2023年5月28日日曜日

Zachary Breaux / Uptown Groove

 

 Zachary Breauxは90年代に活躍したアシッド系フュージョンのギタリストで、アルバムは Groovin'Laid Back、Uptown Groove の3枚しか残していません。1960年6月26日、テキサス州ポートアーサーで生まれ、9歳で演奏を始め、音楽的採取学歴はノース テキサス大学音楽大学で作曲を学んでいます。 1984年ニューヨークに移り、vibraphoneプレイヤーの Roy Ayers のバンドで6年間活動し1996 年自身のアルバムを発売し本作は1997年に制作され、この録音の数か月後の1997年2月20日にマイアミ ビーチで休暇中に激流に飲み込まれた水泳選手を助けようとしたときに心臓発作を起こし36 歳で亡くなっています。
 たった3枚ですが、この時代のアシッド・ジャズ・ブームを作った Ronny Jordan とも向こうを張れる技術とセンスのあるギタリストであっただけにその後のアルバムが聞けないのが非常に残念で仕方ありません。私が一時アシッド・ジャズに、はまったのもこの人の影響は非常に大きいです。


 彼のギターは、クリーン・トーンで歪は使わないタイプです。このアルバムのライナーノーツで手にしているのはリアにハム・バッキングも搭載したシングル・コイル系のエレキですが、Laidback では、セミアコを抱えたジャケットです。当然ジャズ系の音使いでほぼチョーキングは無しなのですが Ronny Jordan よりも、ジャズ系の匂いが少なくロック系でもない進化系のギターです。打ち込み的なリズムに合う正確なリズムとピッキングも魅力です。
 さてレビューです。Breakfast At The Epiphany は、16秒の一人ブルースのイントロです。ザカリー好きな人は直ぐにコピーできます。次いで Cafe Reggio いかにもザカリーらしいアレンジとギターです。イージー・リスニングっぽいんですが、流れるようなギター・フレーズと手癖が、いつものあれだなって感じです。控えめに入ってるホーン部隊がさりげなくて良いです。 I Told You は、軽ーく作ってみましたって感じだけど、このさりげなさが渋いです。フルートとのユニゾンもアイデアですね。Never Can Say Goodbye は、アースっぽいイントロから始まると思っていたら、Jackson 5 のカバーらしい。この手の曲は大歓迎です。最近コテコテのジャズばっかり聴いてたんで、この軽さが懐かしくポップな中にちりばめられた難しげなフレーズが心に響きます。The Thrill Is Gone は、ザカリーがボーカルをとっています。私の大好きなハイラム・ブロックが歌わなきゃ良いのにって思う感じに似てます(目立ちたがりのギタリストは歌いたがるもんです)そして After 2:00 AM On The West Coast で、ギターソロに Steve Lukather が登場です。派手ではないけど丁寧に考えられたようなギターソロで、ザカリーと全く違うアプローチは印象的。そしてマイルスの All Blues ですが、リズム&ブルースっぽいアプローチでハーモニカまで入れてきてジャズっぽくないのが好感。Back Into Time は、ザカリーの作曲だと直ぐにわかるパターンです。基本的にパソコンに向き合って作っているかのような無機的なパターンに、ジャズ的要素を加えていくとこうなるんでは無いかなと思います。このパターン、スキです。そしてタイトル曲の Uptown Groove はオルガン・ジャズ・ファンクになります。いやハマります。やっぱりザカリーの好きな音楽性と私は合致しています。楽しいです。Flavors Of My Mind では、また軽くフルートとの共演です。センス良しですね。The 135th St. Theme では、ちょっとテクニカルなギターを入れたパソコンで作った的な楽曲です。ワンパターンが安心感あります。そして、After 2:00 AM On The East Coast を再度入れてます。アコースティック・アレンジにして今度は Ted Dunbar がリード・ギターです。なるほど、タイプの違うギターが少しだけ参加することで飽きの来ないつくりにもなっている訳ですね。最後は I Love This Life は、ジャズ・ブルースのジャムで締めくくりですかと思っていたら、Ted Dunbar とザカリーが何か話していますが何を話しているのかは聞き取れませんが、延々と6分半のおしゃべりのみです。アイデアが良いですね。面白い。
 と、流して聴いていた時よりも集中して聴いたら色んな仕掛けがわかってきて中々のアルバムだと思います。これはヘビロテに入るかな🎵

guitar : Zachary Breaux
programmed by, synthesizer, keyboards : Zachary Breaux (3, 7, 8, 10)
lead vocals : Zachary Breaux (5, 8, 13)
lead guitar : Steve Lukather (6), Ted Dunbar (12, 13)
piano : Renee Rosnes (6, 12, 13)
keyboards : Rob Mullins (7)
organ : Neil Larsen (9)
keyboards, synth : Jeff Lorber (5), Mark Portmann (2, 4)
synth : Rex Rideout (11)
acoustic bass : Brian Bromberg (6 to 8)
bass : Kenny Davis (12, 13)
drums : Harvey Mason (2, 4, 9), Lewis Nash (6, 12, 13)
percussion : Luis Enrique (2, 4)
flute : Hubert Laws (3, 10)
harmonica : Lee Oskar (7)
horns : Dan Fornero (2, 9), Gary Herbig (2, 9), Harry Kim (2, 9)
1997 Posthumous Release.

producer : Zachary Breaux (曲: 1, 3, 4, 7 to 13)
executive-producer : Ricky Schultz

1. Breakfast At The Epiphany
2. Cafe Reggio
3. I Told You
4. Never Can Say Goodbye
5. The Thrill Is Gone
6. After 2:00 AM On The West Coast
7. All Blues
8. Back Into Time
9. Uptown Groove
10. Flavors Of My Mind
11. The 135th St. Theme
12. After 2:00 AM On The East Coast
13. I Love This Life





  

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