秩父の名峰・両神山
旅館のそばから乗った小鹿野町営バス。終点で降りるまで、乗客はZUYAさん1人だけでした
終点の「白井差口バス停」からトボトボと10分ほど歩いていると、前方から車1台分ほどしかない道をぶっ飛ばして下ってくる軽トラが見えました。あっと言う間にZUYAさんの目の前を通り過ぎて、若干広いところで器用に切り返して、ZUYAさんの傍まで再び近づき停まりました。ZUYAさんは直ぐにピンと来て、
「山中さんですか?」と尋ねる
山中氏「そう言うあなたはZUYAさん?」
この返し...(こ、こやつ...で、出来るな...)
促されるままザックを荷台に乗せ、助手席に乗り込む。町営バスの運転手から、色々と事前情報を聴き出しておいたのが役立ちました。先ほどのバス停から、もう全て山中氏の所有地になるそうです
登り坂をぐんぐん進む軽トラ。源氏を祖先に持つらしい地元の名士である山中氏(以下、山中さん)。昔は親とはぐれた子熊を2頭飼っていたり、去年の台風19号の時には道が寸断され自衛隊が必要な物を届けに行ったと逸話の数は多いようです。10分弱で山中さんの自宅に到着。ここで登山届を出し、コースの説明を受けいざ出発。この山中さんの説明がわからない人は、山歩きには向いていないと言えるぐらい懇切丁寧なものでした
山中さんの軽トラと最後のお手洗い場
この日に白井差から登っているのはZUYAさん以外に2組のペアで計5人とのこと。ピストンでの登山が条件となるこのルート(他の登山口へ下山してはいけない)。その代わり、万が一の時は元山岳救助隊だった山中さんが責任を持って見つけ出してくれる
※興味のある方は山中さんのインタビュー記事をご覧ください
登山口から20分ほどで「昇龍の滝」に到達。自身の家の敷地内にこんな立派な滝があるなんてねぇ。更に水が流れる沢に沿って、次に空沢に沿って少しずつ高度を上げて行きます。もうZUYAさんは半袖1枚で進みます
登山道は山中さんがしっかり整備している。手作りの橋やらルートを外れないように石にペンキで目印がされてある。そしてある地点を境に一転、急なジグザグな坂が始まる。ぶっちゃけ10数回めげましたよ
“何で登山なんかしようかと思い立ってしまったのだろう...”
とか
“何でこんなに体力がないのだろうか...”
と何度も自分の弱さを口に出しながら歩みを進めました。まぁ、これを乗り越える根性を磨きに来ているのですけどね。疲れて来ると何度も倒木を熊と見間違えてドキッとするのはいつものこと
2時間もかからずに、山頂に到達~
両神山山頂(1723m)からの景色は、想像以上に素晴らしいものでした。全方位隔てるものはなく、アルプス、八ヶ岳、富士山、武甲山のある秩父、宿のある小鹿野町まで全て見えました(若干ガスっていましたけどね)
本当に素晴らしい景色で、下界に降りるのが嫌になってしまいましたよ
八ヶ岳かな?
富士山ですね
写真中央辺りに見えるのが、宿のある小鹿野町中心部ですね
風もなく、ただただ“天界の人々(?)”の気分。しかしそうはいかない。登ったら潔く下りる、世の常である。ねえ、安倍くんよ?(何の話?)
30分ほど滞在し下山開始。個人的には登りよりも下りの方がブランクのある者は気を付けるべきかと思いますね。行きは登るので精一杯だったので、帰りは結構立ち止まって写真を撮りましたよ
飛行機雲が綺麗に~
山中さんの家には90分程で到着。“環境整備費”として1,000円払い、百名山バッチをもらいました。“バス停まで車で送ってあげるよ”と言って下さったのですが、バスの時間まで余裕があるので30分ほどのんびり歩くことに
バス停では往路と同じ運転手が待っていました。何か懐かしい村上春樹の「ノルウェーの森」の一場面を思い出しました。現実の世界に戻って来た感じ
小鹿野町営バス(ってかバスと違うやん!)
宿に着くやいなや、フロント前のロビーにて瓶ビールで「独りお疲れ様会」。朝食はお握り2個、昼食はカロリーメイト2本しか食べていないから、もう腹ペコです。でも夕食までにすることがあるのです。今朝訪れた鹿公園の管理人夫婦と猫にお会いしたいのです
軽装に着替えテクテク。ちょうど餌やりの時間。鹿に生の南瓜を与えていて、それを食べる鹿たちの響きわたる咀嚼音に驚いた~
隕石ではなく飛行機雲です~
さて宿に戻り、17時から予約しておいた貸切露天風呂タイム
翌日以降にやってくるであろう筋肉痛に備えて体をほぐす。風呂上がりは、いよいよ須崎旅館さんでの初めての夕食。準備された隣の部屋に行くと、まぁ素晴らしい物が~
またもや瓶ビール(ZUYAさんは瓶ビールが大好き)。一杯目は女将さん自ら注いでくれましたが、コロナのこともあるからあまり引き留めず、独りで黙々と食べ始める。前日の残りのワインもがぶ飲み
メインは「上州牛のしゃぶしゃぶ」
岩魚も天婦羅も美味~
〆はやはり秩父蕎麦
過去2回は夕食はいつもホルモン焼き屋だったので、感激しました。食後は“腹ごなし”に夜の散歩に出ました。まさに満天の星空。地方に旅に出て星空を眺める度に、星座に関する知識の乏しさに恥ずかしくなります。星だけではなく山に行くのに、鳥や植物の知識も乏し過ぎます。今回もわかったのはカシオペアとオリオン座だけでした~
宿に戻り女将さんに話すと、“今は獅子座流星群ですから、よろしかったら屋上に行って頂いて構いませんよ~”と特別に許可をもらい再び星空を眺めました。残念ながら観れた流星は1つだけでしたけどね~
部屋に戻り、寝酒に缶ビール(まだ飲むんかい!)。充実した2日間。まったく抜かりはなく、起こること出会うこと全てに感動の連続。そして秩父路の旅初めての2泊目が終わります。最終日は特に予定を立てていないのですが、朝食を食べながらノンビリ考えようと思いながら眠りについた
まさか...
翌日はあんな一日になるとは
夢にも思わずに...
「その四」に続きます~
「ノルウェーの森」は、今ひとつなじめなかったけれど…
これは、読んでてメチャクチャ楽しい♪
次回への期待感、ハンパないです!!
ちょっと長くなってしまいました。2泊3日だから全3回ぐらいでまとめたかったのですが、いかんせん内容が濃い旅でしたので~
次は最終回。間に別ストーリ—を挟むかもしれませんが、お待ちくださいませ~
しばらく登っていません。
「その四」から遡っているので、何が起きたかはわかっていますが、こんな素敵な景色を満喫したあとだったんですね。
お食事も豪勢。
どこかに行きたいな~とソワソワしてしまいそうです。
しかもその間の「動き」が凄い
体重だけが何故か減っている今日この頃です