昔の家の、戸口に倒れかかるように

白い子猫がやって来た。

 

食事をさせ、

シャンプーで洗って、

獣医に行くほどのことではないと思って

人間の虫下しを飲ませた。

 

このように白かった。

 

すぐ居ついたが

飼っているうちに、頭がいいことが分かった。

 

白いピンで遊ぶのが好きで

食器棚に置いてあるのを覚えていて

くわえて持って来て、

投げてくれと、ひざの前に置く。

投げてやると

猛烈な勢いで駆けて行って、口にくわえて持ってくる。

飽きるまで繰り返す。

 

隣りのお琴の先生の家の階段を上がって

遊びに行くのは

お弟子さんがいないとき。

あるとき、

スルメイカをさんざん食べさせてもらい、

先生が

「これ、おみやげよ」

と言って、残りを小袋に入れて渡したら、

それをくわえて階段を下りて、

持って帰って、母の膝の前に置いた。

 

「何?」

と、母がそれを取り上げたところに、

お琴の先生が駆けつけて

「このミー子は天才よ」、といきさつを話してくれたそうである。

 

人にはいつもこのような上から目線の表情をしていた。

 

母が寝ている枕元に、

大小数匹の息絶えたネズミを自慢で並べておき、

目を覚ました母に

悲鳴をあげさせたこともある。

 

驚かせすぎたと思ったのか、2度としなかったけれど。

 

 

 

<今の運勢>

「未済」。コロナはまだ終わらない。「その尾を濡らす、吝なり」。用心を忘れて動けば必ずコロナに掛かる。いつまで続くかを占ったら、噬嗑の卦の「肌を噛んで鼻を滅す」という卦が出た。注射をするまでだ。「鼻を滅す」だから2度、または3度でもやろう。私は先日、2度目をやった。