洋書で英会話

100冊以上読んできた経験と知識をもとに、英語の小説や雑誌、実用書などから、すぐに使える素敵な表現や文法をご紹介します。

ゆっくりハリー・ポッター(31)知っていると役に立つ”report"を使った表現

2024年02月05日 | ゆっくりハリーポッター 

みなさん、こんにちは。今回は、もう終わったんじゃないかと思うくらい、ゆっくり(すぎる!)ハリーポッター(31)、

HARRY POTTER and the Philosopher's Stone (ハリーポッターと賢者の石)

by J.K.ROWLING、

第13章 Nicolas Flamelの続きより、知っていると役に立つ”report"を使った表現をご紹介します♪

Quidditchの練習中に、次の大事な試合の審判を天敵のSnapeが務めるということを知ったHarryは、common room(休憩部屋)でチェスをしていたHermioneとRonにそのことを伝えに行きます。それは一大事だと、Harryたちが3人でその一大事にどのように対応するかを話し合っていたところへ、なんだか様子がおかしいNeville(ネビル)がcommon roomに転がり入ってきます。

様子がおかしかったのもそのはず、Nevilleの脚は次のようになっていました。

今回はそのシーンから見ていきます。ここから引用です

・・・・・・・・・・・・・・

At that moment Neville toppled into the common room. How he had managed to climb through the portrait hole was anyone's guess, because his legs had been stuck together with what they recognised at once as the Leg-Locker Curse. He must have had to bunny hop all the way up to Gryffindor Tower. 

・・・・・・・・・・・・・・

脚がくっついて硬直して自由に歩けなくなる呪文(the Leg-Locker Curse)をかけられたNevellieがcommon roomに転んで入って来る様子を見て、皆は大笑いするだけでしたが、Hermioneは違いました。

そのことが書かれているのがこちら↓

・・・・・・・・・・・・・・

Everyone fell about laughing except Hermione, who leapt up and performed the counter-curse. 

・・・・・・・・・・・・・・

Hermioneは即座にthe counter-curseの呪文を唱えました。するとNevilleの脚はどうなったか?続きがこちらです。

Hermioneが使った魔法はどのような魔法か、想像をしながらお読み下さい

・・・・・・・・・・・・・・

Neville's legs sprang apart and he got to his feet, trembling. 

・・・・・・・・・・・・・・

"apart”は「ばらばらに、離れて」というようなことを表す単語です。sprang(原形spring)はオックスフォード現代英英辞典の定義では"to move suddenly and with one quick movement in a particular direction. (特定の方向に急に素早く動くこと)という意味です。

・"sprang apart"はどういう意味か?

Hermionieのthe counter- curse で、Nevilleの脚はどうなるかを想像するとわかります。

脚が更にくっつくなどということは考えにくいですね。

すぐにぱっと離れて元通りになる感じがしませんか?

結果はその通りで、Hermioneが使ったのは、誰かがかけた魔法に対抗する魔法(魔法を解くための魔法)で、Nevilleの脚はぱっと離れて元通りになりました。

 

・続きの、he got to his feet, trembling.はどういう意味か?

Hermioneが魔法をかける前、Nevilleは転んでいましたので、脚がくっついたままでは立ち上がれませんので、彼はまだ転んだ状態でした。転がっているNevilleが、魔法が解けて脚が自由になったら次にすることは何か?を想像すると、大体は立ち上がるのかな?と思いますね。

まさしくその想像通り、”get to his feet”は「立ち上がる」という意味になります。

trembleには”震える”という意味がありますので、震えながら立ち上がった、よたよたと立ち上がった感じでしょうか。

その後、HermioneはNevilleにHarryとRonと一緒に座るように勧めた後、彼に何があったのかと尋ねます。

今回取り上げる英語表現はそのシーンの続きに登場します。

 

ここから続きの引用です まずは辞書を使わずに、どのような内容が書かれているかを知っている単語と文脈を手掛かりにお読み下さい。

・・・・・・・・・・・・・・

'What happened?' Hermione asked him(Neville), leading him over to sit with Harry and Ron.

'Malfoy,' said Neville shakily. 'I met him outside the library. He said he'd been looking for someone to practise that on.'

'Go to Professor McGonagall!' Hermione urged Neville. 'Report him!'

・・・・・・・・・・・・・・

さて、いかがでしょうか。

図書館の所でMalfoyに会った時に、ちょうどMalfoyがその魔法(Leg-Locker Curse)を試せる相手がいないか探している所だったらしく、Nevilleが運悪くターゲットにされてしまったとのこと。

Hermioneはそれを聞いて、'Go to Professor McGonagall!' 'Report him!'と言います。

 

・'Report him!’とはどういう意味か?

Malfoyにかけられた魔法のせいで脚がくっついて自由が利かなくなっていたと言うNevilleに向かって、Hermioneが言っている言葉ということは何らかのアドバイスです。

まず、'Go to Professor McGonagall!'と言っている所も大事な手がかりです。

 

何をするために先生の所に行くのか?

 

”今あった出来事『Malfoyのこと』を先生に言うため”ですね!

"report someone"には「(誰かのこと)を報告する」という意味があります。

 

☆今回のお勧め英語表現☆

report someone (to someone) 

「誰かのことを(誰かに)報告する/伝える」

オックスフォード現代英英辞典の定義では次のようにあります。

"to tell a person in authority about a crime, an accident, an illness, etc. or about sth(something) bad that sb(somebody) has done"

Nevilleの場合は後者のほうで、"Tell Professor McGonagall about the magic Malfoy has done on him."という感じですね。

 

ところで、この ”report someone”もさることながら、"report to someone"「(誰か)に報告する」はビジネスの場でもよく使われるフレーズで、例えば「彼は私の上司です」と言う時などに、もちろん、"He is my boss."もよく使われますが、"I report to him."という風に"report"を使って言う表現もあります。

以前、アメリカ人の友人とワシントンD.C.を旅した時のことについて少しだけこのブログで紹介したことがあります(使えるtake パート2)が、その友人と二人でホワイトハウスを見に行った時に、友人が、ホワイトハウスの周辺にいる人はもしかしたらホワイトハウスの関係者かもしれない!と、そこを通りかかった親切そうな人に「あなたもしかして・・・?」と話しかけた時、その人が"Oh, yes.  I report to him."と言っていたことをふと思い出しました。目の前にいる人の上司は大統領と聞いて、二人でなんだかとっても興奮したのを覚えています

今回ご紹介した表現はこちらの233-234ページにあります。

・・・

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"like a pro"とは?

2024年01月15日 | 英語表現

みなさん、こんにちは。今年は1日に能登半島で大きな地震があり、2日に飛行機事故と、不安なスタートとなりましたが、みなさんはいかがお過ごしでしょうか。

被害にあわれた方々に心よりお見舞い申し上げます。なかなか大変な状況が続いていて、連日の報道を目にするたびに心が痛みますが、被災地の方々にどうか一日でも早く日常が戻りますように。

前回の更新からあっという間に時間が過ぎてしまいましたが、私の今年の目標の一つとして、もう少し頻繁にブログを更新出来たらいいなと思います。今年も「洋書で英会話」をどうぞよろしくお願いします。

昨年は生徒の皆さんにお読み頂く価値のある本はないかなと新たな課題本にできそうな本を色々と探していました。

その一環で、前から少し興味がありながらなかなか実際に読む機会がなかった本もいくつか読んでみました

そのうちの1冊がThe ONE AND ONLY Ivanという本で、ショッピングモールに併設されている小さなサーカスにいるIvanというゴリラが主人公で、その主人公Ivanの視点で書かれているお話しです。読み始めてから、ゴリラのIvanはもちろんのこと、同じサーカスで暮らしている象のStellaや途中から仲間に加わる象のRuby、そして、野良犬のBobがどうなっていくのかどうしても先が気になり、300ページ程ありましたが、行間が広めの本でしたので、久しぶりに一気に1日で読み終わりました。

行間が広めの本と言いましたが、この本を手にした時、初めて中を見て行間が多いなと驚いたのですが、どんどん読み進めるうちに、この行間はとても意味があるものなのかもしれないと思うようになりました。こちらの本のお話や表現はまた後日少しずつ紹介できたらと思いますが、今回は、この本のおまけとして付いていた野良犬のBobが主人公となり、彼の目線で描かれた、The ONE AND ONLY BOB より、面白い英語表現をご紹介します。

Bobが親友のIvanにどのように出会ったかということを話している章からの引用です まずは辞書なしで、知っている単語と文脈を手掛かりに、どのような内容かを想像しながらお読み下さい♪

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

how we met

The first time I met Ivan, I was a homeless puppy. Desperate, starving, all alone.

It was the middle of the night, and I'd slipped into the mall where Ivan lived in a cage. 

中略

There was a small hole in a corner of Ivan's enclosure. He was fast asleep, cuddled up with a worn stuffed animal that looked like a weary gorilla.

He was snoring, and man, that guy snored like a pro.

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

さて、いかがでしょう。

1行目は、なんとも切ない話ですね。

Ivanと出会った時は、帰る家もなく、子犬で独りぼっちだったと。

He had no hope in life. He was very sad and depressed. He was also very hungry and lonely.  

そして、夜中に、Ivanが入れられている檻のあるショッピングモールに忍び込んだと。

そこで、Bobは初めてゴリラのIvanを目にします。

その時、Ivanは古びれたゴリラのぬいぐるみを抱きながらぐっすり眠っていました。

そして、本文はさらに、彼がどのような寝方をしていたかという描写が続きます。

それがこちら。

"He was snoring, and man, that guy snored like a pro."

snore(読み方:スノア)は、眠りに関する単語として知っていると良い単語です。

オックスフォード現代英英辞典の定義によると、to breathe noisily through your nose and mouth while you are asleepとのこと。

「眠っているときに、鼻と口でうるさく音を立てて呼吸すること」つまり、「いびきをかく」です。名詞で「いびき」としても

使われます。

He was snoring. 

過去の進行形になっていますので、Ivanはいびきをかいていたのですね。

そして、そのいびきのかき方がなんと"that guy snored like a pro."

【動詞+like 名詞】で【(名詞)のように~する】という意味ですので、訳すと「あの男はプロのようにいびきをかいた」となります。プロのようないびきって?!

間の " and man,”の "man”は人(男性)を表しているのではなく、驚きを表していて、意訳すると「そして、まぁ、なんと、彼のいびきはすごかった」と言っています。ぬいぐるみを抱いて寝ている所なんかはかわいらしいですが、Ivanはシルバーバックと呼ばれる銀色に光る背中を持つ立派な雄ゴリラですので、堂々たる、なんとも豪快ないびきだったのでしょうね。

日本語でも「プロみたい」という表現がありますが、英語でも同じような表現があって面白いな~と思いました。

 

他にも色々なシチュエーションを考えてみます。

He sings like a pro.

She dances like a pro.

He swims like a pro.

She cooks like a pro.

He makes cakes like a pro.

She drives like a pro.

They clean their house like pros. 

”その道のプロのように何かをする”という表現、色々と想像すると面白いです。

 

今回ご紹介した本はこちらです。

 

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A clockwork TV? 単語の意味、カギは文の流れです㉑ ~OUT OF THE BOX by Rob Eastawayより~

2023年11月30日 | 洋書の読み方

 (本のカバーより)

みなさん、こんにちは!レッスン準備等の為、とても久しぶりの更新になりましたが、今回は、創造性をアップさせるコツが書かれいている本、OUT OF THE BOX 101 IDEAS FOR THINKING CREATIVELY (Rob Eastaway著)より、英文読解のコツをご紹介します。

よりクリエイティブなアイデアが浮かぶようになるためのエクササイズとして、今回取り上げる本では、"What if" gameというゲームが紹介されています。今回はそのゲームの方法と例が挙げられている箇所からの引用です

まずは辞書なしで、知っている単語と前後の流れをよく観察しながらどのような内容かお読み下さい

・・・・・・・・・・・

WHAT A CRAZY IDEA!

To play a "What if?" game, you need to start with something that couldn't or wouldn't happen in the world as we know it. As an example: "What if I had a clockwork TV and I had to wind it up before I could use it.

・・・・・・・・・・・

”a clockwork TV”とは?

”clockwork”を文字通りに訳すと”時計の仕事”ですが、”時計の仕事”ということは、どんな仕事になるかと言うと、時計が実際の時刻より進みすぎたり、遅れていては時計としての役割(仕事)は果たせません。そのため、よく形容詞で、「規則的な、正確な」ということを表す語として使われます。もし、その意味が一番に浮かんだとしても、英単語の意味は最終的には文脈で決まりますので、もしかして、正確なテレビ?と軽く思いながら、そこで立ち止まらずに続きを読みます。

その先を読み進めていくと、I had to wind it up before I could use it.とあります。

どんなTVかな?と更に読み進めると、次のような文章が出てきます。

- you'd have to keep getting up to wind it, and it could run out of power at a crucial moment in a movie. And it might be quite tiring to keep on winding. 

 

さて、いかがでしょう?何度も出て来る”wind”(読み方:ワインド)という単語が気になりますね。

その意味を読み取るためのカギとなるのは、"keep getting up to wind it" "run out of power" です。

wind するために何度も立ち上がらないといけないし、電源(power)が無くなってしまうかもと。

電源が無くなるかもしれない時が" at a crucial moment in a movie" (crucial=important, critical, key, pivotal等)。

映画の大事な場面で電源が落ちてしまっては困りますね。

そして、その先の文章で、a clockwork TVでテレビを観るために、wind し続けるのはtiring(疲れる)と続きます。

どうやら、このclockworkは先に紹介した「正確な」という意味ではなさそうですね。

このテレビを観る時、いちいち立ち上がって何をしなければいけないかというと・・・

 

”ゼンマイを巻くこと”でした。

 

ということは、この文章の中でclockworkは「時計(ぜんまい)仕掛けの」という意味で使われています。

ぜんまいの巻きが足らないと、確かに映画や番組の大事な場面の途中で電源が無くなって消えてしまうこともあるかもしれません。

それは嫌ですね~。

実は、本文にも"a clockwork TV can be a pain., that's for sure.”という著者のコメントが書かれています。

(a pain はここでは『嫌なもの、面倒なもの』を表します。)

 

ですが、どんなことにも良い点と悪い点があるように、このテレビのアイデアにもいい点があります。

著者によると、”you'd certainly be more selective about what you watched.”だそう。

確かに、放送される番組をただダラダラ見て電源を無駄にするわけにはいけません(またゼンマイを巻くために立ち上がらなければなりません)から、見るべき番組というのをより厳選するようになるかもしれませんね。

さらには、

”How about powering the TV with an exercise bike? Lots of people pay to go to gyms, but you'd be getting fit for free.” 

と、更に新たなアイデアが!

なるほど!色々と想像すると面白いですね!

テレビを観るために、エクササイズバイクをこぐ必要がありますので、運動になって健康になりますし、ジムに行くお金も節約できて一石二鳥ですね!

このテレビは寝ころんだ状態では観られませんから、"You'd spend less time as a couch potato. So would your children." と著者は続けます。

※a couch potato =a person who spends a lot of time sitting and watching television (オックスフォード現代英英辞典)

couch=sofa

※So would your children. は Your children, too.と同じです。この文脈では、Your children would also spend less time as a couch potato.ということを伝えています。

 

確かに

 

でも、このようなテレビは実際には存在しません。それが、この章の出だしにあった、”What if”ゲームの大事なポイント、”something that couldn't or wouldn't happen in the world as we know it.”(私たちの知る世界では起こりえないかもしれないこと)を考えるのが大事ということに当てはまります。

でも、What if? (もし~だったら?)と考えることで、柔軟性が生まれて、アイデアが湧き易くなるのだとか。

そして、そこから実際の生活に役に立つ新しい商品なども生まれるのだそう。ちなみに、このテレビのアイデアの場合は、the clockwork radioが実用化されているとのこと。確かに、ラジオはいいですね!緊急時にも使えると安心できます。

 

他にも、こんなWhat if?アイデアが紹介されていました

What if you could eat computers?

What if restaurants paid you to eat there?

What if plastic bags cost as much as a movie ticket?

などなど。

※What if?は『仮定』の話ですので、ifの続きの文章は過去時制で表します。

洋書を読むと英語だけでなく色々なことが知れて面白いです。

 

・・・・・・・・・・・・・・・

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What is louder? ~訳しすぎたらもったいない!!英語はできる限り「そのまま丸かじり!」が大事です!②~The Absent Author by Ron Royより~

2023年09月28日 | 英語表現

みなさん、こんにちは。

前回、TV commercial の音量の話をしましたが、今回は、A to Z Mysteriesという、アルファベットのAからZまで、それぞれのアルファベットを使ったタイトルが付けられたミステリー小説(例えば、2作目はThe Bald Bandit、3作目はThe Canary Caperという風に)の本の1作目、The Absent Authorより"loud"を使った表現をご紹介します♪

このシリーズは、DinkとJoshという2人の男の子とRuth Roseという女の子の仲良し3人組が主人公の1話完結型のスタイルの小説です。そのシリーズ第1作目のThe Absent Authorは、Dinkが出した手紙をきっかけに彼の大好きな作家が彼らの街の本屋さんにサイン会にやってくるというところから始まります。使われている英語の表現も話の展開も面白いので、詳しい内容はぜひ実際に読んで楽しんで頂きたいと思いますが、今回紹介する表現は、一緒にサイン会に行く約束をしていたRuth RoseをDinkがJoshと2人で迎えに行くシーンに登場します。ここからが引用です

・・・・・・・

Dink pressed the doorbell. 

Ruth Rose showed up at the door.

As usual, she was dressed all in one color. Today it was purple. She wore purple coveralls over a purple shirt and had on purple running shoes. A purple baseball cap kept her black curls out of her face. 

"Hey," she said. Then she turned around and screamed into the house. 

"THE GUYS ARE HERE, MOM. I'M LEAVING!"

Dink and Josh covered their ears.

"Geez, Ruth Rose," Josh said. "I don't know what's louder, your outfit or your voice."

・・・・・・・

さて、いかがでしょう?

今回の引用文はRuth Roseが初めて登場するシーンでもありますので、前半はRuth Roseの服装について書かれています。

 

"As usual, she was dressed all in one color."

 

as usual は「いつも通り」という意味を表す、覚えておくと便利な決まり表現です。

この続きの文章で色の話が出てきますが、”be dressed in 色” で「~色の服を着ている」という意味になります。

状態を表すbe動詞と共に使って、”be in 色”の形にしても同じことが伝えられます。

"someone in 色"とすると「~色の服を着た人」となり、例えば I see a man in green.で「緑色の服を着た男性が見えます」という意味になります。

"in"が身に着けていることを表しますので、色の代わりに、具体的な服を持ってきて、例えば、I see a man in a suit. (スーツを着た男の人が見えます)という風に言うこともできます。

 

”Did you see a woman in a red hat?”はどのような意味になるでしょう?

 

「赤い帽子を着た女の人を見ましたか」という意味ですね。

 

Ruth Roseの話に戻ります

"As usual, she was dressed all in one color." 

"all"は「全部、すべて」の意味ですから、なんと、Ruth Rose はいつも全身1色でまとめたコーディネートをしているようです。

日によって、その色は色々変わるようで、 ”Today it was purple.” だそうです。("today”からその日によって色が変わることが分かります)

ところで、「今日は紫です」という時、ついつい日本語と英語をそのまま置き換えて、Today  is  purple.と言いたくなるかもしれませんが、ここでの主題は「色」ですので、Today it is purple.と"it"を入れて表されているところも大事ですね。

「今日は暑い」と伝えたい時なども Today is hot. とするより、暑さ寒さを伝える時の主語の基本、”it”を入れて、"Today it is hot."と表すほうがより自然な英語になります。

もう一度、Ruth Roseの服装の話の全文を見てみます♪

・・・

As usual, she was dressed all in one color. Today it was purple. She wore purple coveralls over a purple shirt and had on purple running shoes. A purple baseball cap kept her black curls out of her face. 

・・・

・coveralls = オーバーオールのこと

・have on clothes/shoes = 服/靴を身に着けている、履いている

・A purple baseball cap kept her black curls out of her face. 

 ➝keep ~ out of ・・・ = ~が・・・に入らないようにする (髪の毛の話をしていますので、”帽子で髪が顔にかからないようにしている”)

 

さて、ここから先が今回の本題です。

「Dinkたちが迎えに来たので、行ってくるよ~」と家の中にいるお母さんに向かってRuth Roseが叫びます。

そのシーンをもう一度見てみます

・・・

"Hey," she said. Then she turned around and screamed into the house. 

"THE GUYS ARE HERE, MOM. I'M LEAVING!"

Dink and Josh covered their ears.

"Geez, Ruth Rose," Josh said. "I don't know what's louder, your outfit or your voice."

・・・

Ruth Roseには服装の他にもう一つ特徴があって、それが文字で表されているのですが、それは一体何でしょう?

 

正解は「声が大きいこと」です。

それを表すために、Ruth Roseが叫んだ言葉がすべて大文字で書かれています。

さらには、”Dink and Josh covered their ears.” その声が大きすぎて、DinkとJoshが耳をふさいでいます。

その後のJoshのコメントが今回の一番のポイントです。

・・・

"Geez, Ruth Rose," Josh said. "I don't know what's louder, your outfit or your voice."

・・・

出だしの”Geez”は驚いたり落胆した時に出る言葉です。文脈に合わせて、何となくこう言っているのじゃないかな?と想像して理解するといいです。ここでは、「うわ~」とか「あぁ~」とかそのような感じで、Joshの驚きとやれやれという気持ちが表されています。

そして、"I don't know what's louder"と続いていきます。

loudは「音が大きい」ことを表す形容詞ですが、ここで比べられているのが、"your outfit(=clothes)"と "your voice"です。

声(voice)がloudなのは分かりますが、outfit(=clothes)がloudとは?

実は、loudには服装や色彩などが「派手な、けばけばしい」という意味もあります。オックスフォード現代英英辞典の定義では”too bright and lacking good taste”と説明されています。lacking good taste(趣に欠ける)とは面白いですね。

声の大きさと服の派手さをどちらに対しても使えるloudを使って、そのどちらがloudか分からないと言っています。

日本語にも音以外に対しても何か不快なものを表す時に「うるさい」という言葉が使われることありますので、それに似た感じかもしれません。ですので、"I don't know what's louder, your outfit or your voice."をあえて訳すと、「君の声か服装か、どちらのほうが騒々しいか、僕はわからないよ」というようなことを言っていますが、この英文は、日本語に訳さず、英語のまま理解(直読直解)するほうが、より生き生きとJoshのコメントの面白さを味わうことができます。

 

レッスンで、生徒のみなさんの理解を確かめさせて頂くため、大事なポイントとなる文章などの訳をして頂くことがありますが、最終的には、レッスンを通して、より多くの方に英語の文章を原文のまま理解してもらえるようになって頂きたいなと思いながら授業を行わせて頂いています。

先日、ある生徒の方が、レッスンで色々と洋書や記事を読む練習を重ねるうちに、会社で読む英文が前よりずっと読みやすくなったとおっしゃっていました (Iさん、嬉しいコメントをありがとうございました。)

英語を英語のまま、自分で理解できるようになると世界が広がります!

ちなみに、直読直解できるようになるとリスニング力もUPします

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"It's not you."とは?  TV Commercialsの話 -Reader's Digestより-

2023年09月16日 | 英語表現

みなさん、こんにちは。また少し久しぶりの更新になりましたが、今回はテレビコマーシャルに関する記事より、使える英語表現をご紹介します。

みなさんは、テレビを見ている時にコマーシャルになると急に音量が大きくなったように感じたことはありますか。

私はよくあります。先日もコマーシャルになった途端に急に音が大きくなったため、慌てて音量を下げました。番組自体の音は小さいため、番組が始まると音量を上げて、コマーシャルが始まると音量を下げて、面倒だな~と思いながら、Reader's Digestをパラパラとめくっていましたら、ある記事が目に留まりました。

その記事のタイトルがなんと"Why Are TV Commercials So Loud?"というもので、何というタイミング!と驚きました。

コマーシャルのあの音量には理由があるのだろうとは思っていましたが、それをテーマにした記事があるとは。

ということで、今回はその記事から英語表現をご紹介します♪

U.S, 版のReader's Digestに載っていましたので主にアメリカの基準と観点で書かれていましたが、日本にも通じる所があると思います。

記事の出だしに面白い表現が使われていましたので、今回ご紹介するのはそちらからの引用です

知っている表現と前後の流れ(今回はタイトルがヒントです)と常識を手掛かりにまずは辞書なしでお読み下さい。

.......................................................................

Why Are TV Commercials So Loud?

It's not you. Those television spots really do sound much louder than the programs they interrupt. Here's why.

........................................................................

 

さて、いかがでしょう。

音が大きい小さいの話になった時、音量自体の問題はさることながら、もう一つ気になるのが自分の耳の具合(聞こえの具合)かもしれません。大抵の場合、もしかしたら自分の耳に問題があるのでは?と思ってしまうかもしれませんが、この記事は、タイトルを読んで読者がそのような気持ちになる前に、まず "It's not you. "「あなたではないです」つまり「(音が大きいと感じるのは)あなたが原因ではないです」と本文の出だしでスパッと伝えているところがいいなと思います

 

”It's not you.”は、恋人に別れを告げる時などに「あなたに原因があるわけじゃない」”It's me. (私自身の問題だから)”のようによく使われるフレーズだそうですが、英語の単語もしくは表現の意味は、最終的には文脈で決まりますので、ここで使われている"It's not you." はコマーシャルの音量の話ということで、あなたの耳に原因があるわけではないです、心配しないで!と伝えています。

文脈の話をしましたが、文脈によっては、It is you. で「あなたらしい」という意味になることもあります。

ジーニアス英和大辞典に、The dress isn't really you.という例文が紹介されていたのですが、「そのドレスではあなたの個性はまったく生かせない」と訳がついていて、面白いなぁと思いました。(どんなドレスなのか、また、その人がどんな人なのか気になりますね

辞書の例文の話はさておき、今回の引用文に戻りますと、"It's not you."のあとに、 "Those television spots really do sound much louder than the programs they interrupt. "とあります。

TV commercialsという言葉は使われていませんが、Those television spots does sound much louder ・・・ ⇒sound は「~は聞こえる」、louder「より大きく」とありますから、does soundの前にある”television spots” がTV commercials のことを表しています。

通常の文章でしたら、television spotsと主語が複数になっていますので、動詞(ここでは”sound")はそのままの形で、Those television spots sound much louder ・・・と表すとOKですが、ここでは、do sound とdoを付けることによって、「本編よりコマーシャルの方が本当にとても大きく聞こえます」と強調されています。

Here's why. (その理由がこちらです)と、この後に続いて、理由が説明されているのですが、理由をまとめると要するに音を大きくすることによってAdvertisers want to get your attention.  (advertisers:広告主)というのが主な理由のようです。

そのことが凝縮して表されていた文章がありましたので、今回そちらもご紹介します。それがこちら。

Advertisers like it noisy.

Contrast counts. 

上記の文章でcount は「(数を)数える」という意味ではなく「~が大事」という意味で使われています。

 

「~が大事」という意味でのcountもよく使われます。Contrast(対照、、対比)が大事。つまり、本編が静かな場合、コマーシャルに入った途端に大きな音になることで、視聴者の気を引くことができるということですね。

 

ちなみに、テレビの音量の上げ下げは、turn と前置詞のup/downを使って次のように表します。

I turn up the TV.

I turn down the TV.

※テレビの機械自体の話をする時はTVにtheを付けます。

 

 

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