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薬だけでガンを治せる「免疫療法」の効果

2023-06-04 10:38:37 | 健康・医療
日本では手術できるガンであればほぼ100%手術をするという、手術偏重の治療が行われています。

これは問題ではないかと考えていますが、化学療法といわれる薬物療法も私は推奨できません。近年大きな進歩がみられるのが免疫療法です。

現在でも「免疫療法」と称して、保険適用外の治療を謳うクリニックは多いようですが、こういった自由診療というのは怪しい面があるのは確かなようです。ここでは怪しくない免疫療法を紹介します。

以前から悪性黒色腫や腎細胞ガンといった一部のガンには、免疫系を活性化させる「インターフェロン」が薬として使われてきました。主力ではないとはいえ標準治療のひとつであり、保険適用です。

しかし治療のためインターフェロンを投与すると、高熱や関節痛、全身倦怠感といった不快な症状が生じます。またインターフェロンの奏効率は10〜20%程度とあまり高くありませんでした。

その後免疫細胞に対するガン細胞のブレーキを解除する「免疫チェックポイント阻害薬」が登場することによって、免疫療法は劇的に進歩しました。

代表的な薬はオプジーボですが、当初は悪性黒色腫にだけ保険適用されていましたが、今では非小細胞肺ガン、腎細胞ガン、胃ガンなどにも拡大しています。ただこの薬は、抗ガン剤のような脱毛や血球減少は起こり難いものの、間質性肺炎や大腸炎といった副作用が生じることが知られています。

夢の特効薬ではなく、副作用に注意しながら専門家が適切に使う必要のある薬です。またオプジーボだけでなく、さまざまな新しい免疫チェックポイント阻害薬が開発され、局所進行直腸ガンが消失したという報告もあります。

新たな免疫療法として、ガン細胞と戦う免疫細胞を改造する「キメラ抗原受容体T細胞療法」も血液系のガンに対して保険適用されています。

これは患者のガン細胞を殺す働きのある免疫細胞である「T細胞」を一旦取り出し、キメラ抗原受容体を導入し、培養して数を増やしたうえで患者の体に戻すという治療方法です。いわば免疫細胞を元気にする「アクセル」を抗原受容体につけガン細胞のブレーキに対抗するというものです。

現時点では血液系のガンのみが治療対象ですが、固形ガンへの応用も研究されています。このように効果がある免疫療法は次々開発されていますが、どうしても個別化治療となりますので、薬価が極端に高くなってしまいます。

保険適用されていますので高額療養費制度が利用できても自己負担額が数十万円以上になるようです。この免疫療法が第4の標準治療となるためには、この高額な医療費の問題を解決する必要があるといえそうです。


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