コーナリング中は基本的にずっとトラクション(駆動力)オン!
だけど、LSD効果でコーナー外側のタイヤに駆動を掛ける為に
ドリフト抵抗やグリップしてるとプッシュアンダーとかマイナス側に働く力と
喧嘩しているようになってしまう。
僕は戦車のキャタピラーをイメージしてトラクションを掛ける路面を選んで走る時があります。
ずいぶん昔に90式戦車の走行を見たことがあって、スムーズなコーナリングをすることに
びっくりしました。(参考映像は10式戦車)
操舵輪が付いていないキャタピラー(クローラー)でのスムーズなコーナリングは
左右のキャタピラーの回転速度を変える事で可能にする。
外側よりも内側をわずかに回転速度を遅くすると巻き込むように曲がれる。
ラリーのターマック林道走行でイン側のタイヤを低μな場所(砂地、泥、草ムラなど)に
飛び込ませて走る事がありますが、単純にライン取りを有利にする事だけでなく
僕はイン側を空転させて外側に比べてトラクションを相対的に下げる事で、アクセルを抜くことなく
スムーズにコーナリングさせる効果も狙っています。
~ココから下はちょっと面倒な話なので、興味ない方は飛ばして下さい~
LSD(リミテッド、スリップ、デファレンシャル=差動制限)はアクセルオン時に左右のタイヤの
駆動力を連結させて、内側のタイヤの空転を抑えて外側のタイヤにトラクションを伝えるものです。
その為、内輪差を吸収できないので内側タイヤがスリップ(内輪差分だけ)します。
駆動輪の内、外側輪がグリップで内側輪がスリップするので、当然コーナリング速度の限界は
低くなり、自然とドリフト状態でトラクションを掛けるようになっていく。
でも、本当にコーナリング速度を上げるのであれば、デファレンシャルギアにより、内輪差を吸収
しながらトラクションを掛け続けられれば、内側タイヤもスリップさせずにコーナリング速度を
上げられる。最近の車はこれをブレーキ制御で内側のタイヤの空転を微少に抑えるコントロール
をしているらしい!?技術の進歩はすごいですね。
~ココまで~
実戦的にはちょっときつめのコーナーとかで、入れそうなイン側の砂利とか草むらには
イン側のタイヤを入れちゃうって事です。
(パンクのリスクが伴うので、タイヤの横面ダメージに注意しながら)
上図は通常の考え方、下図がキャタピラー効果を狙った考え方
ちなみに雪道のラリー走行では、左右のタイヤを深雪と圧雪に乗せる位置をコントロールして
コーナリングをスムーズにします。ターマックとは逆に、イン側をグリップ高い深雪に乗せる事で
外側タイヤをスリップさせて主にイン側のタイヤにトラクションを掛けながら走る。
柔軟に伸縮するサスペンションが必要です。
願わくば、こういったノウハウを
皆様の安全運転に応用していただけると嬉しいです。