ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

コロナ分類変更に対して新聞社説は

2023-01-21 10:39:07 | 日記
妖怪コロナの分類見直しに関する岸田首相の決定は、言論界にとってすごいインパクトだったようだ。きょうの新聞社説は軒並みこの問題を取りあげている。

朝日新聞《コロナ「5類」 医療態勢確保が急務だ》
毎日新聞《コロナ5類へ首相指示 医療逼迫の回避が前提だ》
読売新聞《コロナ「5類」へ 移行の目的を明確にすべきだ》
日本経済新聞《コロナの「5類」移行を円滑に進めよ》
産経新聞《コロナ「5類」移行 混乱招かぬ段階的緩和を》

これらのタイトルからも分かるように、各紙の主張はだいたい似通っている。このうち、きょうは主張内容が比較的明確な、朝日新聞の社説を紹介することにしよう。

コロナが流行を繰り返し、救急搬送などを含め、医療態勢に大きな負荷を与え続けることは間違いない。いつ何がどう変わるのかを的確に国民に説明し、措置の廃止に伴う影響を最小限に抑えるための制度設計と準備が不可欠だ。

朝日の主張は、この一節によく示されている。「措置の廃止に伴う影響を最小限に抑えるための制度設計と準備」が不可欠だ、と朝日は主張するが、では、それはどういうものなのか。

朝日があげるのは、第一に、コロナの検査や診療にかかる費用の公費負担を継続することである。
第二は、高齢者が制度変更の犠牲にならないようにするための対策であり、
第三は、行政による病床確保や入院調整の取り組みである。

第二、第三の手立てを講じるために、朝日は「医療界との(綿密な)協議」を呼びかけている。

朝日にも他紙の社説にも共通することだが、分類見直しに関する岸田首相のきのうの決定の、その正当性を問う姿勢が見られないことが気にかかった。朝日はこう書いている。

流行が始まって3年がたち、昨年11月のデータでは国民の約3割が感染したと推定される。誰がいつ感染してもおかしくない状態となる一方、ワクチン接種が進み、治療薬も登場した。他人に感染させないことを主目的にした入院勧告や自宅療養などの措置を取る権限を行政が持つ意義は薄れている。

なるほど、と言いたいところだが、これは次のようにも書き直せるのではないか。
「流行が始まって3年がたち、昨年11月のデータでは国民の約3割が感染したと推定される。ワクチン接種が進み、治療薬も登場した。他人に感染させないことを主目的にした入院勧告や自宅療養などの措置を取る権限を行政が持つ意義は薄れている。しかし他方では、国民の約3割が感染し、誰がいつ感染してもおかしくない状態は続いている。」

朝日は「制度の変更に伴って不可欠なこと」として、高齢者が犠牲にならないようにするための対策をあげ、次のように書いている。

この冬の死者数は、過去最多だった昨夏の第7波を上回る。多くが高齢者だ。必要な医療が受けられずに亡くなることはあってはならない。

コロナ感染による死者の多くが高齢者だという現状があり、しかも「誰がいつ感染してもおかしくない状態」が続いている、と朝日は述べている。この事実認識があるとしたら、朝日はきのうの岸田首相の決定に対して、根本からの疑問を投げかけてもよかったのではないだろうか。
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