2025年3月25日火曜日

Jimmy Smith & Wes Montgomery / Jimmy & Wes: The Dynamic Duo

 

 私目的のアルバムに目星をつけて購入することは少なく、適当に中古屋で見て購入していくスタイルなので、購入したものの1回聴いて、こんなものかと思って数年聴かないアルバムも多数あります。ウェスに関して言えば適当に購入したものが、当たりを引いていないので、意外とつまらない録音が多いのだなと言う感覚でした。適当ではない購入での一番のお気に入りは死後の発掘盤である Echoes Of Indiana Avenue (2012) が一番のお気に入りで、他つまらない作品については私の先入観なので記述はあえてしません。
 このアルバムは存在を知ってから、購入リストに入れていて中古屋で先日巡り合えたので、おっ発見 と思って手に入れました。暫く家で寝かせてから、いつもの音楽好きの集う「おでんバー」に持って行き開封しました。出だしはキレも良くカッコ良いビッグ・バンドをバックに、ご機嫌な演奏であることを確認していましたので期待しながらのご対面です。が、隣に座っていた常連の若い女子カメラマンと話しが盛り上がり、グイグイと飲んでしまったので、実は2曲目以降は、ほぼ内容を覚えておりません。


 しかし1曲目はとにかく好印象。帰ってきてから酒無しで聴いてみると・・・やっぱり好みの音で、素晴らしいアルバムでした。録音は1966年9月の21、23、28日の3回に分けての Van Gelder Studio での録音。1,2,4 曲目は Oliver Nelson のアレンジによるビッグ・バンド、3, 5曲目は、オルガン、ギター、ドラム、パーカッションになります。
 記憶通り、Down By The Riverside の突っ走りっぷりが、最初から勢いがあります。Oliver Nelson のビッグ・バンドは、鋭い切れ込み方のあるアレンジで迫力があり、Jimmy & Wes の二人のソリストが登場するまでを、大いに盛り上げてくれます。テーマが終わるとホーン部隊はスッと引いて Jimmy Smith 登場です。最初から飛ばし過ぎてはいませんが段々と熱が入ってくる感じです。Wes Montgomery のバッキングも四つのカッティングではなく、単音、オクターブ奏法を混ぜながらの歯切れの良いコード弾き。Jimmy Smith の頂点の盛り上がりでは細かなリズムでハモンドに絡み、ギターソロにつなげます。ソロ分では驚異的なオクターブ奏法のフレーズを連発しながら発展していき、コード・ソロの部分が最高です。長尺で十分に演奏を聴かせてくれます。またドラムの Grady Tate のノリノリのドラムのキレが良く、アレンジもドラムが遊びやすいアレンジなのでしょう。前半のテーマ部分はドラムの為のようなものに聞こえます。とにかく最高です。Night Train 1曲目が飛ばし過ぎたので、テンポを落としたブルースの2曲目は地味に聴こえます。Oscar Peterson Trio でも有名な曲ですが、Jimmy & Wesの方がブルースが強い8ビート・シャッフルで重いアレンジです。2回目のテーマは Blues March を模している感じで強めのビートにして印象を強烈にしながらの Wes Montgomery のソロです。1曲目と同じような対比のさせ方です。ソロのバックでブラス部隊が多めに出てくるのも1曲目との違いです。Wes Montgomery は、ブラスがバックで出てくるとブラスの音圧に負けないようにするためか、オクターブの細かいフレーズで対応するところが聴きどころでもあるように思います。James & Wes は、ブラス抜きの二人のセッションです。Jimmy Smith の他のアルバムをあまり持ってはいませんが、ベーシストを入れた演奏も多くペダル・ベースが聞き取れなかったので、足技は使わない人かと思っていましたがここでは聞き取ることが出来ます。交互にとられるソロの技を楽しむ曲ですね。13 (Death March)  映画「13」の主題歌とのことで、なるほどジェームスボンドのテーマのようなキメが映画っぽい感じです。1,2曲目は Jimmy & Wes の二人のソロを引き立てるためのビッグ・バンドのようなアレンジでしたが、この曲では曲自体に二人が溶け込んだソロを取るような曲になっています。最後のテーマでドラムが、タイミングをワザと外してタムを入れる小技などの芸の細かさも印象に残ります。最後は Jimmy & Wes のブラス抜きのセッションで Baby, It's Cold Outside も映画の主題歌とんことですが、ビッグバンドと張り合うような緊張感のある演奏と、楽器を歌うように使う名手二人のリラックスした演奏の対比も良くアルバムを楽しむことができます。
 酒で、聴いた記憶が飛んでいたアルバムですが非常に良かったです。Jimmy Smith、 Wes Montgomery ともに、あまり聴いてこなかったことと、購入したアルバムのめぐり合わせが悪くて、今まで興味が薄かったので、もう少し深堀してみようかと言う気になってます。愛聴盤コーナー行きに決定です。ビッグバンドを聴いてこなかった人にも楽しめる刺激が入っているかとも思います🎶

organ (hammond) : Jimmy Smith
guitar : Wes Montgomery
bass : Richard Davis (1, 2, 4)
drums : Grady Tate
percussion : Ray Barretto (3, 4, 5)
arranged by : Oliver Nelson
sax, clarinet : Phil Woods (1, 2, 4)
alto sax, clarinet, flute, flute (alto) : Jerry Dodgion (1, 2, 4)
tenor sax, Flute, Clarinet : Bob Ashton (1, 2, 4)
baritone sax, bass clarinet, flute, flute (alto) : Danny Bank (1, 2, 4)
trumpet : Clark Terry (4), Ernie Royal (1, 2, 4), Jimmy Maxwell (1, 2, 4), Joe Newman (1, 2, 4)
flugelhorn : Clark Terry (1, 2, 4)
trombone : Jimmy Cleveland (1, 2, 4), Melba Liston (1, 2, 4), Quentin Jackson (1, 2, 4), Richard Hixon (4)
bass trombone : Tony Stud(4))
flute (tenor), flute (alto), clarinet : Jerome Richardson (1, 2, 4)

recorded at Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.
tracks 1, 2 recorded on September 23, 1966.
tracks 3, 5, recorded on September 28, 1966.
track 4 recorded on September 21, 1966.

1. Down By The Riverside / Traditional
2. Night Train / Jimmy Forrest, Lewis Simpkins, Oscar Washington
3. James & Wes / Jimmy Smith
4. 13 (Death March) / Gary McFarland
5. Baby, It's Cold Outside / Frank Loesser





  

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