21歳の時、オーストラリアに行った。

短大卒業後に1年半働いて少しの資金を貯めて。
一週間分のユースホステルの予約と、3か月の語学学校の入学申し込みをし、
カンタス航空の片道切符を買って旅立った。

どれぐらいの期間の滞在になるかも決めず飛行機にのって
全く違う世界に飛び込んだあの日。

若さは怖さを感じさせなかったと思う。
ワクワクした気持ちの方が勝っていた。
これから自分が見るもの、感じること。
真っ青な南半球の空、それだけで充分だった。

あの時、私は自分が自由であることをよく知っていて、
私が私である生き方をしていたと思う。

好きなことは好きだったし、嫌なことは嫌だった。

ただ、自分の直感に従って動いていて、
自分の心地よさが全てだった。


だけど、時は過ぎていく。

20年経って、経験が増え、大人になっていくにつれて、
少しのことにも恐れが付きまって、失敗しないようにふるまうし、
一度手にしたものを離さないように握りしめてしまう。
必要以上に強く、強く。


その握りしめているものは、それほど大したものじゃないかもしれないのに。

自分が自分らしくいることは、とても大きな価値があって、
それ以外のことは、実はそんなに大事なことじゃないかもしれない。

もし、自分が自分らしくいられなかったら、
そんな状況からは逃げたっていいくらいなんだから。


20歳そこそこの私は、そんな当たり前のことを知っていた。

そしていつの間にか忘れてしまった。そしてまた思い出した。

ひとまわり、ぐるっと回って。

みんな本当は知っているだと思う。
自分があるがままで生きることの大切さを。

そして、それを心のどこかでいつも願っているのだと思う。


もっと、自分で生きていいんだよ。

もっと、湧き出た感情をそのままにしていいんだよ。

もっと、人に頼っていいんだよ。

もっと、自由でいいんだよ。


解放して生きていこう。

 

私は私のままでいられるように。

あなたは、あなたのままでいられるように。