「判らなくなっちゃうといけないので」
(そりゃまぁ、そっくりだからね)
「Aちゃんはお母さん、Bちゃんはお父さんが抱っこしてください。」
(え。・・・。ええーっ。何と言っていいのか解らないのは判る。けどさ、「お父さん」て。看護師さん随分持ち上げたな気を遣ったな。どんなに俺が男前だとしてもいや仮定の話だ、こんなに若い奥さん来るわけないだろ)
隣に座ってる双子ちゃんママ、苦笑。
『100%の苦笑』と言うのを俺は初めて見た気がする。
ごめんよママさん変わり者に見られちゃって申し訳ない。
Bちゃんはじーじと居ようね〜
「あらっ、お爺ちゃんだったの?」
「まぁ〜 わっかいお爺ちゃんね〜」
(判ってたよね? 確信犯だよね? えっと、その辺りをスルーして戴くのは医療機関ではダメなんでしょうか? いやでもどーもありがとおお)
「8時半に行って貰える?」彼女からのLINE。
よーがす。
てことは6時には走ってないとだな。もう年末近づいて来てるから高速上がった途端、動かないからね。
8時20分到着。
9時病院入り。
双子ちゃんの検査(テスト?)のお付き合い。
そこいらの町医者でやるのかと思ったら、大きく綺麗で(いやほんとに綺麗。茨城って日本一病院が少ない県じゃなかったっけ?)立派な総合病院。
全部終わったらお昼過ぎてた。
そりゃグスっちゃうよね。
良く我慢してくれたね。偉かったね。ジョイ本行ってお昼食べよう。
何が食べたい?
「はんばあぐぅ」
なんでずっとケンタのコールスローばっかり食べてんだ? それ2個目だよね? ハンバーガーは?
なんでこんなにコールスローが好きなんだ?
これそんな美味しいものじゃなくないかぁ?
ママ買い物。
俺と双子ちゃん、トイザらス。
てか、
トイザらスから出やしねえ。
15時半帰宅(双子ちゃん家に)
大人2人へとへと。
ママ、Aちゃん抱っこしたままソファで寝ちゃう。
俺もBちゃんお昼寝させながら隣でうとうと。
どうしてこんなに疲れてるんだろ? 病院だからかな?
もうさ、外、まっくっくだよ。
「おんもいく。」
寒くなっちゃったよ。
「じーじとおんもいく。」
(いや俺はね、ただね、今日こっち来てから1本も吸ってないからちとサボらしてもらおかなと。それで「外行って来るね」て)
真っ暗な夜道を三日月を見上げ「おちゅきさまあ」
ヘッドライトの無い三輪車2台でぐるぐるぐる。
「いんない。」
「おうちいんないよぉ」
(Aちゃん、その歳でホームレスはきついと思うぞ)
「・・・・・」
「じゃあAちゃん、あと一回ぐるっとしたらおうち帰るよ」
「ママへとへと。くたびれちゃった」
「あ、こら」
「Aちゃんハンドルを家から離れる方に向けるな」
「同じとこぐるぐるぐるだ〜」
「あ。Bちゃん、走って逃げるな〜」
(早く彼女来てくれないかな)
「ママへとへと。くたびれちゃった」
「あ、こら」
「Aちゃんハンドルを家から離れる方に向けるな」
「同じとこぐるぐるぐるだ〜」
「あ。Bちゃん、走って逃げるな〜」
(早く彼女来てくれないかな)
二人を悲しませない為に。
二人に痛い思いをさせない様に。
二人の役に立てる様に。