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アレルギー疾患の激増と「衛生仮説」のはなし

2023-01-15 11:10:24 | 健康・医療
現代になって患者が急激に増えている病気がアレルギー疾患です。

確かに私が子供の頃の1950年代にはあまりアレルギー疾患というのを聞いたことが無かったような気もします。ただし私は子供のころからタケノコアレルギーがありましたので、皆無というわけではなかったようです。

アレルギー疾患とは特定の抗原に対して、免疫反応が過剰に働くことで起きる病気です。ほこりや花粉、ネコの毛など本来は身体に害を及ぼさないものに対して過剰な免疫反応が起きて、鼻詰まりや鼻水、くしゃみ、発疹、呼吸困難などの症状が起きます。

アナフラキシーショックや重症の喘息を除けば、生死にかかわることはありませんが、発症するとQOL(生活の質)が著しく低下します。

「花粉症」もアレルギー疾患の一種ですが、1961年に初めて報告された患者数は年々増加し、今では日本人の3人に1人は花粉症に罹っているといわれています。

このほかにも食物アレルギー、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、気管支喘息などさまざまな疾患があり、日本人の2人に1人は何らかのアレルギー疾患に罹っているため「国民病」と呼ばれています。

このメカニズムは「IgE抗体」など詳しく解明されていますが、ここでは省略します。現在この原因として有力視されているのが「衛生仮説」という考え方です。

現代になり衛生環境が劇的に改善された結果、現代人が細菌やウイルス、寄生虫など汚染物質の少ない清潔な環境で生活するようになったことで、免疫が訓練されなくなり、特定のアレルゲンに対して過剰な反応を起こしやすくなったという説です。

衛生仮説を最初に提唱したのは1989年のロンドン大学の科学者です。約1万7000人のイギリス人について、23歳になるまでのアレルギー疾患の発症率を調べました。兄弟の数が少ないとアレルギー疾患の発症率が高くなることに着目しました。

兄弟の少ない子供は生育期にウイルスや細菌、寄生虫などに感染したり暴露する機会が少なくなるために、免疫が十分に訓練されずアレルギー疾患を発症しやすくなったと推論しました。

さらに家庭における衛生グッズの増加や清潔に関する関心が高まったことも家庭内での感染暴露を減少させたという考えを提唱しました。

これまでの常識では病原体の暴露の減少や衛生グッズの普及は、健康の増進にプラスに働くというもですので、この衛生仮説は驚くべき指摘と捉えられました。その後も子供の成育期の衛生環境がアレルギー発症に関与することを示唆する論文が相次いで発表されています。

私もこの衛生仮説に納得していますが、現在のきれいな環境を汚染させるという事はできませんので、今後アレルギー問題にどう取り組むかは難しい課題といえそうです。


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