わたくし高校生。多感な時期と人は言うが、なにをもって多感なのか・・・おそらくこのことだろう。
ズボンのテントが納まらない!のだ。
大変なことになってしまった。
家の親父が、うまそーに飲んでる「スーパーミラクルみなぎる力!夜の帝王ドリンク」をこっそり盗んで飲んで、からというもの、ボクの下半身の一部が異常をきたしている。
現在、ボクは引きこもりだ。
布団から出れないし、そのわけも恥ずかしくて、家族にも相談できないでいる。
いったい、どうすればいいんだ。
とにかく、コイツをこのテントを納めなくてはならない。それが先決だ。
バイト先の先輩に、思い切って相談したら、なんと同じ悩みを抱えていたらしく、ていうか同じバカをやったらしく、専門医を紹介してくれた。
そこは、とあるマンションの一室にあった。
「桃栗クリニック」
ほんとうに、大丈夫なのか?
インターホンを押すと、黒いシックなセーターに白衣をジャケットのように着こなした。ショートカットの女医が顔をだした。
「どうぞ」
中へ入ると、病院らしく、しっかりと医療器材が調度品のようにならんでいる。
「座って」
「あ、はい」
「あら、立ってるほうがよさそうね」
「あの、親父のスタミナドリンクを飲んでからこうなんです」
「・・・なるほどね。ちょっと刺激が強すぎたみたいね、副作用のようだわ」
「ですよね」
「君、高校生だよね」
「あ、はい」
「治療は、ん万円するけど。もちろん払えないわよねぇ」
「ええ、ん千円しか」
「じゃあ、カラダで払ってもらおうかしら」
「ええっ!いや、あの、ちょっと先生!なにを・・・」
(ココはご想像におまかせします)
ああ、なんという副作用、ならぬ福作用。ありがたき幸せ!
その後・・・・・・
某薬局店員 「あのねえ、あんた高校生でしょ。こんなもん必要ないでしょ」
ボク 「そこをなんとかっ!」
某薬局店員 「そう、土下座されてもねえ。コレは未成年に売れないんですよ」
ズボンは納まったが、ボクの気持ちは納まりそうに、ない!
----Fin----
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