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明解な『国民連合政府』構想とそのリアリティ

2015-10-18 20:15:14 | 戦争法案
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間髪入れずに日本共産党がブチ上げた「国民連合政府」構想。
当初、「あの共産党が何を!?」と、話題性だけが先行し、具体性・具現性については疑問視する声もあった。
だが、日を追ってその“正体”が明らかになるにつれ、それは現実味を伴い、大きなうねりとなって動き出そうとしている。

日本共産党・志位委員長の会見のその後、IWJ(Independent Web Journal)の岩上安身氏が志位委員長にインタビューを行い、構想の内容を問うている。

151008 【イントロ】岩上安身による日本共産党・志位和夫委員長インタビュー

◦日時 2015年10月8日(木) 16:00~
◦場所 日本共産党 党本部(東京都渋谷区)

「日本共産党が提唱する「国民連合政府」、その狙いと実現可能性に迫る! 世界的に追い風が吹く左派への支持を共産党は取りつけられるか? ~岩上安身による志位和夫委員長インタビュー」(IWJ 10月8日)

>日本共産党が今、にわかに大きな注目を集めている。

>集団的自衛権行使容認にもとづく安全保障関連法案が「可決・成立」した9月19日、日本共産党の志位和夫委員長は記者会見を開き、『野党5党1会派』(民主、維新、共産、社民、生活、その他無所属クラブ)の結束を呼びかけ、「国民連合政府」の結成を呼びかけた。

>志位委員長が提案するのは、次の3点である。すなわち、①戦争法廃止、安倍政権打倒②国民連合政府の樹立③上記の点で一致する野党が選挙協力を行う。

>選挙協力を行うとなれば、共産党はこれまで堅持してきた「すべての選挙区に候補者を立てる」という原則を、転換させることになる。

>志位委員長は、すぐに野党へのコンタクトを開始。9月25日には民主党の岡田克也代表と会談した他、28日には社民党の吉田忠智党首、「生活の党と山本太郎となかまたち」の小沢一郎共同代表とたて続けに会談を行なった。吉田党首、小沢共同代表からは、いずれも前向きな返答を得たという。

>世界に目を転じれば、イギリスでは最左派のリーダーであるジェレミー・コルビン氏が労働党の党首選で圧勝。アメリカ大統領選でも、「民主社会主義者」を自認するバーニー・サンダース氏が若者の支持を集め、民主党候補になるべくヒラリー・クリントン氏を猛追している。格差拡大が極端に開き、「弱肉強食」の荒んだ光景が世界中で広がる今、左派へ期待する追い風が吹いているように見える。

>共産党が提唱する「国民連合政府」構想とはどのようなものか。そして、他の野党、特に最大野党である民主党とははたして連携が可能なのか。10月8日、岩上安身が日本共産党本部で志位和夫委員長に単独インタビューを行い、直に話を聞いた。


※動画の続きの視聴は会員登録が必要。


そして先頃10月15日、志位氏は改めて日本外国特派員協会で更に具体的な内容についての講演を行なった。

「共産 志位氏 “日米安保条約の廃棄は求めず”」(NHK 10月16日)

>共産党の志位委員長は15日、日本外国特派員協会で講演し、安全保障関連法を廃止するため、民主党などと「国民連合政府」を樹立した際には、党の綱領で掲げている日米安全保障条約の廃棄は求めない考えを示しました。

>この中で、共産党の志位委員長は安全保障関連法について、「『戦争法』の廃止を求める勢力が衆議院と参議院で多数を獲得することが不可欠であり、それを実行する新しい政府を作ることが必要だ。われわれの、『国民連合政府』という構想が、安倍政権に代わる、現実的で合理的な構想だと確信している」と述べました。
>そのうえで、志位氏は、党の綱領で掲げている日米安全保障条約の廃棄について、「『国民連合政府』では凍結という対応になる。『戦争法』の廃止を前提に、条約と法律の枠内で対応する」と述べ、民主党などと「国民連合政府」を樹立した際には、条約の廃棄は求めない考えを示しました。
>また、志位氏は、来年の参議院選挙について、「定員が1人の、『1人区』の戦いが非常に重要だ。すべての1人区で野党が選挙協力を行って、与党の過半数割れを目指したい」と述べ、「1人区」で、民主党などと候補者調整を進めていきたいという考えを重ねて示しました。



共産党・志位委員長が国民連合政府実現を説く@外国特派員協会


講演の原稿についてはこちら。
「なぜ「国民連合政府」か―その意義について 外国特派員協会での志位委員長の講演」(しんぶん赤旗 10月16日)


次の動画を併せてご覧いただければより解り易い。(神保哲生氏、宮台真司氏による解説的(?)トーク)

野党連携に向けた共産党の本気度(videonewscom 2015/10/17)



こちらは日刊ゲンダイの記事。
「主張も“封印”し現実路線に 志位共産党「野党共闘」への本気度」(日刊ゲンダイ 10月16日)

>共産党が呼びかけた「国民連合政府」構想は、民主党の岡田克也代表が「ハードルが高い」と難色を示したことで、世間の関心は下火になった感がある。だが、「違憲の安保法廃止」と「集団的自衛権行使を容認した昨年7月の閣議決定取り消し」への共産党の覚悟は、想像を超えるハンパなさだ。

>いずれも国会で多数を取って、政権奪取しなければ実現できない。そのためなら、共産党は「日米安保条約の廃棄」や「自衛隊の解消」という従来からの主張を“封印”する、というのである。

>共産党の志位和夫委員長が15日外国特派員協会で記者会見し、日米安保条約に関してこう言った。

>「政策的に違いのある政党が暫定的であれ政権を共にするのは無理とメディアは言うが、『立憲主義の回復』は根幹の大問題で、あれこれの政策課題とは次元が違う。国民連合政府としては、相違は横に置いて、現行の法律と条約の枠内で対応する。日米安保条約については凍結する。廃棄をめざす措置は取らない」

>これに対し記者が、「国民連合政府が政権運営している時に有事が起きたら、自衛隊と在日米軍の出動を要請するのか」と突っ込むと、志位委員長はこう強調した。

>「(政府としては)『凍結する』と言っているのですから、自衛隊法がある以上、有事の時に自衛隊を活用するのは当然のことです。現行の日米安保条約の第5条で日本が武力攻撃を受けた際は共同で対処すると述べられています」

>会見に出席していたジャーナリストの神保哲生氏は、共産党の本気度をこう見る。

>「共産党は、これ以上ないほど譲歩しています。自分たちの政策をほぼ丸々封印してまで野党で共同戦線を張りたいと言う。志位さんは『必ずしも閣内協力とは限らない』とも言いました。政権に近づくのが目的だとか、うがった見方が出ていますが、そうではないという印象を強くしました。一点突破で安保法を廃止したら、解散して総選挙ですから、ついでに他の政策をやろうというのでもない。むしろ他の野党は、共産党と共同戦線を張れないのなら、あれだけ抵抗した安保法反対は本物だったのかが問われます」

>30分間のスピーチで志位委員長は、「本気」という言葉を10回も使った。立憲主義を踏みにじり、民主主義を亡きものにする安倍政権を倒すため、民主党も、もっと現実的になるべきだ。



これを受けて、当の自民党・菅官房長官は・・・

「官房長官:共産党安保条約容認を批判「どう国民に説明?」」(毎日新聞 10月16日)

>「選挙目当てだ」。菅義偉官房長官が16日の記者会見で、共産党の志位和夫委員長が提唱する「国民連合政府」が実現した場合に日米安全保障条約を当面容認する考えを示したことに対する批判を展開。「今まで現実的でなかったのか。安保条約破棄だとか自衛隊は解散だとか言っていたが、どう国民に説明するんでしょうね」と疑念を呈した。

>共産党は党綱領で日米安保廃棄や自衛隊解消をうたっている。志位氏は、自公政権打倒と安全保障関連法廃止に目的を絞って国政選挙で選挙協力する連立政権の樹立を野党各党に呼びかけており、毎日新聞の13日のインタビューで「日米安保解消の目標は、連合政府では実行に移さない」と語った。菅氏は「どういう形でこうなったか分からないが、あまり(共産党は)変わらないのではないか」と話した。



菅長官、安保条約破棄求めずは「選挙目当て」(JNN 10/16)



とは言え、充分に脅威に感じていることに間違いはない。


また更に、「ハードルが高い」と言っていた民主党・岡田代表ではあるが、直接的に共産党の提唱する『国民連合政府構想』を受けたものではないにせよ、その民主党が呼びかけを行い、16日に「意見交換会」が開かれた。









「安保法廃止へ連携強化確認 5野党と市民団体が対話」(東京新聞 10月17日)

>他国を武力で守る集団的自衛権行使を容認した安全保障関連法に反対する市民団体などと野党五党は十六日、国会内で意見交換会を開いた。来年夏の参院選で与党を過半数割れにして、安保法を廃止に持ち込むため、野党共闘や各種団体との連携強化を目指し、定期的に協議していくことを確認した。

>民主党の枝野幸男幹事長は「立憲主義、民主主義を守る戦いは、より力を込めて継続していかなければならない」と指摘。「国民の声を参院選の結果にしっかりと反映させるために、野党が共闘しなければいけない」と強調した。

>会合では、保革が沖縄県名護市辺野古(へのこ)への新基地建設反対で共闘し、知事選や衆院選で勝利を続ける「オール沖縄」の取り組みも紹介。沖縄の成功例も参考に、安保法廃止に向けて、各種団体と野党五党が集会やデモなどを通して、関係を深めていくことで一致した。

>参加団体は、各界の学識者でつくる「安全保障関連法に反対する学者の会」、乳幼児の母親らが結成した「安保関連法に反対するママの会」、学生グループ「SEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動、シールズ)」、国会前の抗議行動で主導的な役割を果たした市民団体「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」、憲法学者らでつくる「立憲デモクラシーの会」など。

>政党側は民主党、維新の党、共産党、社民党、生活の党と山本太郎となかまたちが出席した。



安保法反対の6団体と野党が意見交換会(JNN)



「民主党が呼びかけ「安保法制反対諸団体との意見交換会」を開く」(民主党広報委員会 10月16日)

>民主党は16日、安保法案の審議の際に国会の外で反対の声を上げた諸団体と、維新、共産、社民、生活の野党4党に呼びかけ、安保法制に関する各団体の今後の取り組みについての意見交換会を国会内で開いた。会には、「安全保障関連法に反対する学者の会」「安保関連法に反対するママの会」「SEALDs」「戦争をさせない・9条を壊すな!総がかり行動実行委員会」「立憲デモクラシーの会」「日本弁護士連合会」が参加した。

>会の呼びかけ人として枝野幸男幹事長があいさつに立ち、各団体の活動に敬意を表した上で、「安保法制が成立したことにされているが、立憲主義・民主主義を守っていく戦いは、むしろ力を込めて継続していかなければならないと感じている。国会の外から声を上げていただいた皆さんと法案に反対した各党は、それぞれの立場に違いはあっても、立憲主義・民主主義・法治主義を破壊をさせてはいけないという一点では、一致することができるのではないか。その一致点を確認しながら、お互いに意見交換・情報交換をして、より大きな力を発揮できる流れを作っていくキックオフの場にしたい」と、会の趣旨を説明した。

>各団体からは、安保法制が成立したとはいえ、この安保関連法の廃止と昨年7月の閣議決定の取り消しという目標を諦めていないこと、そのために、シンポジウムや勉強会、街頭活動、署名活動などを通じて世論喚起を図っていることなどが紹介された。また、来年の参院選挙では自公政権の暴走を止めるために、野党各党が協力することへの期待の声が相次いだ。



「諸団体と5野党 意見交換 戦争法廃止・立憲主義回復へ 定期開催確認」(しんぶん赤旗 10月17日)

>戦争法(安保法制)廃止と立憲主義・民主主義を取り戻すための今後の取り組みについて、戦争法に反対してきた諸団体と日本共産党や民主、維新、社民、生活の野党5党は16日、意見交換会を国会内で行いました。民主党の枝野幸男幹事長が呼びかけたものです。国民の運動や関心をさらに高め、来夏の参院選での野党共闘の実現などに向け、課題や展望を語り合うとともに、今後、野党5党の呼びかけで定期的に意見交換会を開くことを確認しました。

>戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会、安全保障関連法に反対する学者の会、SEALDs(シールズ=自由と民主主義のための学生緊急行動)、安保関連法に反対するママの会、立憲デモクラシーの会、日本弁護士連合会が参加しました。日本共産党からは山下芳生書記局長、小池晃副委員長、穀田恵二国対委員長が参加しました。

>枝野氏は「それぞれの団体、政党に意見や立場の違いはあるが、立憲主義、民主主義、法治主義を破壊させないことでは、間違いなく一致できる」と発言しました。

>日本共産党の志位和夫委員長が提案した「国民連合政府」をめぐって、参加者からは「選挙協力を超えて(何をするか)、今後の野党の動きに注目している。国民連合政府への各党の反応にも関心がある」(立憲デモクラシーの会)、「国民連合政府の呼びかけに大変期待を持った。早く選挙をしたいという声も強く上がっている」(ママの会)などの発言がありました。



こうして俄かにリアリティが出て来ている。『国民連合政府構想』は確実に一歩を踏み出した。


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