空からのメッセージ | 季節料理 銀彩のブログ

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こんにちは、銀彩女将です。

気が向いた時だけお店に立つことも多く、女将だなんて呼べるのだろうか?と時々思ったりもするが、まーみんなそう呼んでくれるからそういうことにしておこう(笑)

そしてブログも最近は本当に気が向いた時だけ(笑)
まーでもこれも、書きたいと思ったときでいいのだ。
久しぶりに開いた自分のブログは8月4日で止まってた。
この夏、色々あり過ぎたせいか頭の中がぐちゃぐちゃだったせいか (笑)


昔から文章を書くのが好き。日記もよく書いていた。女の子らしい「誰々が好き!」とかそんな感じの物ではなく(笑)、ぐちゃぐちゃになった自分の頭の中を整理するためによく書いていた。
言葉や文字にする事で不思議と整理がついてまた前に進めるのだ。父も文章を書くのが好きなひとだった。そんなとこまで似ている。

今日は京都から仕事の帰り、いつもの特急に乗った。普段はこの1時間弱の時間を使って仕事するか爆睡するかのどちらかなのだが、今日はぼーっと外を眺めていた。ふと空を見上げて自分の思いが溢れてきて文字にしたくなった。
急にいろんな事が頭を巡り、父の顔が浮かんでは消えた。

父はこの夏の終わりに他界した。


父とは大の仲良しだった。普通、娘は母親とよく話すと聞くけれど、小さい頃から私は父とよく話す事が多かった。世間話や、野球の話、父の好きな本や古い映画の話、話題が尽きることはなかった。
そしてどんな時でも私の最強の味方だった。

親が亡くなるという経験は結婚や、出産や、子育てのように、ある意味人生の中に組み込まれた1つの舞台と言えるかもしれない。
この世に生まれて精一杯生きた自分の親の最後を看取るという大切な舞台である。

叔父に言われた。「親を見送ってはじめて人間は一人前になるかもな」

一人前なんて一生なれないかもだけど、一生懸命生きた父の最後を見送って、私も兄も少し前より「1人の人生」の意味を深く心に刻みこんだかもしれない。
父が大きな存在で偉大であったからこそ、その悲しみと喪失感は大きい。でもだからこそ父が最後に病と戦っていたように、その姿を忘れずに私達はまた強く生きようと思う。

もう最強の味方は私の目の前からいなくなってしまったけど、私自身が最強に生きろと教えてくれていると思っている。

大暴れした台風21号が過ぎ去った後、兄は実家が倒れていないか見に行った。

瓦が数枚落ちている写真を送って来た後、
1枚の空の写真を送ってきた

「大きい虹が出てるぞ」
そんなぶっきらぼうなメッセージと一緒に。

その写真を見たとき、なぜか涙が溢れた。
家の片付けをしていて、ふと空を見たら、
兄もそんな感じになったのかな?とか思ったり。

父を見送ってから泣くこともあまりなかったけれど、突然寂しさが込み上げて涙した。
ああ、父に会うことはもうないんだなと初めて実感したかもしれない。
「お父さん、今日の台風はほんますごかったなぁ!」って話したかったよね。

今日の仕事帰りも、ふとあの台風の後の空を思い出して、胸がつまった。
人が亡くなったら星になるなんて信じちゃいないけど、空の向こうにはなぜか感じるものがあって、空から父がメッセージを送ってくれてるような気がして、つい見上げてしまう。

まだまだそんな日が波のようにやってくるのだろうけど、いつかその波が穏やかになる日が来て、
父は自分の中に生き続け、私の中でやはり最強なる味方として勇気づけ続けるに違いない。

父の旅は終わったけれど、残された人間は命続く限り生き続けて旅を続ける。
精一杯生きようと思う。
父のように、いつも人を笑わせて、明るくて、本当に太陽みたいにぱっと照らせるように。