あるニヒリストの思考

日々の思いを綴る

安倍晋三元首相は子供だったから支持率が高かったのである。(提言その9)

2023-03-29 15:23:32 | 思想
「子供は正直だ」という言葉がある。大人は嘘をつくことがあるから信用できないが、子供はどんなことも正直に言うから信用できるという意味である。言うまでもなく、子供に対して好意的な言葉である。しかし、子供が正直であるのは、大人に対してではなく、自我の欲望に対してなのである。子供は、自我の欲望に正直だから、店内で駄々をこね、菓子やおもちゃを離そうとしないのである。些細なことが原因となって喧嘩するのである。学校で、嫌いな人を集団でいじめるのである。いじめられた子の中には、自殺する者もいる。つまり、子供は、人の心を思いやる心が無いから、自我の欲望のままに行動し、周囲に多大な迷惑を掛けるのである。そして、時には、死をもたらすのである。だから、大人の介入による抑圧が必要なのである。安部晋三元首相も子供のように自我の欲望に忠実に行動した。それが可能だったのは、国民の内閣支持率、自民党支持率が高かったからである。なぜ、国民の支持が高かったのか。それは、安部晋三元首相は、愛国心という自我の欲望に取りつかれ、それに従って行動したからである。一般に、愛国心は、字が表す如く、国を愛する気持ちと説明されている。しかし、それは、表面的な意味である。真実は、世界中の人々に、自分が所属している国の存在を認めてほしい、評価してほしいという承認欲から生まれた自我の欲望である。人間は、自分が所属している国の存在が認められ、評価されれば、その国に所属している国民という自我もまた認められ、評価されたような気になるのである。愛国心に取りつかれた人は、そのためには、手段を選ばないのである。愛国心に取りつかれた政治権力者は、国民による強い批判が無ければ、自国の兵士、国民、相手国の兵士、国民を思いやることなく、戦争を引き起こすのである。現在、世界中の人々は、皆、国という構造体に所属し、国民という自我を持っている。だから、世界中の人々には、皆、愛国心がある。愛国心とは、自分が所属している国の存在を認めてほしい、評価してほしいという承認欲だけでなく、自分が所属している国という構造体で、国民という自我を保持し続けたいという保身欲から発した感情でもあるからである。愛国心があるからこそ、自分が所属している国の動向が気になり、自分が所属している国の評価が気になるのである。国の動向が気になるのは、自分の所属している構造体が存続・発展してほしいという保身欲から起こるのである。国の評価が気になるのは、世界中の人々に自分の所属している構造体を評価してほしいという承認欲から起こるのである。世界中の人々に自分の所属している国が評価されれば、国民という自我が評価されたように感じ、快楽が得られるのである。また、愛国心があるからこそ、支配欲、承認欲、共感欲がが生まれ、オリンピックやワールドカップが楽しむことができるのである。勝利すれば、相手選手や相手チームに勝ちたいという支配欲、世界から認められたいという承認欲。自国選手や自国チームとともに戦っているという共感欲が満たされるからである。しかし、愛国心があるからこそ、北方四島、尖閣諸島、竹島という島々を獲得しようという支配欲が生まれるのである。また、愛国心があるからこそ、自国は被害国だから戦わなければ敵国に馬鹿にされると言って、承認欲によって戦争を起こすことを主張する愛国主義者が現れるのである。そして、戦場では、支配欲によって敵国の人間という理由だけで殺すことができるのである。また、戦争が起こってしまえば、国民全体に、国の勝利という一つの目的に向かってと団結するという共感欲が生まれ、勝利を目指して戦うのである。政治権力者はそれを利用して戦争を引き起こすのである。つまり、愛国心とは、保身欲、承認欲、支配欲、共感欲に動かされた自我の欲望なのである。安部晋三元首相の自我の欲望による悪行は数知れない。結果的には失敗したが、検察庁法改正案を強行採決し、安倍政権寄りの東京高検検事長の黒川弘務を、検査庁トップの検事長に就任させる道を開こうとした。イスラエルでは、イスラエル寄りの演説をし、イスラム国に、囚われていた後藤健二さんを殺させた。アメリカ軍の普天間基地を、沖縄県民の意向を無視して、辺野古に移設しようと現在も工事を続けている。森友学園、加計学園、桜を見る会で、自らの知人、自らを崇拝している人、自らを支えてくれる人たちに、国税、国土を私物化し、便宜を図った。そのために、近畿財務局の赤木敏夫さんは、自殺している。森友学園との土地取引をめぐって、麻生財務大臣や財務省の理財局長に、財務省の公文書の改竄を命じられ、反対したのに、加担させられたからである。さらに、安倍晋三元首相は、国会の短期間の審議で、強行採決をして、国家安全保障会議、集団的自衛権、特定秘密保護法を通し、内閣総理大臣の判断だけで、いつでも、アメリカに追随して、日本を、戦争ができる国にしたのである。愛国心に取りつかれていたのに、アメリカの下僕であることには、恥じることは無かったのである。韓国経済に打撃を与えようとして、徴用工問題に対抗して、半導体材料の輸出を規制した。韓国に、日本の力を知らしめようとしたのである。順風満帆の安倍晋三元首相であったが、2022年7月8日、奈良市での街頭演説中に、山上徹也に銃撃され、死亡した。安倍晋三元首相は、愛国心に取りつかれていたのに、日本人を食い物にしている、韓国発祥の統一教会と一心同体だったからである。山上徹也は、奈良県警の取り調べに対して、「特定の宗教団体に恨みがあり、当初は、その幹部を襲撃しようと考えていた。安倍晋三元首相とその団体が深く繋がっていると思い込んで、犯行に及んだ。政治信条に対する恨みではない。」と供述しているという。マスコミは最初はその宗教団体名を報じなかったが、後に、その宗教団体は、安倍元首相と深く関わり、山上容疑者の母親が信者となり多額の寄付金を強要し、一家を破産させた世界平和統一家庭連合(旧統一教会)だと報じた。なぜ、マスコミは、最初、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)という宗教団体名を報じなかったのか。それは、自民党と世界平和統一家庭連合(旧統一教会)を恐れたからである。マスコミの保身欲がなせる業であった。世界平和統一家庭連合(旧統一教会)は、安い壺を高く売りつける霊感商法、集団見合いのような形で教会の代表者が結婚相手を決める合同結婚で知られているが、共産主義反対、夫婦別姓反対、同性婚反対、外国人参政権反対、専守防衛・非核三原則・武器輸出三原則の破棄を提唱している。まさしく、安倍晋三元首相と同じ考えである。安倍晋三元首相は、集団結婚を兼ねた統一教会に祝電を送ったこともある。それにしても、安倍晋三元首相の最期はあっけなかった。なぜならば、首相在任期間が歴代最長であり、退陣後も、党内最大派閥を率い、タカ派としての発言力は衰えていず、自民党内では無視できない存在だったからである。確かに、安部晋三元首相は暴君であった。しかし、暴君と言っても、ヒットラーのような政権担当能力があったわけではない。安部晋三には政治的な才能は無い。それは、コロナウィルス騒動でのおたおたぶり、判断力の無さ、決断力の無さでも、十分に窺うことができる。しかし、首相としての才能が無くても、国民を愛国心で引き付けることができれば、思う存分、悪行を重ねることができるのである。総理大臣として君臨できるのである。安部晋三元首相は異常な人間ではない。もちろん、偉大な人間でもない。人間とはこういうものなのである。人間は、深層心理によって動かされている動物だからである。深層心理が、自我を主体に立てて、快楽を求めて、保身欲、承認欲、支配欲、共感欲という欲動によって思考して、自我の欲望を生み出し、人間を動かしているのである。深層心理は、自我を欲動が満足する状況にすれば快楽が得られるので、欲動の四つの欲望のいずれかに応じて思考して、自我の欲望を生み出し、人間を動かそうとする。しかし、深層心理が生み出した自我の欲望には、善事だけでなく悪事も存在する。なぜならば、欲動には、道徳観や社会規約を守るという欲望が存在しないからである。人間は、表層心理で、道徳観や社会規約に基づいて思考するのである。表層心理とは、自我を意識しての精神活動である。人間が、表層心理で、自我を安全に維持しようという保身欲という欲望の下で思考するのである。人間は、表層心理で、自我を安全に維持しようという保身欲の下で、道徳観や社会規約に基づいて思考し、悪事を抑圧しようとするのである。なぜならば、道徳観や社会規約を守らずに悪事を犯せば、周囲や社会から顰蹙を買ったり罰せられたりして、自我に現実的な不利益がもたされるからである。しかし、子供は、社会経験が乏しく、道徳観や社会規約を知らないから、表層心理で思考することが無く、深層心理の生み出した自我の欲望に正直に行動するのである。すなわち。善事悪事を区別できないから、店内で駄々をこね、些細なことで喧嘩をし、集団で一人の子をいじめることがあるのである。安倍晋三元首相も、子供と同じく、自我の欲望に正直に行動したのである。深層心理が、総理大臣という自我を主体にして、思考して生み出した愛国心という自我の欲望のままに、行動したのである。すなわち、強行採決をして、国家安全保障会議、集団的自衛権、特定秘密保護法を通し、内閣総理大臣の判断だけで、いつでも、アメリカに追随して、日本を、中国と戦争ができる国にしたのである。徴用工問題に対抗して、半導体材料の輸出を規制した。韓国に、日本の力を知らしめようとしたのである。そして、これらのことが、多くの国民の支持を受けたのである。そして、国民の支持率が高く、悪事を犯しても批判されないと思い、自我の欲望のままに、森友学園、加計学園、桜を見る会で、自らの知人、自らを崇拝している人、自らを支えてくれる人たちに、国税、国土を私物化し、便宜を図ったのである。しかし、人間とはこういうものなのである。他者に批判されなければ、快楽を求めて、自我の欲望のままに行動するのである。善事悪事に関わらず、自我の欲望のままに行動すれば、快楽が得られるからである。国民が批判しなければ、安倍晋三元首相のような悪事を平気で犯す政治権力者が現れるのである。国民が愛国心に取りつかれている限り、愛国心を利用して、悪事を犯し、国を戦争に導く政治権力者が現れ続けるのである。戦争で国民を動かすことは、政治権力者の自我の欲望の最大の喜びだからである。









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