個人で作曲やバンド活動などをしている人のほとんどが「iTunesで音楽を売りたい」と思ったことがあると思います。

 

そしてこんな疑問にぶち当たることでしょう。

 

 

"iTunesで個人配信は儲かるのか?"

 

 

結論から言うと、運任せです(結論か?笑)

 

iTunesで個人楽曲を配信すること自体は、ハードルは高くないです。

 

TuneCore や ROUTER.FM などのサービスを使えば簡単に配信することができます。

 

問題は、配信(販売)して利益がでるのか?ということですよね。

 

上記のサービスを使うには手数料がかかります。

 

年間手数料(年更新)だったり、更新不要の半永久配信手数料だったり、サービスによって様々です。

 

僕が使っている TuneCore さんを例にすると、僕が配信しているのは

 

・シングル × 2 × ¥1,410(1年更新契約)

・アルバム × 1 × ¥12,370(3年更新契約)

・リングトーン × 1 × ¥1,410(1年更新契約)

 

なので、年間手数料はだいたい ¥7,000 くらいです。

 

楽曲の価格設定にもよりますが、僕の場合は1曲売れるとだいたい100円くらいの利益になるので、年間手数料を回収するためには 70曲/年 売れないと赤字です。

 

あと、最近ではストリーミング配信(Apple Music や LINE MUSIC など)でも利益が出ますので、実際にはそちらでカバーできる部分もあります。

 

ここからは僕が配信している全ストアのレポートを基に、少し掘り下げてみていきましょう。

 

僕がiTunes配信(その他ストアも同時に)を開始したのが2015年6月でして、時期的には「Apple Music」「LINE Music」「AWA」などのストリーミング配信が日本で始まった頃です。

そこから、本記事執筆時点で最新のレポートが出ている2017年1月までの全配信ストア売り上げ推移をグラフ化してみました。(具体的な数字は伏せます)

 

 

以下、解説です。

 

2015年6月〜2016年1月くらいまでは単曲がまぁまぁの頻度なのと、グラフが重なって見えないですがアルバムも時々売れてました。

 

この時の宣伝方法は時々Twitterでつぶやく程度でしかなく、他にはUnityのアセットストアでも音素材を販売していたので、そこからサウンドトラックとして買いに来る人が時々いたくらいでしょうか。

 

この時は、このペースなら手数料分は回収できるかなー、ぐらいの勢いでした。

 

転機が訪れたのは2016年2月。

 

その少し前の2015年11月頃に水溜りボンドさんが毎日動画の半分くらいにCat lifeを使ってくれていることに気がついていたので、彼らのチャンネル登録者数200,000人突破&サブチャンネル解説を記念してCat life -mizutamaRemix-を水溜りボンドさんに提供&シングルで追加配信、更に Cat life を水溜りボンドさんの定番BGMとして(許可をもらった上で)公表しました。

 

そこからは Cat life を中心に売り上げが2〜3倍くらいで安定時期に入りました。

 

これなら十分に 黒字 でやっていけるなと安心していましたが、水溜りボンドさんの勢いは止まるところを知らず、気がつけば登録者数1,000,000人目前に迫っていたのが8月下旬頃。

 

そこで人間らしく欲が出てしまった僕は

 

「これは1,000,000人突破記念に便乗させてもらえれば売り上げを伸ばせるチャンスかもしれない!」

 

と、欲望丸出しになりまして(笑)

 

「記念音楽を提供するので動画で紹介してください!」

 

と、ストレートなお願いをカンタさんにしたところすんなり快諾してくれまして(笑)、そんな経緯で生み出されたのが Cat life をアレンジした水溜りボンドの歌でした。

 

そして、それを配信ストアや僕のYouTubeで発表したのが彼らの1,000,000人突破の直後、2016年10下旬のことです。

 

この時点ではあえてTwitterなどで宣伝はせず、ひっそりと公開をしていまして、水溜りボンドさんが動画で紹介してくれたらいったいどれだけの効果があるのかを検証する目的がありました。

 

そして2016年10月の終わり頃、遂に水溜りボンドさんが動画で紹介するや否や、ものすごいアクセスと楽曲購入がなされまして、その結果は2016年11月に突き出たグラフを見ていただければお分かりになるかと思います(笑)

 

そして年末に一旦落ち着きますが、今年に入ってからはまた復調しており、かなり安定した収益を獲得することができています。

 

さすが水溜りボンド効果とでも言いますか、おかげさまで老後もずっと配信し続けられるほどの利益が得られています。

 

長々と記事を書いてきましたが、これはかなり幸運な超レアケースだということは自覚しています。

 

しかしながら、やはり音楽配信というのは何らかのバイラル効果がなければ黒字を出すのは難しいということを身をもって知らされましたので、単にストアに置くだけではなく、発信力も味方につけるのは必須と言えるかもしれません。

 

音楽で生きていくのは本当に大変な時代ですね。。。