ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

豚もおだてりゃ

2024-04-09 11:03:39 | 日記
豚もおだてりゃ木に登る。きょうの朝日新聞の記事を読んで、そんな諺が頭に浮かんだ。

バイデン氏は、岸田氏が防衛費を国内総生産(GDP)比で『2%』へと大幅増額する方針を決めたことを高く評価し、国賓待遇を決めた
(朝日新聞4月9日)

とある。

我が岸田首相はきのう、日米首脳会談に臨むため、政府専用機で米ワシントンへと出発した。今回の首相訪米は2015年の安倍元首相以来、9年ぶりの国賓待遇になる。岸田首相は米議会上下両院で演説し、初の日米比首脳会談に臨むという。

バイデン大統領からすれば、岸田首相に対してこういう最上級のおもてなしをすれば、この単純な男はますます「アメリカのポチぶり」を発揮し、国防費をさらに増額するとともに、自衛隊を米中戦争の尖兵にするなど、軍拡路線の木に登るはずだ。そう期待できるというわけである。

我が岸田首相にしても、米側のこういう期待や待遇は、願ったり叶ったりの話だろう。大国アメリカから国賓待遇を受け、米議会上下両院で演説したとなれば、それだけで大きな政治的得点になる。
さらにバイデン大統領との日米首脳会談で両国同盟の絆の強固さをアピールできれば、「やっぱり外交の岸田だ、岸田さんが首相なら、日本は安泰だ」という国内世論が盛り上がり、我が岸田政権の支持率は一気に回復するに違いない。そう期待することができるというわけである。

今回の日米首脳会談は、「もしトラ」対策という側面も持っている。もしトランプがアメリカ大統領に返り咲き、自国第一主義の政策をとったとしても、日米の同盟関係の絆を盤石にしておけば、日本がそれによって見放されることはない。そうなれば、我が日本の安全保障も保たれるし、また、トランプとは違い、同盟国とのパートナーシップを重視するバイデン大統領のメンツも保たれるというわけである。

これだけを考えれば、今回の日米首脳会談は、アメリカにとっても我が日本にとってもいいことずくめに思えるが、そうではない。バイデン大統領におだてられ、軍拡路線の木に登ろうとする我が「豚」の君は、ますます国防費を増額しようとするだろう。そのしわ寄せは、増税という形で我々国民にはね返ってくる。
それに、米中戦争の尖兵となって戦場に赴くことになる自衛隊の若い兵士たちも、「俺たちは一体何のため、誰のために戦うのか」と、わだかまりを募らせるだろう。
惜しむらくは、木に登ろうとする我が「豚」の君のアタマには、そうしたことへの配慮がまったく見られないことである。

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