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川上弘美『これでよろしくて?』2012・中公文庫-男子には少し「こわい」小説です

2023年05月17日 | 小説を読む

 2019年夏のブログです

     *

 川上弘美さんの『これでよろしくて?』(2012・中公文庫)を読みました。

 この本も旭川の本屋さんで見つけました。

 こうしてみると、ずいぶんいい本を見落としているな、と反省します。

 しかし、これも人生。

 いくら計画的に生きようと思っても、結局は、一期一会で、目の前のことを一所懸命にやるしかないのでしょうね。

 さて、この小説、男子(じーじはもうそろそろ卒業ですが…)には少し「こわい」小説です。

 何が「こわい」って?

 それは読んでからのお楽しみですが、「こわい」みなもとは、「これでよろしくて?」同好会という女子会。

 普通の主婦やOLからなる女子会ですが、これがすごい!

 本音トーク炸裂です(もっとも、現実の女子会はもっとすごいのかもしれませんが…)。

 話されるテーマは、例えば、パンツ問題、機嫌がよすぎる男、ばばあ問題、などなど、なかなか深いです。

 これらの様子が、真剣、かつ、少しユーモラスに描かれるので、ついつい読んでしまいます。

 「こわい」もの見たさみたいな感じでしょうか?

 もっとも、川上さんの小説のすごいところは、女子会を描きながら、いつの間にか、男女を超えて、人間を見るところ。

 そんなに大げさなものでもないのですが、目線は温かくて、読後感はなかなか充実しています。

 いい小説に出会えたな、と思いました。(2019.8 記)

 


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2 コメント

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こわい? (ぴあ野)
2023-05-17 14:28:25
この本が文庫化されて読んだとき、
(もう10年も前になるんですね)
この同好会を即作りたいと思いましたw
「これでよろしくて?」を真似して
口にもしていたことも思い出しました。
男性からしたら、そうなんでしょうか、
おもしろいですね。
こわい!です (どさんこじーじ)
2023-05-17 14:47:12
こんなことが現実にあったら、男子には、こわい!です。
小説だから、なんとかなっていますが…。
だいたい、男子は、女子がかよわいものだと錯覚(?)をしていますからね。それが覆されるこわさがあります。
もっとも、昔からある井戸端会議は同じようなものではないかとじーじは想像しているのですが…。

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