●前回の話　50円…【5】

すると、営業マンは不思議な事を言った…

営業マン「逆にタダなら良かったんですが、50円が気にいらないらしいです」

はぁ？？？
「売主の立場なら、売値は高い方がいいに決まってる！　0円は良くて、何で50円がダメなの？」

営業マン「だから金額がふざけてるから、らしいです」

「じゃ、今から0円にすればOKな訳？」

営業マン「いや、もう、あなたとは取引しないそーです」

「何で？」

営業マン「何度も言いますが、ふざけた値段を付けたから…」


タダでもいいと言っているのに、買値50円を付けたのには理由がある。ブログのネタのために付けた訳ではない（ま、それもあるんですが）

無料で不動産をもらうと贈与税が掛かる。今回もし0円で取引した場合、タダで貰ったんだから必ず贈与税が掛かる。金額は税務署が決める（一応算出する公式があって、資産価値の何％だが、場合によっては意外な高額になる）

じゃ、50円なら贈与税は掛からないかと言われれば、それは税務署の判断による。過去の判例ではあまりにも少額だと贈与とみなされた例がある。しかし例え少額とは言え、第三者同士の金銭授受による正式な不動産取引なので贈与にあたると主張するにはそれが正式な取引で無いと税務署側が証明しなくてはならない。おそらく、すったもんだのバトルが予想される。最終的にどうなるか分からないが、0円で物件もらって完全敗北するより、50円でバトルする方を選ぶ。

贈与税はもらった方に掛かり、あげた方には一切かからない。多分そんな事を知らない売主はタダでもいいと言っているのに「ふざけた金額」付けやがって！と思っているようだが、以上のような、ちゃんとした理由があるのだ。


でもそんな思惑とは裏腹に、取引は流れました

営業マン「申し訳ないですけど、いくら言って売主は頑固なんで、もうこの取引は無理です」

「了解」
去る者は追わず…


あ、それから、なぜ売主はこの物件をタダでも譲りたいのかとか、この物件や近所の庭にあった怪しいモノだが………ま、いいわｗ　どうせ取引は流れたんだから、謎は謎のままで

完


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