なんかよくわかりませんが、Google Play Musicアプリをアップデートしたら、ダウンロードしてあった楽曲全部消えました。仕方ないのでもう一回落とし直しました。Wi-Fiなかったら死んでたね。さて今週は、

 Reachy Prints / Plaid
 Autechreの数学的催眠術も、Aphex Twinの毒牙がもたらす幻覚作用も、あるいはSquarepusherが突き進む怒りのデスロードも、すべてエレクトロニカという便利な言葉ででひとまとめにできるのは、良くも悪くもエレクトロニカが音楽ジャンルとしては極めて曖昧であるからに他ならない。エレクトロニカなんてものは、そもそも定義があってないがごとき、理解者による熱心な信仰、あるいは裸の王様が纏う豪奢なローブである。そんな悲観的な考えが頭をよぎった時は、Plaidが紡ぎ続けてきた電子の反物の肌触りを思い出すと良い。エレクトロニカとはPlaidが生み出す、幸せに満ちた音楽のことであるから。

 Transformer / Lou Reed
 「なんか今日は良かったなあ」と思える日は人生に時々あります。はっきりとした理由はなくても良いのです。なんかぼーっと、ぽやーんと、今日という一日を頭のなかで言葉以外の記憶方式で再生して、解説も反省も理屈も求めずに、ぼんやりとした幸福感の中で今日を終えましょう。小難しい話は明日考えましょう。そんな気持ちのときに<Perfect Day>を聴く。いいですね、すごくいい。

 シングルA面コレクション / 河合奈保子
 毎回アルバム3枚ピックアップしているので、今週の3枚目を何にするか迷いましたが、これまでとちょっと方向性を変えて、河合奈保子。マンハッタン・ジョークでお馴染み(え、お馴染みじゃないです?)河合奈保子さんです。ど80'sなテイストの楽曲はそれだけでもあえて今聴くべき麻薬的魅力を持った34曲として猛プッシュしたいところですし、特に傾聴すべきは各曲のイントロの素晴らしさ。サンプリングソースとして使い倒したくなること間違い無しの、丁寧に作りこまれた音色とバブル景気に下支えされた高価な録音機材とプロの作曲力が輝くショーケースであります。