КНИГИ 『ロシア皆伝』(河東哲夫、イースト新書) | 赤の広場でつかまえて

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ロシア留学から帰国。楽しくてちょっぴり切ない?ロシアと私の物語。

 

著者は、1947年生まれで

東大から外務省、在ロシア大使館公使などを経て

日本政策投資銀行上席主任研究員、東大客員教授、

今は「評論家」だそうです。

 

外務省職員だった1970年代前半に

モスクワ大学に留学された経験もあるそうで

旧ソ連、ロシアについて、比較的冷静かつ

客観的に見ていらっしゃいます。

 

例えば、プーチン政権について。

 

プーチンは独りで何でも決められるわけではない。

大統領府、秘書役、「お友だち」の実業家たち……

との駆け引きをしながら国を統治しているのである。

 

ふむふむ。

こうなると、トランプ政権のアメリカ、

モリカケに揺れたどっかの国とも

あまり変わらない感じもします。

 

そしてズバリ、ロシア経済に未来はあるか。

まず、農業について。

 

農民の勤労意欲が乏しく、よそもの(移民でもいい)を連れてきて

きちんとした報酬メカニズムで働いてもらうことで解決するしかない。

と、ばっさり。

 

製造業でも

(資源が豊かなため)輸入品が割安で、自動車・家電・IT製品などで

西側に勝つのはほぼ不可能。ロボットや人工知能の進歩で

何かチャンスがあるかもしれない。ソフトではロシア人の型破りの思考力が

大きな力を発揮する。

と評価しているのか、けなしているのか……(苦笑)

 

もちろん、知識・経験の豊富さから

教えられることも多い本ですが

 

欧米では(プーチンが)「大変な額の資産の持ち主」である

と喧伝されているが、そのほとんどは公的財産が

大統領名義になっているのを数えたものだろう。

プーチンは「特権に身を持ち崩す様子がない」

(いやいや。名義を誤解した単純ミスですか?

断言しちゃって大丈夫ですかね)

 

エリツィン時代末期の1999年に起きた

モスクワ郊外でアパート爆破事件。

首相だったプーチンは、チェチェン人によるテロと断定し

チェチェン戦争を指揮して人気を得ます。

国外追放された政商ベレゾフスキーは後に

アパート爆破とチェチェン戦争は筋書きに沿ったものだったと暴露します。

この件については

戦争も、テロも政治工作の一つの道具?

ロシア当局はベレゾフスキーの発言を相手にもしていないので、

そういうことはないのだろう。

(当局が相手にしないことが唯一の根拠?

都合悪いから、スルーしてるだけでは)

 

などなど、突っ込みどころも散見されます。

 

相棒メドベージェフの豪邸(別荘?)が暴露され

プーチンだけが清貧な暮らしを望んでいるとは考えにくく

連続爆破事件とチェチェン戦争との関係は

(プーチンが直接指示したかどうかはともかく)

世論の支持を高めたい当局が画策したというのは

今やほぼ定説ではないでしょうか。

 

ひと口に、専門家・評論家といっても

それぞれの方が様々な立場、持論をお持ちです。

プーチンという人物像、ロシアという国についても

いろんな解釈を比べてみることが大事ですね。

 

 

 

 

 

 

 

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