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オートファジーと尿酸結晶の処理

2022-06-22 10:26:42 | 健康・医療
私はビールが好きでどこに行っても最初はビールを飲んでいます。ビールというとプリン体が分解され、尿酸になるのが問題とされています。

私は尿酸値は正常なのですが、かなり上限に近い値となっており痛風を若干気にしているもののビールをやめる気はありません。

細胞内に入り込んだ尿酸結晶は、リソソームに運ばれますが、その針のような結晶はリソソームを傷つけてしまいます。ここで尿酸結晶をめぐる生体の細胞レベルでの攻防があるようです。

生物の細胞の中で起きる現象には、生命を守り維持する働きを担っているものがあり、そのひとつがオートファジーです。このオートファジーが低下すると病態が悪化する疾患もたくさんあり50代以後の男性に多く見られる「痛風」もそのひとつです。

血液中の尿酸の濃度が高くなると、高尿酸血症を発症します。プリン体が分解されてできた尿酸は、尿や汗と一緒に体外に排泄されますが、プリン体を含む食品をたくさん摂ったり、尿酸が排泄されにくくなったりすると血液中に尿酸が増えてきます。

そして溶解度を超えると尿酸が結晶してしまい、この結晶は関節に蓄積すると炎症を起こし、激しい痛みに襲われる痛風となります。

この尿酸結晶によって損傷したオルガネラの除去や、腎臓に蓄積した尿酸結晶による腎障害の悪化防止にオートファジーが関わっていることが明らかになりました。

生体内には物質輸送システムがあり、そのひとつであるオートファジー経路は、細胞質にある物質をリソソームというオルガネラに運んでいます。まず細胞質で隔離膜と呼ばれる構造が作られます。

これは生体膜で作られて袋がつぶれたもので、最初は丸座布団のような形が延びながら曲がっていき、皿のようになりどんぶりのようになり、最終的にツボのようになっていきます。この時そこにある物質を包み込んでそのツボの口が閉じます。

こうして細胞質にある物質を閉じ込めた1マイクロほどの球形の袋ができ、これをオートファゴソームと呼んでいます。隔離膜が現れてからオートファゴソームができるまで10分程とされています。

オートファゴソームは、微小管というタンパク質でできたレールの上を運ばれ、リソソームに出会うと結合し、膜が融合します。膜が融合すると、オートファゴソームの中身がリソソームの酵素によって分解されます。

オートファジーについて、隔離膜やオートファゴソームは清掃車のようなもので、細胞中のゴミを集めて処理工場であるリソソームに運んでリサイクルすると説明されているようです。

こういった処理工程があるため、健康であれば細胞に尿酸結晶が溜まっても痛風になることはなく、安心してビールが飲めるのかもしれません。


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