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接ぎ木で植物が発揮する修復力の秘密を解明

2023-01-28 10:51:33 | 自然
私の家はトキワマンサクを生垣としていますが、この木は発育が非常によく頻繁に剪定する必要があります。

その折近くに小さな枝が生えていましたが、どうも剪定で切った枝が刺さって挿し木のようになったようです。この様に植物は素晴らしい生命力を持っていますが、その代表が接ぎ木かもしれません。

接ぎ木は異なる種類の植物の茎や枝などを切ってつなぎ合わせ、「イイとこどり」をして農業や園芸に役立てる方法です。この方法は広く知られている割には、仕組みはよく分かっていませんでした。

この接ぎ木に関して奈良先端科学技術大学などの研究グループが、重要なスイッチ遺伝子やホルモンを突き止めるなど謎の解明を進めています。

農業では例えばキュウリとカボチャの胚軸に切り込みを入れ、接ぎ木することが広く行われています。切り口には「カルス」という未分化状態の塊ができ、切り口をふさいでつなぎ合わせます。

カルスはやがて水分や養分が通る維管束をはじめ、さまざまな組織を作る細胞へと分化していくことができます。研究グループは、実験に広く使われているモデル植物のシロイヌナズナの遺伝子の働きを調べました。

切ってほどなく働きだす遺伝子「WOX13」に注目しました。これは別の遺伝子のスイッチ役である「転写因子」の一種で、陸上植物が広く持っているため大切な役割があると思われます。

まずWOX13が働かない突然変異体を調べると、カルスが著しく小さくなり大きな細胞が消えていました。器官どうしが全くつながらなくなり、WOX13は切り口がくっつくのに必要なのだと分かりました。

さらにWOX13は、体の再生に重要な遺伝子群と働き合い、細胞壁の成分である多糖の分解や細胞の伸長をコントロールする遺伝子に対して働いていることも分かりました。

切られた刺激でWOX13が働き、細胞を未分化の状態にしてさまざまな細胞に分化できるようにしたり、細胞壁を再編成させたりしています。このように転写因子WOX13がカルスの形成や切り口の接着を司っていることを発見しました。

また研究グループは細胞を成長させるホルモンである「オーキシン」にも着目しました。実験の詳細は省略しますが、オーキシンを無傷の植物や切った葉柄に与えてもWOX13が活発になりました。

切断の上側で活発にWOX13が働くのは、オーキシンが蓄積するためであることを突き止めました。WOX13は従来から知られていたコケ植物に加え、シロイヌナズナのような被子植物でも体を修復するカギを握っているといえるようです。

研究グループが見出したこのような転写因子が重要な役割を握っているというメカニズムは新しい発見といえるようです。


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