頭痛やめまい、しびれを感じたら脳動脈瘤があるかも?

致死率30%以上のくも膜下出血を引き起こす脳動脈瘤の初期症状と

脳動脈瘤の有無を調べる検査についてご紹介します。



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脳動脈瘤とは?

脳の動脈の一部が瘤(こぶ)のように膨らんでいる状態で、「未破裂脳動脈瘤」とも言います。瘤になった血管は脆く破れやすくなります。脳動脈瘤が破裂した場合はくも膜下出血を発症します。(くも膜下出血の80%以上は脳動脈瘤の破裂によるもの)

脳動脈瘤くも膜下出血

40歳以上の成人の5%の人が有しており、年間で約0.5〜2%程度が破裂しています。瘤の大きさによって破裂する確率は異なりますが、毎年1000人のうち5〜20人は脳動脈瘤破裂によってくも膜下出血を発症していることになります…

 

脳動脈瘤が発生する原因は?

  • 遺伝(家族歴の有無)
  • 喫煙
  • 高血圧
  • 過度の飲酒

脳動脈瘤ができやすい体質は遺伝します。血縁者に脳動脈瘤を有している、またはくも膜下出血を発症した方がいた場合は自身の脳動脈瘤の発生リスクは高くなります。

また後天的には喫煙、高血圧、過度の飲酒により発生リスクが高まるとされています。ただ、いまだ発生要因が分かっていないケースも多く、上記要因がなくても脳動脈瘤が発生することをお忘れなく。

脳動脈瘤の症状は?

脳動脈瘤ができたとしても初期症状はほとんどありません。

瘤が大きくなると以下の症状が出現する可能性があります。
(瘤のある場所や大きさによって症状の有無や種類は異なります)

  1. 目の異常(物が二重に見える、まぶたが下がるなど、痛み)
  2. 頭痛
  3. めまい
  4. 吐き気
  5. 頭部の違和感(モヤモヤ、ボォーッとする)

瘤の膨らみが大きいと周囲の神経を圧迫し、脳神経麻痺といった症状が出現します。症状として多いのは動眼神経麻痺による複視(物が二重に見える)や眼瞼下垂(まぶたが下がる)などです。

瘤が小さい場合は基本的に無症状です。1のような脳神経麻痺が出現する場合は瘤がそれだけ大きくなっており危険な状態と言えます。2〜5の症状については明確な機序はありませんが 、1の目の異常から誘発される不定愁訴である可能性もあります。

ただ2〜5の「頭痛・めまい・吐き気・頭部の違和感」などを訴えた数日後にくも膜下出血を発症するケースも少なくありません。上記症状を感じて原因が思い当たらない場合は、早めに受診することが予防につながります。

「警告頭痛」

激しい頭痛が出現する前に起こる頭痛のこと。痛みは比較的軽度だが、突然に生じるくも膜下出血に先んじて起こる微小出血によるものである。特異的所見ではないため、これのみでくも膜下出血を疑うのは臨床的に難しいが、やはり些細な頭痛でも見逃し厳禁だ。

しびれについて】
頭部や目の異常を訴える際に「痛いような、しびれるような」といった抽象的な表現としてよく聞かれます。頭部以外の手足でしびれを訴える場合は脳動脈瘤とは無関係です。

 

動脈瘤の有無を調べるには?

脳ドックを受けよう!

脳ドックMRI

脳ドックでは主に以下の検査を行います。

  1. 頭部MRI検査頭部を色々な角度から撮影することで無症候性の脳梗塞・脳出血・脳腫瘍の有無を調べる。現在の自身の脳の状態を知ることができる。
  2. 頭部MRA検査:脳動脈を撮影することで血管の奇形や狭窄、AVMによる血管の塊の有無、動脈瘤の有無や大きさの程度を調べる。
  3. 頸部MRA検査 or 頸動脈超音波(エコー)検査:頚動脈の動脈硬化の程度、頚部の血管狭窄、コレステロール・プラークの有無を調べる。

※この他にも血液検査や心電図検査、尿検査などを行うところもあります。

脳動脈瘤の有無やその大きさを調べるのには頭部MRA検査を受けましょう。費用は3万円前後で検査にかかる時間は2時間程度になります。

【若い人も要注意!若年性脳卒中って知ってる?脳ドックでリスクチェックしよう!】

まとめ

今回は脳動脈瘤の初期症状や発生原因、脳動脈瘤の有無を調べる脳ドックについてご紹介しました。

一般的には、何の症状もなくたまたま頭部MRA検査をしたときに脳動脈瘤が見つかるケースが多いと言われています。でも個人的には受け身でいるより自ら脳ドックを受けてリスクを確認すべきと考えます。

【脳ドックで動脈瘤が見つかった!治療方針や手術の種類とリスクは?】

上述した脳動脈瘤による症状に心当たりがある人も、そうでない人も、是非とも脳ドックを受けて下さい。

すでに目の異常(複視や眼瞼下垂)が出ている方は脳動脈瘤が治療対象の大きさになっている可能性があります。脳ドックではなく脳神経外科のある病院を受診すべきです。

くも膜下出血は本当に怖い病気ですよ?