない方です。
インドでは車椅子は高級品。
車椅子に乗るということが一種のステイタスになっているらしい。
それに楽でいいという考えもあるらしい。
(もちろん全員がそうではありません)
デリーの街を歩くと、こんな手動車椅子をよく見かける。
日本人の想像するいわゆる車椅子を路上でみたことはない。
おそらくそのような車椅子を利用できるのは富裕層だ。
そしてインドの富裕層は車移動が基本だから、車椅子でうろうろなどしないのだろう。
階層社会のインド
できることは自分で、という日本的な思想はまったくない。
人に任せられることはとことん任せるのがインド的発想だ。
だからせっかくある車椅子を利用して、それを押してもらうというのは当然の発想なのだろう。
自分でできることは自分でしましょう。
物心ついたときからこういわれてきた。
そして当然のように、わが子にも自分のことは自分で、と育てている。
でも、なぜ自分でできることは自分でしなければいけないのか?
任せられることは人にしてもらってなにがいけないのか??
その代償としてお金を払っているのならばなにがいけないのか。
金でなんでも解決は、日本ではあまり好まれない。
でもなぜいけないのか。
物を金で買うように、サービスを金で買うことがなぜいけないのか??
残念ながら、私はきちんと説明できない。
人間、ひとりで無人島に生きているわけではない。
うまく人を頼る(使う)ことが本当は社会的な生き方かもしれないな、ともインドに来て思うのです。
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