ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

長野の猟銃立てこもり事件に思う

2023-05-29 13:56:29 | 日記
このところ朝日新聞の記事に触発され、米中問題や対中包囲網の問題にかかずらってきた。この問題の検討に一区切りがついた今、息もつかせず降りかかるのは、「次のネタ」問題である。

ネタ探しの目で眺めると、「長野猟銃立てこもり事件」はとても示唆に富む魅力的なネタであるように思える。

長野県中野市で4人が殺害された事件で、逮捕された容疑者は女性2人を殺害した動機について『2人が散歩中に自分をばかにしていると思った』などと話していたことがわかっています。
警察は悪口を言われたと思い込み襲った疑いもあるとみていて、恨みを抱くようになった時期やきっかけについて調べを進めることにしています。

(NHK NEWS WEB 5月29日配信)

こうしたニュースを聞いて、だれもが懐くのは、この事件の犯人・青木政憲(31)なる男は、トンデモな妄想に囚われたものだ、という唖然とした思いである。この男は、他人とうまくコミュニケーションがとれず、独り引きこもりがちな自分に、激しい劣等感をいだき、そんな自分に呪いに近い感情を懐いていたはずだ。この感情は、どす黒い怨念となって近所の他人に向けられ、激しい憎悪と敵意に変わる。この事件の場合は、それが殺意に発展したということだろう。

この男・青木某のそうした被害妄想の心的傾向は、今に始まったことではないのではないか。この男は大学在学中にいじめを受けて大学を中退したと言っているらしいが、「いじめを受けた」というのは、自分で勝手にそう思い込んでいるだけで、実際には「いじめ」などなかったに違いない。

だいたい一端(いっぱし)の大学生が中学生の悪ガキみたいに同級生に「いじめ」をはたらくなど、そんな話は聞いたことがないし、そんな悪ガキが在学するアホ大学がこの日本に存在するなんて、(いくら大学大衆化の時代とはいえ)そんな話も聞いたことがない。

この例に限らず、被害妄想に囚われた輩(やから)ほど厄介なものはない。そんな人物が猟銃を所持しているとなると、それこそ「気違いに刃物」で、じつに危険極まりない話である。
かといって、被害妄想は程度の差はあれ、だれもが囚われがちな心理状態であり、しかも、自分ではこれをどうにもできない。「被害妄想の気質」というだけで該当者を社会から隔離・排除しようとすれば、社会は大混乱に陥るに違いない。

では、この種の事件を未然に防ぐにはどうすればいいのかーー、う〜む、難しい問題である。
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