姨綺耶山長命寺は近江八幡市の水郷の田園から808石段の参道を登る山腹の風光明媚な古刹です。 

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長浜港から車で琵琶湖に沿って田園を南下し、彦根城を過ぎると近江八幡市内に入ります。昔の巡礼者は竹生島から船で長命寺前の港に着き、参道の808石段を登り霊場に向かったようです。今回の巡礼では、長命寺の参道前で遅い昼食を食べて見上げるのは808の石段です。

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長命寺の名前からして長寿を願いながら石段を一つ一つ登るのが本来の巡礼の姿ですが、運転の疲れもあり車で狭い林道を登り山上の駐車場に出ました。車で横づけすると参拝も慌ただしくなってしまいがちですが、参拝者の姿もなく深閑とした伽藍に向かいました。

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境内は東西に長く高低差があり、三重塔と間口の広い本堂が重なる様に建っています。
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天気が下り坂で雲が低くなり木々の間から琵琶湖の水郷が霞んで見えます。伽藍の静かな佇まいに西国巡礼も残り僅かになった雰囲気にはピッタリでした。開基は聖徳太子とありますが、平安期から鎌倉時代には延暦寺西塔の別院として最盛期を迎えたようです。

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この後、若いころ県の官舎で子育を一緒したご夫婦とお会いする約束になっています。9年前に伊勢市から故郷の近江八幡市に戻られお会いする機会もなったので、折角の機会に夕食を共にしようと近江八幡の駅前に宿をとりました。


ノンビリと歩く四国遍路の杖を納め高知市から帰り、白洲正子著作の「西国巡礼」を読み直し、50年前と現在での巡礼路をトレースしてみたくなったのが動機です。出来限り交通機関を利用しようとしたのです。伊勢志摩から若狭は余りにも遠く、仕方なく自家用車を利用したのが今回の巡礼です。しかし車を利用すると何かと寄り道が多くなり、霊場に居る時間は少なくなってしまいます。

歩き巡礼は交通機関利用になり、更には自家用車のナビで高速道路を走る有様です。
夜遅く宿に戻ったのですが、西国巡礼を満願したら「ノンビリ歩く巡礼の路」も完結しようと考えました。まだまだ訪れたい古刹はあるのですが、我が家からは遠方になるばかりで時間的制約と金銭的余裕がなくなって来ました。

 

平成から令和に変わるのも後2週間足らずです。「スクラップ&ビルド」は私の実学知識では、初めに事を諦めないと新しいものは見いだせないと思っています。限られた人生、残り時間も実感できる毎日になってきました。3日間の車の運転すら疲れを覚えるようでは、荷物を担ぐ長旅は無理なようです。巡礼はあっさりと諦めるか!

 

【満願寺までは残り僅かです。】