かーちゃんはつらいよ

特別支援学校高3の超多動そうちゃん(自閉症、最重度知的障害、強度行動障害、てんかん)を育てるかーちゃんの雑記。

ありのままで

2021年10月15日 21時02分48秒 | みゆみゆとの生活
朝から介護のお仕事の日。
私の職場は重症心身障害の方達が日中利用する生活介護施設で、ほとんどの方が特殊な車椅子を利用しています。
関節の拘縮があったり歩行が不安定だったりなので、支援するにはコツと体力が要ります。
そうちゃんのような障害とはまた全く違う世界。
ここで1年半、週に半分ほど働いて、やっと利用者さんのことが一通り把握できてきました。
まだまだですが。

今日はいつもより利用者さんが少なめ。最近では珍しく。
で、午後のレクリエーションの時間に少し余裕があって。
「ありのままで」をみんなで聞くことになりました。
音楽を聴くと自然に体が揺れる方もいる。
窓の外はいいお天気で、吹き抜ける風が心地いい。
幸せな空気がふわ~っと広がった感じがして、なんだか嬉しくなって歌いながら踊ってしまった。
片手づつ、両手を大きく広げて。
「一緒に踊ろう」って利用者さんに声かけながら。

ありのー ままのー すがた みせるのよー

この歌、合唱団で歌ったなー。
楽しかった。

気づいたら周りの同僚たちが一瞬目を丸くして爆笑しながら、私に「どうしたんですか?!」と。
しまった。地を出し過ぎた。

職場では、いつも真面目でおとなしく、「わからないことばかりですみません」と小さくなっている私。
市役所でどんどん話をして回ったり親の会で司会したり、家でイライラして怒鳴ったり、品のないお笑いを見てゲラゲラ笑う私を知らない同僚。
「家でお子さんを叱ったりするところが想像つかないです」と言われてしまっている、つまり猫をかぶっている私。

そんなよそゆきの関係性の中、急に思い切り踊ったりして、驚かせてしまいました。
なんだか、嬉しかったんだ。それぞれに生きている、このゆっくりな空気の香りが。うまく表現できないけど。

最初にそうちゃんの障害とは違う世界、と書いてしまったけど、そうじゃないね。
私と、そうちゃんと、重心の利用者さんの間に、違いはない。
みんな自分の時間を生きていて、命を燃やしてる。

意思疎通ができない人は生きている価値がない(ああこの言葉書くのも嫌だ)、などというとんでもない主張をした犯罪者がいたけど、そんなこと今後誰にも言わせたくない。
言葉を持たない人だって、そこにいるだけで価値があるし、人に与えられる宝物も持っている。
それが見えないとしたら、それは受け取る側の問題。

福祉は、社会全体のためのもの。
次の世代に、いい形で残していかなきゃ。

そんなことまで考えてしまうのは、そうちゃんというストッパーがいないからだな。
思考も行動もエンジンかかりっぱなしだ。
ありのまますぎるのも考えもの。
明日面会に行くから、坊やにたしなめてもらおう(笑)

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