ウォーク更家の散歩(東海道・中山道など五街道踏破、首都圏散策)

甲州街道を歩く( 27:駒飼)(山梨県甲州市)1km 2021.6.12


(写真は、私が宿泊を予定していた「旧旅籠・

 大黒屋サンガム」)


駒飼宿(こまかいしゅく)は、甲州道中最大の難所笹子峠を

控え、大いに賑わいました。

 

本陣1、脇本陣1、問屋1、旅籠6軒でした。

次の鶴瀬宿と合宿で、問屋業務は、毎月21日から月末

までを駒飼宿が勤めました。


雪解けの笹子峠を越えた甲陽鎮撫隊(新選組)の一行は

この駒飼宿に宿陣しました。

ここで初めて、板垣退助が率いる政府軍によって、甲府城が

奪取されたとの情報が知らされました。

甲陽鎮撫隊の古参の約20名以外は、戦闘経験の無い烏合の衆

だったので、この情報が隊員に知れ渡ると、脱走が相次いだ

そうです。                       

矢立の杉をスタートして、笹子峠を越え、県道をひたすら

下り続け、ようやく次の駒飼宿に到着しました。 

 

宿場町に入ると、右手に、「秣(まぐさ)負ふ 

人を枝折(しおり)の 夏野哉」の芭蕉句碑があります。

 

この句は、奥の細道で、芭蕉が、黒羽(くろばね)へ行く近道

として、広い那須野(なすの)を横切ろうとしたときの情景を

描いたものです。

(句意:広大な那須野は、枝折(しおり)になるような木が

一本もない原野だが、あの農夫を枝折と考えて、農夫の通りに

進めば、目的地の黒羽に到達できるはず。)

 

(注)「枝折」(しおり)は、本に挟む栞(しおり)のこと

 ですが、本来は、野山に入る時に、戻り道で迷わない様に、

 いくつかの木の枝を折って目印にすることを「枝折」

 (しおり)と言いました。

 

なお、上記の句は、「おくのほそ道」には載っていません。

(黒羽に行くために那須野を横切る話については、

 「バスで行く奥の細道:黒羽」を見てね。)                                                         

 この芭蕉句碑は、明治45年の大水害で流失した句碑を

再建したものだそうです。

 

宿場町を進むと、左手に「脇本陣跡」の標柱があります。

更地になっていますが、富屋陣左衛門の旅籠屋がありました。

脇本陣跡の先の左手には、「本陣跡」の標柱があります、

酒造業を兼ねた渡辺家が、本陣を勤めていましたが、ここも

敷地は更地になっています。

敷地の奥には、前頁の写真の「明治天皇御小休所址」の碑

があります。

明治13年の巡行の際の休息所となりました。

この本陣跡の向いに上の写真の「萬霊塔」があります。

万霊塔とは、三界有縁無縁のありとあらゆる精霊達を供養する

塔です。

「日影バス停」の手前を左折して下り坂に入ります。 

坂道を下ると、左手に下の写真の旧旅籠「大黒屋サンガム」が

ありました。

実は、前日に、この「大黒屋サンガム」に、宿泊予約の電話を

したのですが、電話に出た女将さんらしき人が、悲しそうな声

で、「コロナのため廃業しました・・・」とのことでした。

 

股関節炎を抱えた私は、笹子峠を歩き終えて直ぐの所にある

この旧旅籠の建物に宿泊するのを楽しみにしていたのですが

・・・

こんな山奥にまでコロナ禍の影響が!

大黒屋サンガムの向いには、甲州街道駒飼宿の標柱が

あります。

この標柱のある場所が駒飼宿の西口です。

 

股関節炎が痛み始め、これ以上は歩けないので、ここ「日陰の

バス停」から路線バスで「JR甲斐大和駅」まで行きます。

 

 

(JR甲斐大和駅)

 

甲斐大和駅前の上の写真の居酒屋の焼鳥と生ビールで

夕食にします。  

 

こちらの居酒屋は、酒類の提供もあり、山梨方式の感染対策が

非常にしっかりしているので、久し振りに生ビールを

思い切り飲みました。

 

夕食後、ここから中央本線に乗り、八王子経由で新横浜に

帰宅しました。

 


駒飼宿から鶴瀬宿までは約1キロと短い距離です。

 

 

 


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コメント一覧

ウォーク更家
甲州市の大黒屋サンガム
http://blog.goo.ne.jp/mrsaraie
笹子峠を越えて、駒飼宿を目指す今回の街道歩きは、コロナ禍で出会う人もほとんどなく、江戸時代の風景を残す見所がたくさんありました。

ええ、未だ旅籠を続けていた数少ない「大黒屋サンガム」への宿泊は、昔の旅人の気持ちにタイムスリップ出来そうで、大きな楽しみだったのですが本当に残念でした。
tadaox
まとめて甲州市とは
https://blog.goo.ne.jp/s1504/e/56b054e10d5fab28894f0f65175ac43b
笹子峠を越えて、駒飼宿を目指す今回の街道歩き、見所がたくさんありますね。
写真で見る旅籠・大黒屋サンガムさんに泊まれなかったのは本当に残念でした。
旅館内部をリポートしていただけたら、きっと昔の旅人の気持ちがわかったでしょうに・・・・。
たぶん、懐に余裕のある人が泊まる旅館だったのではないですか。
造りも調度品も立派なものだったりして。廃業とは惜しい。女将さんの絞り出すような声が聞こえてきそうな場面でした。
それぞれの場所や歴史を紐解いて、味わい深いブログにしてくれる更家さんの足跡も含め、すべてひっくるめて「甲州市」では、なんとも味気ない行政区の行方が案じられます。
ウォーク更家
曾良随行日記には
http://blog.goo.ne.jp/mrsaraie
ええ、当てにしていた宿がコロナ禍に廃業していたのには心が痛みました。

そうですね、駒飼宿は馬を飼って育てていた宿場町だったでしょうね。

おくのほそ道に載せてない俳句でも、曾良随行日記に記載されているものが多いです。
おくのほそ道に載せてない行程についても、曾良随行日記には詳細に記載されている場所が多いです。

ホントに、歩いて汗をかいた後にあおる生ビールは格別でした!
もののはじめのiina
(ウォーク更家) さん へ
https://blog.goo.ne.jp/iinna/e/947c6fe094f891c98adefb2566afb4ed
当てにしていた宿が、コロナ禍に廃業していたとは、おつかれさまでした。
実は、おとといに腕時計の電池が切れて、いつものお店に行くと閉店してました。500円で替えれたのが2200円も取ると申します。

駒飼宿は、いかにも馬を飼っていそうな宿場町です。
ところで、「おくのほそ道」に載せてない俳句があるのですね。
地元に残した俳句で、そんなことが解明されるのでしょうか・・・❔

歩いて汗をかいた後にあおるは、うまいですょね。

今回の景品になったお茶は、よくみると55万人に当たるようです。ならば、1週間つづけて応募すると当たることもあります。現に5回ほど当ててます。
ウォーク更家
ひざ痛でも
http://blog.goo.ne.jp/mrsaraie
膝関節痛へのお言葉、ありがとうございます。

そうですね、笹子峠も何とか無事に超えられたので、多分、あとは下諏訪まで下り基調だと思います。

ええ、楽しみにしていた旅籠への宿泊が、コロナ禍の廃業でがっかりですが、観光業界にとってはホントに厳しい時代になりました。

そうですよね、コスモタイガーさんは、原則日帰りですから、旧街道runは影響を受けてないんですね。

えぇ~!!、コスモタイガーさんも、私と似たひざ痛に腰痛とは意外でした。

そうですか、お互いに、勢い良く中山道の峠を越えていたのも今は昔ですか。
でも、中山道の峠越えは、行けるときに行っておいて良かったな~、とつくづく思う今日この頃です・・・

まぁ、コロナ禍で旅しづらい雰囲気の上に、慣れない業務で大変そうですが、お互い気長に旧街道run/歩きを続けましょう。
コスモタイガー
ひざ痛
https://blog.goo.ne.jp/cosmotiger_1968
笹子峠も超えられ、駒飼宿ですか。
あとは下諏訪まで下り基調なのかな?

それにしてもこんな所までコロナ禍なんですね。
観光業界にとってはいつまで続くのか、嘆かわしいところです。
私の場合は「すべて日帰り」を基本としてますから、今のところ旧街道runに関してはほとんど影響ありませんが。

ただし、別の形で影響が。
名古屋に戻れたのは嬉しいのですが、慣れない業務に四苦八苦している上、ひざ痛&腰痛が気になる毎日。
勢い良く中山道の峠を越えていたのも今は昔。
衰えは隠せません…。
日々のランニング自体は何とか継続しているものの、旧街道runは名古屋戻って以降、完全にお預け状態です。
まぁ、コロナ禍で旅しづらい雰囲気、というのも大いにありますが。

膝関節痛、なかなか面倒ではあるかと思いますが、末永く楽しむためにも、ご自愛ください。
ウォーク更家
気を付けて街道歩きを続けます
http://blog.goo.ne.jp/mrsaraie
股関節痛へのお気遣い、ありがとうございます。
甲州街道の最大の難関の笹子峠を何とか超え、これから先は中央本線沿いの平地なので、股関節に違和感を感じたら、無理押せずに途中からでも電車で引き返します。

こちらの居酒屋は、山梨方式の感染対策が非常にしっかりしており、酒類の提供もあるので、久し振りに、外食して生ビールを思い切り飲みました。(-_-;)
確かに、生ビールが痛み止めになったみたいです。

江戸時代の芭蕉句碑は、必ずしも、芭蕉がその句を詠んだところに建てた訳ではなさそうで、関係ない土地の俳人達が、自分達の好きな句の碑を建てた、という話を多く聞きました。
hide-san
気を付けて!!
https://goo.blog.ne.jp/hidebach
股関節痛のは気を付けてください。
帰り際に生ビールは痛み止めですか?

・秣おふ人・・・

は黒羽の玉藻稲荷に句碑がありましたね。
ここにもあるのですか。
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