2025年3月15日土曜日

The Eric Byrd Trio / 21st Century Swing Live

 
 The Eric Byrd Trio を最初に聴いたのは、確か Triunity(2004) で、次がこのアルバム 21st Century Swing Live(2013)、そして The Eric Byrd Trio (2001) のだったかと思います。リーダーのピアノ Eric Byrd は、クリアでクッキリとした演奏のイメージで、他のアルバムでは、正攻法のハード・バップなコンボです。芸術的であるとか、パッションがあるとか、スリリングさがあるとかには乏しいと思いますが、サラリとしてソツがなくて聴きやすいのがこのトリオの魅力だと思います。
 このアルバムの発売元は Foxhaven Records と言う耳慣れないレーベル、他のアルバムも大手のレコード会社には属さずにインディーズでアルバム制作しておられるようです。詳細な活動は丁寧に作作り込まれたHP ericbyrdtrio.com を見ていただけたくのが良いかと思います。


 このアルバムに録音は The Mid Atlantic Festival in Rockville, MD 2013年2月のライブ録音で、正攻法なジャズからはから少し離れ、ジャズを通して、音楽の気持ち良さ、楽しさを感じることが出来る娯楽的ライブ録音です。アルバムの裏ジャケットの写真では天井が低くて、狭い会場のように見えますが録音されている観客の声などからは、そこそこ大きそうな感じがします。
 

 それではアルバムに一緒に録音されている観客の楽しそうな歓声を思い出しながら、1曲づつ丁寧に聴きながらレビューします。There's No Greater Love / Isham Jonesn, Mnaty Symes 1936年 Isham Jones 作曲のジャズ・スタンダード、いかにもアメリカって感じでスイングしてます。同年に直ぐに Duke Ellington が録音、その後 Billie Holiday, Miles Davis 等々様々なアーチストにカバーされている名曲です。実際のオープニンも、この曲だったのでしょうか、観客もウホウホ言いながら喜んでいます。良いですね。God Bless the Child そして2曲目、直ぐに純ジャズから脱線が素晴らしい。ソウルな楽曲で8ビートで、Gadd Gang 的です。Billie Holiday を軽~くやってます。Message in a Bottle 皆さんご存じ Sting 作曲の The Police のナンバーです。ピアノ・トリオでやると確かにこんな感じだろうなって感じで、ほぼドラムのリズムも原曲の雰囲気を保って再現しています。が、最初から最後までトリオでの普通過ぎる演奏は、メンバーの腕は良いのですから、もったいないような気もします。ピアノ・ソロで始めるとか、もう少しアレンジあれば面白くなるのに。Maybe baby は Eric Byrd の曲で、こちらはミディアム・テンポのスインで、歌物をインストにしたような印象。ピアノ・ソロも軽やかで爽やかな演奏です。のLove Letter to Lima こちらも Eric Byrd の持ち曲で、軽めのポップな雰囲気のジャズで、アレンジは今までで一番こなれています。The Great City ジャズ・ブルースです。Curtis Lewis 作曲で Nancy Wilson が歌った曲で、ここでは Eric Byrd がボーカルをとっています。若々しくスマートな歌いっぷりで色男っぽくソツが無い仕上がりです。Lonely Avenue 雰囲気を変えてきました。ベースのみのソロからのイントロのソウル・ブルース。ピアノ・レスの Eric Byrd はボーカルに専念。1956年の Ray Charles のヒット曲でもあり、観客もみんなで合唱の盛り上がりを見せています。今度はジャズ。ブルースのスタンダード Making Whoopee ソウルっぽい演奏でワンクール流したところで歌物に変わります。スイングな曲よりも、ライブに来ている人はこちら系のファンの方も多そうです。Blessed Assurance ジャズ・トリオっぽいフリーなイントロから、メロディアスなテーマ、こちらはしっかりとトリオの演奏を聴かせる気が満々。普通に良い曲です。やはり軽いですけど。Lord I Lift Your Name on High 最後はテンポよくラテンが出てきます。このコンボは器用に何でもこなしてしまいます。演奏も良く、とても腕は好いんだけど器用貧乏なような気もします。 
 今まで聞いてきた3枚の中で、The Eric Byrd Trio のイメージは正統派のスイングをさらっと演奏するバンドのイメージがあり、こちらが多分異色な作品なのかとは思っており、これが、このトリオのアルバムで一番好きかも知れません。しかし3枚ともサウンドは、明るい喫茶店などでBGMで使うのに使い勝手が良さそうな演奏です。おそらく、このトリオに深入りはしないと思いますが少しづつ気分が向いた時に他のアルバムも購入して聴いていこうかなと思っています🎶

piano vocal : Eric Byrd
bass : Bhagwan Khalsa
drums : Alphonso Young, Jr.

1. There's No Greater Love / Isham Jones, Marty Symes
2. God Bless the Child / Arthur Herzog Jr, Billie Holiday
3. Message in a Bottle / Sting
4. Maybe baby / Eric Byrd
5. Love Letter to Lima / Eric Byrd 
6. The Great City / Curtis Lewis 
7. Lonely Avenue / Doc Pomus
8. Making Whoopee / Waller Donaldson, Gus Kahn 
9. Blessed Assurance / Fanny I Crosby
10. Lord I Lift Your Name on High / Rich Founds 






  

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