【犬の所有権について考える】 | JRTハナのあらえっさ日記~犬と子供と時々株式投資~

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ジャックラッセルテリア愛犬ハナの日常を綴ります。
2018年3月、CMで女優犬デビューしました(^○^)
2018年に生まれた娘と微妙なライバル関係です。

【犬の所有権について考える】

ご覧頂いてありがとうございます。

もし、自分自身の身に何か起きたら?…例えば生死に関わる病気になってしまった場合、毎日犬を散歩させる・食餌を作る・健康維持の為のお手入れをする事がすぐに困難な場合、それがこなせるくらいの原状復帰の見通しが立たない場合。

私達人間も加齢と共にそうした状況に立たされるリスクは高まっていきます。

もしも…ご自身に配偶者や頼れる身寄りが無いとしたら、あるいは配偶者がいらしてもその役割を担う事に前向きでない/不可能であるとしたら、さてどうでしょう?

まず、それ以降の犬の生活が宙ぶらり(停止する)になる事が途端に現実味を帯びます。

保護団体さんのブログや事例を読む中で、私も少しばかり知って、今回の題材にもしたのですが…

”犬の所有権”

まずこれが前提として私達の想像する以上に強大な権利というのがあります。

それを端的に示しているのが個人的に以下と思えました。

~関連条文~

民法206条
所有者は、法令の制限内において、自由にその所有物の使用、収益及び処分をする権利を有する。



極端な例えですが、もしその犬がタレント業をしていたとしたら?…その場合それに関わる収益が発しますので、それを得る権利が所有者=飼い主様にはある、こう考えると収益という部分は分かり易い。

また後半にある”処分”というのは嫌な表現ですが、例えばその犬の社会的振る舞いに顕著な問題がある場合、最悪は致死処分という方法を取る事も可能で、且つそれは外野から法的に介入できない…つまり、生殺与奪を決する権利を有するという事でこれは極めて強大なのです。

飼う側の非常に強大な権利を持っているゆえにそれに相当する義務を負う事で均衡が取られている…これが多くは「通常」と呼ばれるものではないでしょうか。

また、社会通念上”権利”と”義務”はセットですので、もし義務を果たせなくなった場合、並行して権利も一時的にであれ手離す事が出来ないと、犬の生活は止まってしまう(外から手助け出来ない)という事態となります。

・・・・・・・・・

その飼い主様では”義務”を果たす事に見通しが立たたないくらい困難な状況に陥った場合、ご自身で後を引き継いで飼える第三者を見つける必要が出ますが、これは恐らく物理的に無理な話と思えます。

よって最善はあらかじめ

・”権利”を指定したどなたかに一時的に委任する内容の書面を用意しておく

・自分の犬の後の事を託せるくらい懇意にされているどなたに確約をもらっておく


こうした事が必要で、そうでないといざという時に特に家族以外の第三者はその犬の為に自発的に働きかけられる内容がとても限られてしまう。

~ 飼い主側と第三者とであらかじめあった方がいいと思える事柄 ~

【所有権委任状】

もしも、私がある飼い主様とそれに準じた取り決めをするとしたら、まず犬の所有権について民法206条の内容と強大さをご説明した上で、所有権の委任状にご署名と捺印を頂く事を考えます。

これがあれば少なくても、「飼い主本人が犬の後の事について、それまでに何かしら話なり同意なりをした人物」というのを当事者以外の立ち位置の人々にも分かります。

その飼い主様の先の見通しが見えない中、他の犬の面倒を見る(責任を負う)というのは、経験がある方を除いてそもそも酷な話で、責任の大きな事でもありますからね。


【所有権放棄 兼 誓約書】

これは実際の動物愛護団体が使われているテンプレートがありまして、一例としてご紹介しておきます。



一旦放棄をした後にその犬の行方や所有権の奪還などしませんとコミットメントする条項が書かれている。これは内容としてはややキツめではありますが、それには理由があると思う。

というのは世の中色々なのは想像に難くない…例えば時間が経ってから犬を返して!と騒ぎ立てたりするのがおそらく一定数あり、そもそも犬・猫の所有権を手放す状況に陥ること自体が精神的にイレギュラーな事態で、これは充分起こり得るものと思われる。

最初に挙げた様に所有権というのは強大なので、これが発動されている内は第三者(動物愛護団体)も動物に対して行う事に著しく支障が生じてしまいます。

※変な話…「誘拐された」「勝手にどうこうされた」と謳われたり訴えられるケースも考えられます。

犬や猫を飼う方の中には大なり小なりこころを病んでいて、そもそも適切に判断・決断が出来ない/甘い事が結局、そうなってしまう背景となっている例は少なくないと思えます。


~ あらかじめ飼い主側に処置や準備があると有用と思うもの ~

■鑑札の有無:番号
※骨型のキーホルダ

■マイクロチップの有無:番号

■狂犬病接種済証
※肉球型のキーホルダ

■避妊・去勢手術の施行

■混合ワクチン接種履歴

■血液検査結果(これまでのもの)

■血統証(生年月日)

■治療・病歴が分かるもの

やむを得ず、断腸の思いで、その犬により良い再スタートを願う事になったら、これまでの記録を託せる形になっていればよりベターですが、それ自体起きない事がほとんどと願いたいトコロですが。

ではまた!