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柴田錬三郎著 「徳川三国志」 (再読)

2023年02月02日 10時48分22秒 | 読書記

通っている最寄りの図書館が、年1回の蔵書点検等で、1月下旬から2月中旬までの2週間、休館になっているため、あとしばらくは、返却も借受も出来ない。
そこで、なかなか処分出来ずに、書棚にホコリを被って収まっている本で、その内読もうと思っていながら、なかなか手が伸びなかった本を、
「いつ読むの?、今でしょ!」・・、とばかり、引っ張り出した。
以前にも、途中まで読んで止めてしまったような気もする、柴田錬三郎著「徳川三国志」(文春文庫)である。なかなか分厚く、読み応え有る書だが、なんとか、読み終えた。

▢目次
 一章 「服部一夢斎」「忠長様ご乱心」「節分会総登城」
    「血風箱根路」「隠密十兵衛」「駿府城異聞」
 二章 「旗本やくざ」「吉原堤の対決」「賭場荒し」
    「張孔堂楠流軍学」「南無阿弥陀剣」「伊豆守襲撃」
 三章 「一夢斎対幻幽斎」「将門塚切腹」「吉原まんだら」
    「正雪恋慕」「毒酒」「修羅街道」「犠牲」
 四章 「明国からの使者」「少林寺拳法」「運命の絆」
    「お庭番」
 五章 「春日局」「姿不見橋」「お鷹狩」
    「秘伝・夢想剣」「幽霊騒動」「おそで失踪」
 六章 「賞金相撲」「流水月」「忍法胡蝶陣」
    「伊賀三十六人衆」「久能山代参」「獅子奮迅刀」「死闘」
 終章 「武蔵野」
▢解説・磯貝勝太郎

「解説」で、磯貝勝太郎氏は、柴田錬三郎の時代小説作品は、おおまかに、4つの作品群に分類されるのではないかと記述され、さらに、本書「徳川三国志」は、そのひとつ、「歴史上の人物や事件を素材にして、作者の新解釈で描いた作品群」に当たる長編時代小説になるのではないかと記述されている。
歴史上の人物や事件の史実には、不明な点が多いわけだが、その空白を作者の豊かな想像力等が補い、小説としての面白さ、痛快さにしていると言える。
本書「徳川三国志」でも、史実に頼らず、歴史上の人物や虚構の人物が、次々と多数、登場し、読み始めでは、「三国志って、何?」・・・だったものが、次第にその題名の意味が分かり始める。

三代将軍徳川家光の時代、由井正雪が起こした「慶安の変」が有るが、その真相や事件に関係したと見られる人物が、きめ細かく描かれている。
第1のグループは、松平伊豆守信綱を中核とした、三代将軍徳川家光、柳生但馬守宗矩、十兵衛、服部一夢斎と公儀隠密団、鴉の甚兵衛、志乃等 幕藩体制維持派、
第2のグループは、紀州大納言徳川頼宣を代表人物とした、駿河大納言徳川忠長、根来幻幽斎と根来忍者群
第3のグループは、由井正雪を中心とした、丸橋忠弥、金井半兵衛、楠不伝、天馬の三郎と山者集団等 張孔堂一派、

その三つのグループが鼎立し、覇を競い、正邪善悪の争いを展開する有様が、ある意味、魏、呉、蜀の「三国志」を髣髴させながら、痛快に描かれており、飽きさせない。時代小説ならではの、面白さ、楽しさが堪能出来る書だと思う。


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