刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

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しほうちゃれんじ 2243

乙:Just face it
Can't crack under the pressure
Can't keep running forever
I'm tainted

出典:https://youtu.be/zMeYkGbQkug

感想:アルクによると、crack under pressureは、圧力に屈する、という意味です。


今日の問題は、新司法試験平成23年民事系第55問オです。

甲は,乙に対する売買代金の支払のために,乙を受取人とする確定日払の約束手形を作成して,
乙に交付したところ,これを乙から預かった丙が,甲及び乙の同意なく,受取人乙の記載を抹消して受取人欄を空欄とした。この場合に関する(中略)
オ.手形上の権利が時効により消滅した場合,丙は,利得償還請求権を取得する。

甲先生、よろしくお願いします!


甲:手形法85条は

「為替手形又ハ約束手形ヨリ生ジタル権利ガ手続ノ欠缺又ハ時効ニ因リテ消滅シタルトキト雖モ所持人ハ振出人、引受人又ハ裏書人ニ対シ其ノ受ケタル利益ノ限度ニ於テ償還ノ請求ヲ為スコトヲ得」

と、規定しています。

最判昭和34年6月9日は

「成立に争いのない甲第一号証の表面部分によれば、被告は原告主張のような本件額面金五十万円の約束手形を振出したことが認められ原告本人尋問の結果とその結果により真正に成立したと認められる甲第一号証の裏面部分によれば、原告は昭和三十一年五月十七日日本チッカリン肥料株式会社に対し、又同会社は原告に対し日付の記載なくして各白地式裏書譲渡して原告がその所持人となったこと及び同会社が支払期日に該手形を呈示してその支払を求めたが拒絶されたことを認めることができる。被告は同会社に対して右手形金の外金二十四万四千六百二十五円の手形債務並びに右両手形の利息金七万千百七十一円及び古い他の手形の利息金五万三千百六十六円合計金八十六万八千九百六十二円の債務があったので、これが支払のため同会社に対し同額面の約束手形を振出交付したので、前記金五十万円の手形債務は消滅したと主張するけれども、証人宮沢幸雄、同古橋辰五郎、同四宮欣爾の各証言によれば右金八十余万円の約束手形は右金五十万円の手形等の支払を確保するため振出されたものであって、敢えて右手形債務を消滅せしめるためのものでないこと従って本件手形は未だ消滅していないことが認められる。 
 次に被告は右金八十余万円の手形に対し内金十五万円を支払い又本件手形についても金二十万円支払った旨主張するけれども被告本人尋問の結果及び前記三証人の証言並びに同証言によって真実に成立したと認められる乙第一号証の一、二同第二、三号証によれば、被告は前記会社に対し前記金八十余万円の債務の内金十五円を弁済したことを認めることができるがその余の右金二十万円内入支払の抗弁はこれを認めることができない。而かも右金員の一部支払については本件金五十万円の手形にこれが記載をしていないことは同号証によって明らかであるから再度該手形の裏書を受けた原告がその際該手形金につき一部内入金のあったことを知って該手形を受取った立証がないから被告が原告に対し本件手形金額の減額を求める旨の抗弁は正当でない。」

と、判示しています。


したがって、上記記述は、誤りです。