一般相対性理論 アインシュタインの重力方程式(1) | 時空の謎と、アンドロイド

時空の謎と、アンドロイド

なぜ時間は戻れない、時空は3次元+時間なのはなぜ、第2のアインシュタインが簡単な原理ですっきり解決するのを見てみたい。ウサイン・ボルトより速く走れるアンドロイドが作りたい。

今回はアインシュタインの重力方程式について検討する。

アインシュタインの一般相対性理論から宇宙が膨張・縮小していることが導かれるが、アインシュタイン博士は重力方程式を導いた後に、自身の作った方程式のままでは宇宙が膨張・縮小することに気づき、宇宙定数の項を追加した話は有名である。

これまでアインシュタイン博士の思考をできるだけ追いかける形で検討してきたので、同じ順番で、宇宙の拡大・縮小を考える前に、アインシュタインの重力方程式について考えてみることにした。

とはいえ、次回検討すると予告してからずいぶんかかってしまった。
アインシュタイン博士が特殊相対性理論を発表してから、一般相対性理論の発表まで10年近くの時間がかかっているのを、わずか数日で追いかけようというのだから、無茶な話ではある。

アインシュタインの重力方程式は、次のような方程式である。
驚くほど簡単な方程式である。

Gμν + Λgμν = kTμν・・・・①

概要を説明する。

式①の1項: Gμν
アインシュタインテンソルといい、一般相対性理論の解説では多くの場合、時空の歪をあらわしていると説明されている。
テンソル、、て何と思うが、4×4 の行列の形をしている。
μνは、それぞれ行と列の番号を表す添え字で、0 ~ 3 の値をとる。
0 を時間、1 ~ 3 を空間座標 (X, Y, Z) とする。
ただし、アインシュタインの方程式はどのような座標をとっても成立するらしい。
0 を時間、1~3 の空間座標を極座標 ( r, θ, φ) としても良い。

式①の2項: Λgμν
Λは有名な宇宙定数である。
gμν は、計量と呼ばれ、アインシュタインテンソルと同じく4×4 の行列の形をしている。
計量 gμν はアインシュタインの重力方程式を理解する上でもっとも重要であり時空の歪を表すので座標変換だと考えられる。
特殊相対性理論で説明した時空の距離 L2 = -X2 + T2 の計算も計量を使って行うことができる。
座標変換に定数をかけるので、第2項目は座標を拡大・縮小する座標変換を意味することがわかるので、アインシュタインの重力方程式で宇宙が拡大する結果になる場合、Λを調整して拡大を打ち消す座標変換を行う効果があると思われる。

式①の右辺の k は左辺と右辺の単位の次元を合わせるための定数で次の値となる。
k = 8πG / c4 ・・・・②
G は万有引力定数、c は加速度の働かない真空中での光速度である。

右辺の Tμν はエネルギー・運動量テンソルという。
これも、4×4 の行列の形をしている。
その名の通り、時空の質量やエネルギーを表すらしい。

結局、アインシュタインの重力方程式は、4×4 行列の16 個の成分からなる連立方程式となっている。 左辺の Gμν + Λμν は、時空の歪を表現してるらしく、
右辺の Tμν は、質量・エネルギーを表現しているらしい。
つまり、アインシュタインの重力方程式は、
時空の歪 = 質量・エネルギー
であることを表す方程式であると考えるらしい。

一般相対性理論 重力は時空の歪により発生する」で求めた、時空の歪から重力を求める以下の式を一般化したものだと思われる。
(1 - β2)・c2 / r = g ・・・③
β:時空の歪 重力と垂直方向(円周方向)の長さの縮小率
r:重力の中心までの距離
c:光速度
g:重力加速度

今回の説明は「らしい、、」との曖昧な表現が多くて恐縮だが、このあたりでずいぶんつまずいて悩んだので曖昧な表現がおおくなってしまった。
つまり、後で説明するが、「らしい、、」との表現部分はあくまでイメージとしては正しいが、計算式としては正確ではないと捉えてこの先を読み進めて欲しい。

長くなるので省略するが、高校の頃に物理の先生に教えてもらった次元解析
(時空の次元と紛らわしいが、単位 (m,kg,秒) を解析する手法のこと。
便利な手法なので関心のある方は、次元解析 http://kumiko47.exblog.jp/2730889/を参照)
の考え方を使って式③を一般化したものが、アインシュタインの重力方程式①であるのであれば、
式③と式①は同じ重力加速度 g = L1T -2 の次元を持つはずだと考えた。
実際に次元解析してみてそうではないことに気づいてそこから、長い迷路にはまってしまった。

またまた前置きが長くなったが具体的にアインシュタインの重力方程式①を解いてみる。

アインシュタインの重力方程式を解くとはなにかを考えてみると、式①を構成する Gμν、gμν、Tμν の3つの 4×4 行列の成分を求めることだと最初考えていた。
ところがいろいろ調べてみると、どうもそうではないらしい。

アインシュタインの重力方程式は、、4×4 の 16 個の式からなる連立方程式となっているのは式の形からわかるが、第1項のアインシュタインテンソル Gμν はどうも、計量 gμν を微分すると求まるらしいことが色々な文献やHPからなんとなく理解できた。
つまりアインシュタインの重力方程式は、4×4 の 16 個の式からなる連立偏微分方程式である。

物理で微分して得られる方程式として代表的なのが、速度と、加速度の方程式である。
長さ x を時間 t で1回微分すると、速度 v が求まる。
さらに速度 v を時間t で微分すると、加速度 a が求まる。
加速度 a から、速度 v を求めるには、加速度 a を時間 t で積分すると、

v = a・t + v0

の形になり、初期速度 v0 を初期条件として与える必要がある。

同様に長さ x を求めるには、
x = (1/2)a・t2 + v0・t + x0・・・・④
の形になり、初期の位置 x0 を初期条件として与える必要がある。

アインシュタインの重力方程式も微分方程式であるので、アインシュタインの方程式を解いて時空の座標等を計算するためには、初期条件や境界条件を与える必要がある。

アインシュインの重力方程式の初期条件や境界条件として有名なのが、「シュヴァルツシルトの解」である。
シュヴァルツシルトの解では、宇宙には、自転しておらず、電荷も 0 の、質量 M の星が 1 つだけありその他は真空で、時空の歪(つまり重力)は、星を中心として球対象で、時間が経過しても時空の歪は変わらないとの初期条件と境界条件をアインシュタインの重力方程式に与える。
ずいぶん乱暴な仮定(初期条件と境界条件)ではあるが、太陽の周りの光の歪や、ブラックホール等、質量の大きな星と、そのまわりの時空を検討するには十分な近似となる。
シュヴァルツシルトの解の仮定は乱暴だが、その仮定においては、アインシュタインの重力方程式を近似ではなく、厳密にとく厳密解(唯一の解)として知られている。

シュバルツシルトの解には、星の内部の時空を扱う内部解と、星の外部の時空を扱う外部解の2種類があるが、ここでは外部解について検討する。

アインシュタインの重力方程式は連立偏微分方程式なので、宇宙全体をモデル化しているのではなく、宇宙の局所的な領域における振る舞いを定めている。
このため、星の外部の時空は真空であるとの初期条件(境界条件)により、外部解を計算する場合は、時空は真空であるとして扱ってよいらしい。
つまり、この初期条件(境界条件)により、式①の右辺のエネルギー・運動量テンソル Tμν の 4×4 行列の 16 個の全成分は 0 になるらしい。

中心の星の質量Mはどこに行った、、、と思いたくなるが、

一般相対性理論 重力は時空の歪により発生する」での検討結果、

「実際に距離 r の位置に重力を及ぼす星が存在するかどうか関係なく、ロケットの周辺の時空の歪が、半径 r と円周の縮小率β であれば、式①により重力加速度 g が発生する。」によると、

局所的な時空の歪(アインシュタインの重力方程式では1項のGμν)により重力加速度が生じるので、まあ、そうなのかなと考えることにする。
この心配はあとで的中するので、「※1心配」としておく。

すると、式①は、
Gμν + Λgμν = 0
となる。

ここで、第2項の宇宙定数 Λ はもともと式①を解くと宇宙が拡大・縮小してしまうのでそれを防ぐために後から追加された項であることを思い出そう。
シュバルツシルト解が発表されたのは、アインシュタインが一般特殊相対性理論を発表した 1915 年の翌年 1916 年である。
アインシュタインが重力方程式に宇宙定数を追加したのはその翌年1917 年である。
つまり、シュバルツシルト解には、宇宙定数が含まれないはずである。

結局式①は、
Gν = 0・・・・⑤
となる。

なんじゃこりゃ、、である。
第1項 Gμν アインシュタインテンソルは、時空の歪を表すんではなかったんかい?
これでは、時空の歪 = 0 の解が得られてしまった様に思われてしまう。
「※1心配」が的中してしまった。

どうもアインシュタインの重力方程式から望む答えを得るのは大変らしいことが分かった。
ここで大分悩んでいろいろ調べた結果、第1項のアインシュタインテンソル Gμν はどうも、計量 gμν を微分すると求まるらしいことが色々な文献やHPからなんとなくわかった。

つまり、アインシュタインテンソル Gμν は、時空の歪そのものではなく、本来は、計量 gμν こそが時空の歪を表していて、アインシュタインテンソル Gμν は、それを微分したものである。

ここまで検討してわかったのは、アインシュタインの重力方程式①を解くには、アインシュタインテンソル Gμν を求める必要があり、アインシュタインテンソル Gμν を求めるには、4×4 行列の計量 gμν の各成分を求める必要があるということが分かった。

アインシュタインの重力方程式を解くには、以下の 5 ステップが必要らしい。
① 求める解の初期条件(境界条件)から、右辺のエネルギー・運動量テンソル Tμν を定める。
② 4×4 行列の計量 gμν の各成分を仮定する。
③ 計量 gμν から、アインシュタインテンソル Gμν を求める。
④ アインシュタインの重力方程式① に求めたアインシュタインテンソル Gμν を与えて答え合わせする。
⑤ 答えが合わなければ ② に戻ってやりなおす。

なんだか、宝探しのような作業になることがわかった。
長くなったので、アインシュタインの重力方程式①のシュバルツシルト解を具体的に解くのは次回に持ち越したい。

今回のまとめ
アインシュタインの重力方程式は 4×4 の行列で構成される16個の式で構成される連立微分方程式。
Gμν + Λgμν = kTμν・・・・①

Gμν: アインシュタインテンソルといい、4×4 の行列の形をしている。
計量 gμν を微分することで得られるらしい、、、

Λ: 宇宙定数
gμν は、計量と呼ばれ、アインシュタインテンソルと同じく4×4の行列の形をしている。
gμν: 計量 gμν はアインシュタインの重力方程式を理解する上でもっとも重要であり時空の歪を表すので座標変換だと考えられる。
特殊相対性理論で説明した時空の距離 L2 = -X2 + T2 の計算も計量を使って行うことができる。
座標変換に定数をかけるので、第2項目は座標を拡大・縮小する座標変換を意味することがわかるので、アインシュタインの重力方程式で宇宙が拡大する結果になる場合、Λを調整して拡大を打ち消す座標変換を行う効果があると思われる。

式①の右辺の k は左辺と右辺の次元を合わせるための定数で次の値となる。
k= 8πG / c4 ・・・・②
Gは万有引力定数、c は加速度の働かない真空中での光速度である。

Tμν: エネルギー・運動量テンソルという。
これも、4×4 の行列の形をしている。
その名の通り、時空の質量やエネルギーを表すらしい。

シュヴァルツシルトの解:
以下の初期条件(境界条件)でのアインシュタインの重力方程式⑤の厳密解で、太陽の周りの光の歪や、ブラックホール等、質量の大きな星と、そのまわりの時空を検討するには十分な近似となる。
Gμν = 0・・・・⑤
初期条件(境界条件)
宇宙には、自転しておらず、電荷も0の、質量Mの星が1つだけありその他は真空で、時空の歪(つまり重力)は、星を中心として球対象で、時間が経過しても時空の歪は変わらない。

アインシュタインの重力方程式を解くには、以下の 5 ステップが必要。
① 求める解の初期条件(境界条件)から、右辺のエネルギー・運動量テンソル Tμν を定める。
② 4×4 行列の計量 gμν の各成分を仮定する。
③ 計量 gμν から、アインシュタインテンソル Gμν を求める。
④ アインシュタインの重力方程式① に求めたアインシュタインテンソル Gμν を与えて答え合わせする。
⑤ 答えが合わなければ ② に戻ってやりなおす。

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