相手に自分の要求を断らせない方法があるのですが…

相手に自分の聞いてほしい頼み事やお願い事を断らせない方法があるのですが…

生きていれば、聞いてもらいたい頼み事や動いてもらいたいお願い事が誰にでも出てくるときがあるだろう。

まさか断らへんやろ、、、

そう思ってした頼み事やお願い事が断られたときの、あの何とも言えない「残念な気持ち」になるのは、できることなら避けてとおりたいものである。

そこで、もし自分が望む要求を確実に相手に受け入れさせる方法があるといったら、その方法を知りたいと思うだろうか。

結論から言おう、実は存在するのである。

頼み事やお願い事を断られて残念な気持ちになるのは、受け入れてもらえることや受け入れさせることを前提に相手に接触しているからだ。

だったら、頼み事やお願い事をするときは、期待せずに頼めば、例え断られたとしてもそこまで残念な気持ちにならへんのちゃう?

そう思うかもしれないし、実際そのとおりだろう。しかし、頼み事やお願い事をする側の立場からすれば、受け入れてもらうために頼み事やお願い事をするのであって、断られるために頼み事やお願い事をするわけではない。

その証拠に、「明らかにこれは断られる」とわかるような無謀な要求は、最初からしようと思わないだろう。

そこで今回は、相手に自分の聞いてほしい頼み事やお願い事を断らせない心理テクニックを紹介する。

基本さえ理解していれば、少々強引な要求もとおせるようになるので、覚えておくと多くの場面で役立つときがくるだろう。

基本が理解できたら、是非その効果を実践で体感してみてほしい。

人は頼み事やお願い事をされると断りたくなる

人には、頼み事やお願い事をされると断りたくなる性質がある。

なぜなら、頼み事やお願い事を受けるということは、相手の利益のために自分の何かを犠牲にすることになるからだ。

時間かもしれないし、労力かもしれない。だが、何かが犠牲になることは間違いないし、何かを犠牲にしないと相手の頼みや願いに応えたことにはならない。

見ず知らずの他人のために、理由もなしに自分を犠牲にできるようなできた人間・・・・・は、世の中そう多くはない。道を尋ねられたときに、親切心で教えてくれる人がいる程度だろう。

したがって、特別な理由がある場合を除き、人は頼み事やお願い事を受ける条件として、相手にそれに見合う見返りを求めるようになる。

犠牲に代わる見返りを求める

人は相手のために自らの犠牲を払うとき、その頼み事やお願い事を受ける対価として、自分にはどういう見返り(利益)があるかを考えるようになる。

例えば、

  • 知識や情報を提供する見返りにお金をもらう(セミナー・教材・著書など)
  • 買い出しに行く手間を受ける代わりに、それ以上に面倒な料理をやってもらう
  • 給与の支払いを約束する代わりに、会社の売上に貢献してもらう
  • お金を出して商品を買う代わりに、悩みやストレスからの解放・解決策を求める
  • 店が取り決めている料金を支払う代わりに、「美味しい」「幸せ」といった幸福体験を得ようとする
家庭で例えるなら、

金は俺が稼いでくるから家事と育児、頼むで。

これもそうである。

そして、その頼み事やお願い事を受けることによって得られるであろう見返りに自分の中で納得が入らなければ、人はその頼みや願いを断る方向で検討するようになる。

つまり、自分にできないことや自分が苦手とすることを自分の代わりに引き受けてもらえるという条件があってはじめて、人は相手の要求する頼み事やお願い事を聞こうという姿勢になるのだ。

先に恩を売っておくと人は見返りなしでも動く

見返りなしで人を動かす方法がないのかというと、そういうわけでもない。

実は、人は自分に対する見返りが明らかにないとわかっている状況でも、心理的に追い込まれると相手の頼み事やお願い事を断りづらくなることがある。

潜在意識下で影響を受ける行動心理学15選」でも触れている、 返報性の原理 によってそれは起こる。

この原理は至ってシンプルで、先に恩を売られることで後に生じる罪悪感が頼み事やお願い事を断りづらくしてしまうのだ。

例えば、1回や2回ではなく10回20回というレベルで恩を受けている相手からある頼み事やお願い事をされた場合、瞬時にその要求を断れる自分がいるか少し考えてみてほしい。

普通なら即答で断れる要求でも、相手から受け続けてきた恩恵が障害になって、なかなか断りづらくなるはずなのだ。

もし、10回20回レベルで恩を受け続けている自覚がありながら、その間なにもお返しをしていないにもかかわらず即答でその相手からの要求を断ることができる自分がいるなら、その人はかなりの恩知らずで、自分はぶっ飛んでいると思ったほうがいいだろう。

普通の人間なら、自分が受けた恩恵に対してお返しが追いつていないと、そこから生じる罪悪感が障害となってそんな無神経なことはできないはずなのだ。

よって、いざというときに自分の頼み事やお願い事を聞いてほしい、または聞いてもらいたいことが出てきそうな相手には、普段から相手に恩を売っておくと相手に何の見返りを用意しなくても、相手があなたの要求を受け入れる可能性を最大化することができるようになる。

せっかくなので、相手の罪悪感を最大化する恩の売り方の一例もここで紹介しておこう。

相手の罪悪感を最大化する恩の売り方

Quality over Quantity(クオリティ・オーバー・クオンティティ)、日本語で「量より質」という意味だが、相手に恩を売るときに限ってはこれを逆にする。

つまり、質より「量の積み重ね」が、相手に与える罪悪感を増幅させることになるのだ。

極端な話、200万円近いロレックスを1回プレゼントするよりも、その辺にある一食700円程度のご飯を30回(21,000円)奢ったほうが、相手が自分に抱く罪悪感は大きくなるのである。

人は、自分のために「何をしてもらったか」よりも、「何回してもらったか」に素直に影響を受けるものなのだ。頭で考えると矛盾しているように思うかもしれないが、これが事実である。

さらに、200万円のロレックスと一食700円のご飯で言うと、ごくごく普通の人は200万円のロレックスをプレゼントされても困るわけである。なぜなら、自分の甲斐性で買える以上に高価なものをプレゼントされたときは、受けた恩恵に見合ったお返しが自分にはできないことをその瞬間に確信するからだ。

だから、

  • こんな高価なもの受け取れないです…
  • 本当にいただいていいんですか?!

と、こうなるわけである。

しかし一方で、一食700円の食事と一般的に同等の価値を持つものをお返しできないなどという人は、収入がある人ならまずいない。よって、こちらのほうが現実的であり、より身近なものとして捉えることになるので、その回数が増えれば増えるほどそれに乗じて罪悪感も大きくなるのである。

なので、相手に恩を売るときはそれによってかかるコストは重要ではなく、高いか安いかで変わる心理的影響はほとんどないと思っていい。強いて言うなら、相手にとって高価になりすぎるものは逆に効果が得られないということだけ覚えておけばいいだろう。

また、必ずしもお金のかかるもので恩を売らなければならないということではない。恩の売り方は、お金がかからないことでも探せばいくらでも見つかるはずである。

例えば、

  • 相手が困っていたらできる範囲で助けてあげる
  • 相手が解決できない答えを知っていたら素直に教えてあげる
  • 協力することで相手が助かることや喜ぶことをしてあげる
あなたが関わることによって、それが相手の利益につながることすればいいのだ。

そして、それらの積み重ねが多くなればなるほど、あなたに対してそのお返しが追いついていない罪悪感から、たった1回のあなたの要求(頼み事やお願い事)を断りづらくなってしまうのである。

さらに、自分に対する相手の罪悪感を最大化し、後に予定している自分の要求を限りなく実現できるものにしたい人は、「恩を売るだけ売ってお返しは一切受けない」という方法を併せてみるといい。

これは、相手にひたすら恩を売り続ける一方で、その恩にお返しをしようとする相手の要求を一切突っぱねるというものだ。

人は受けた恩にお返しをすることで、その恩に対する罪悪感がほぼリセットされるようになっている。ところが、そのお返しまで突っぱねられてしまうと、されっぱなしの状態では普通の人間は気持ち悪くてウズウズしてくるようになる。

そして、何とかお返しができる機会が来ないかと考えるようになり、そのタイミングで一つの要求を提示されると、

この機会を逃すと相手にお返しをする機会はこの先来ないかもしれない、、、

と考えるようになり、「ここであなたの頼み事やお願い事に応えておこう」と考えるのだ。

その結果、あなたの要求(頼み事やお願い事)は、見返りなしでも簡単にとおってしまうということが起こるのである。

相手に利益を売って自分の要求をとおしたり、返報性の原理を実践に用いたりするテクニックは、はじめて顔を合わせた女性に興味を持ったときや、飲み屋で会話が発展した女性とさらに仲良くなりたいと思ったときに、私もこのプロセスをたまに踏むことがある。

そして、実際にその要求がとおった後に、相手を性格や考え方、価値観や世界観を見つけ、下の関連記事で触れているような段階に入っていく。

今のところ成功率100%で失敗したことはないが、別に自慢しているわけではなく、承知のとおり今回紹介しているテクニックは基本を理解すれば誰にでもできるものである。

上手く使うことができれば、あなたにも新しい出会いをスタートさせるときのきっかけの一つになるはずだ。ぜひ、自分の環境に当てはめて試してみてほしい。

まとめ:聞いてほしい頼み事やお願い事を断らせない方法

最後に、今回紹介した内容をまとめておくことにする。

非常にシンプルかつ実践向けのテクニックなので、是非とも実践でその効果を体感してみてほしい。

相手に要求する自分の頼み事やお願い事をとおしたいときは、、、

  • 相手が得られる利益を先に伝える
  • 自分の要求に相手の利益が見合っているかを十分考える
  • 相手の利益が用意できないときは事前に恩を売っておく
  • 恩は質より量を意識する
  • 返せないと判断される恩に効果なし
  • 恩を売り続けてお返しは蹴る
今回紹介した、自分の要求を断らせないための心理テクニックのポイントは、大きくわけるとたったの2つである。

  1. 自分の要求に応えることで得られる相手の利益を必ず提示する
  2. 先に恩を売ることで後に生じる罪悪感を利用する
どちらの方法も、頼み事やお願い事をとおりやすくする理由になるものだが、状況や相手によっては使い分けが必要になるときもある。

特にビジネスなどで用いられる交渉は、双方が得られる利益が互いに大きいときや、相手が断る理由がないときに成立する。どちらか一方にでも聞くに値する利益が望めないない場合は、交渉は不成立になるはずだ。

相手に頼み事やお願い事をするときも交渉のときと同じ原理が働いている。

相手にとっての利益が自分の要求を受け入れてもらえるに値するかどうかを考え、相手が得られる利益を用意したうえで自分の要求を伝えることを心がけよう。

それさえ上手くできるようになれば、あなたの要求はほとんどのケースでとおるようになる。

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