食事当番なんですよ

一昨日、お隣の職場の人が休んでいた。

入社して何年目だろうか、

まだ若いが、割としっかりしているので、

たまに話すことがあったりする。

誰かが、通りがかりに、

「昨日、なんで休んでいたの」

なんて聞いていて、

「住所変更など手続きしていたんです」

そんなやり取りが聞こえてきた。

なるほど、隣町に住んでいたから、

転入届だとか、免許証などの手続きが必要だ。

確かに平日でないとできないことも多い。




夕方ごろだろうか、話す機会があって、

「引っ越ししたの、どの辺り」

なんて聞いてみたところ、

「えっ、ウチから割と近いかも」

そんなことで、話が弾んでしまい、

「それじゃあ、独り暮らしを始めたの」

「いえ、同棲なんですよ」

「あっ、いまいくつだったかな」

「二十歳ですが．．．」

さすがにそれは、驚いてしまったが、

若いうちに、色々と経験するのは良いのだろう。

相手も幼馴染だということで、

「それだと、家事の分担なんてあるんだね」

「ええ、ボクが食事で彼女が洗濯など．．．」

「なるほど、これから残業も減るのかな」

なんて、ちょっとからかってみたら、

「はい、今日も食事当番なんですよ」

なんだか、聞いている方がバカらしくなる。

まだ二十歳か．．．羨ましい気もしなくはない。



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