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老化マウスの認知機能を改善

2022-01-15 10:25:14 | 健康・医療
近年老化の研究は非常に活発になっており、老化細胞を除去する薬剤や老化細胞をなくすワクチンまで報告されています。

京都大学の研究グループが、老化と共に増殖力が低下して認知機能の衰えにつながる神経幹細胞を遺伝子操作で若返らせることにマウスの実験で成功したと発表しました。

神経幹細胞は脳にあり神経細胞(ニューロン)の元になり、胎児の時は活発に増殖してニューロンを増やしますが、成長と共に増殖能力やニューロン産生能力は低下します。大人の神経幹細胞でもある程度増えてニューロンを産生し、ニューロンは記憶や学習に重要な役割を果たします。

老化と共に神経幹細胞は増殖能力やニューロン産生能力を失い、その結果認知機能が低下するようです。研究グループは、胎児のマウスや老化マウスで多く発現する遺伝子をそれぞれ人工的に発現させたり、発現を抑えたりするなどして、胎児と老化した脳でそれぞれ働く遺伝子を詳しく調べました。

その結果胎児マウスでよく発現している遺伝子の転写因子80種類のうち、神経幹細胞を最も活性化する遺伝子の転写因子を突き止めました。また老化マウスの神経幹細胞で多く発現している遺伝子の特定の転写因子などを抑えると、神経幹細胞が活性化することも判明しました。

研究グループはこれらの研究成果をもとに、胎児マウスの特定の遺伝子をたくさん働かせ、一方老化マウスの特定の遺伝子を抑える手法を組み合わせ、神経幹細胞を活性化させる方法を開発しました。この方法を「iPaD」と名付け、老化マウスの脳をiPaDで遺伝子操作しました。

この方法が具体的にどんな操作なのかの詳細は分かりませんが、遺伝子操作の一般的な手法のようです。この操作をすると、老化して増殖能力をほぼ失っていた神経幹細胞を効率よく活性化し、若返らせることに成功しました。

さらに若返った神経幹細胞が3か月以上増え続けることを確認しました。このように遺伝子操作したマウスは老化していても学習、記憶能力も改善したことを確かめられたようです。

研究グループは、今回のマウスで確認したiPaDの方法が霊長類にも適用できるかを確かめる研究を続けるとしています。神経幹細胞を活性化させて新たな神経細胞を作り出す技術を応用し、アルツハイマー病などの脳疾患治療の開発につなげたいとしています。

私はこういった遺伝子操作がどんな手法で行われるのかよく分かりませんので、例えば脳を切開する必要があるのか、遺伝子操作した細胞を入れればよいのかなど理解できていません。

こういった神経幹細胞が活性化できれば単純な老化防止というより、いろいろな神経疾患の治療につながる成果かもしれません。


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