刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

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しほうちゃれんじ 2720

乙:You put me in my shell 
Wrap me up in cotton wool 
So I am fearless 

 

出典:https://youtu.be/_NQ04n5byiY?feature=shared

 

感想:アルクによると、cotton woolは、〈英話〉〔子どもが〕過保護にされた状態、などの意味です。

 

今日の問題は、令和3年予備試験商法第22問4です。

 

取締役の責任に関する(中略)
4.判例の趣旨によれば,株式会社の取締役を辞任した者は,その辞任登記が未了である場合において,当該株式会社の代表者に対して辞任登記を申請しないで不実の登記を残存させることにつき明示的に承諾を与えていたときは,辞任登記未了であるためその者が取締役であると信じて当該株式会社と取引をした第三者に対し,会社法第429条第1項の役員等として責任を負うことがある。


甲先生、よろしくお願いします!

 

甲:会社法429条1項は

 

「役員等がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該役員等は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。」

 

同法908条2項は

 

「故意又は過失によって不実の事項を登記した者は、その事項が不実であることをもって善意の第三者に対抗することができない。」

 

と、規定しています。

 

最判昭和62年4月16日は

 

「株式会社の取締役を辞任した者は、辞任したにもかかわらずなお積極的に取締役として対外的又は内部的な行為をあえてした場合を除いては、辞任登記が未了であることによりその者が取締役であると信じて当該株式会社と取引した第三者に対しても、商法(昭和五六年法律第七四号による改正前のもの、以下同じ。)二六六条ノ三第一項前段に基づく損害賠償責任を負わないものというべきである(最高裁昭和三三年(オ)第三七〇号同三七年八月二八日第三小法廷判決・裁判集民事六二号二七三頁参照)が、右の取締役を辞任した者が、登記申請権者である当該株式会社の代表者に対し、辞任登記を申請しないで不実の登記を残存させることにつき明示的に承諾を与えていたなどの特段の事情が存在する場合には、右の取締役を辞任した者は、同法一四条の類推適用により、善意の第三者に対して当該株式会社の取締役でないことをもつて対抗することができない結果、同法二六六条ノ三第一項前段にいう取締役として所定の責任を免れることはできないものと解するのが相当である。
 これを本件についてみるに、被上告人B1、同B3、同B2が、訴外D鍍金工業株式会社の代表取締役である訴外Eに対し、取締役を辞任する旨の意思表示をした際ないしその前後に、辞任登記の申請をしないで不実の登記を残存させることにつき明示的に承諾を与えていたなどの特段の事情の存在については、原審においてなんら主張立証のないところである。そうすると、右被上告人らは上告人に対し商法 二六六条ノ三第一項前段に基づく損害賠償責任を負うものではないとした原審の判断は、結論において是認することができる。」

 

と、判示しています。

 

 

したがって、上記記述は、正しいです。