松本清張の経済小説。舞台は今も精密機器の製造拠点が集まる長野県。未亡人の加須子は夫が遺したレンズ製造会社を何とか存続させようと奮闘する。納入先の大手メーカーに翻弄される下請け業者の悲哀が描かれる。「女でもできるような楽な商売」とか露骨な差別表現も。清張の責任というより当時の時代背景が影響か。同作品が「小説現代」で連載が始まったのは1963年という。ちなみに光芒は「くっきりと線になって見える光線」という意味。(三省堂・新明解国語辞典)
日銀の異次元緩和は「短期決戦」で実験的な性格の強い政策だったと指摘。「マネタリーベースを増やせば物価上昇につながる」とシンプルに信じるリフレ派を手厳しく批判している。リフレ派の理論なるものについて「聡明な黒田総裁本人や日銀のスタッフたちがそれを信じていたとも考えられない」と早川氏は言う。だとすればいずれリフレ派の面々は黒田さんから見捨てられることになる。森友学園の籠池さんが安倍晋三氏から「しつこい人」といって最後は切り捨てられたように……。
「かっこいい女性」になりたかったという筆者。いかにもリクルートの営業ウーマンらしい、ストレートな上昇志向が心地よい。同期トップでのマネジャー昇格が叶わず、上司に食ってかかったこともあったという。「通常業務は右手でやり、新しい挑戦を左手でやる」などリクルート流の仕事術も参考になる。
今は誰もが使う「心が折れる」という言葉は、井田が神取忍へのインタビューで引き出した。神取はジャッキー佐藤との試合を振り返り、「考えていたことは勝つことじゃない……相手の心を折ることだった」と語っている。女子プロレスラーの声に耳を傾け、社会につながる物語を紡ぎ出したその技量に驚く。
(写真は本書とは関係ありません)
(写真は本書とは関係ありません)
昨年なくなった宮尾の自伝的小説を高知に旅行したのを機に読む。「私はねえ、何でも人並み、ということをずっと心掛けてきた……これがいちばんぞね」。姑にこう言われた綾子(登美子)は内心、「嫌なこった」と反発する。長く女性を縛り付けてきた価値観と向き合いつつ、それを克服していく姿を描く。
同じ保守系の週刊誌、なぜこんなに差がでたのか。とにかく新潮ってセンスないというか、マンネリというか……。そろそろ飽きのきた朝日問題でもまるで工夫なし。誰が慎太郎読みたいんだよ。編集長、腕立て100回!