人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

バッハ・コレギウム・ジャパンでJ.S.バッハ「マタイ受難曲」を聴く ~ 櫻田亮、加来徹、森麻季、青木洋也、渡辺祐介にブラボー!:4月10日の第137回定期演奏会の振替公演

2020年08月04日 07時20分44秒 | 日記

4日(火)。昨日の日経朝刊のコラム「こころの健康学」に認知行動療法研修開発センターの大野裕氏が「不安には『役に立つ心配』を」というテーマで書いていました 超訳すると、

「新型コロナウイルスへの感染が判明した人の数が増えてきて、今まで以上に不安を感じるようになっている人も多いだろう 心配な気持ちが強くなってきたときは、それが役に立つ心配なのか、それとも役に立たない心配なのかを考えてみると良い 役に立たないというのは、『いつになったら新型コロナは終息するのだろう』といった、解決に結びつかないような心配だ いつ終息するかは、感染症の専門家でも予測することができない。私たちは不安なときほどはっきりした結果を求めたくなる しかし、考えてみれば、私たちの生活で確実なことはまずないと言ってよい 翌日何かしようと計画を立てたとしても、それができるかどうかは翌日になってみないとわからない 計画通りにできない可能性を考えても役に立たない。もし心配だったら、計画通りにいかないときにどうするかを考えておくようにするのが普通だろう このように、良くない可能性が現実に起きたときの対応策を考えるようにするのが、役に立つ心配だ 新型コロナウイルス感染症でも、終息するかどうかという予測不能のことで思い悩むのではなく、終息まで長引いたときや終息したときにどうするかを事前に考えておくと、心配が、次につながる役に立つものになる

アメリカ大統領の権威をどん底に貶め、世界を自国中心主義による混乱に巻き込んだトランプは、まさか大統領選で再選されないだろうな・・・というのは「役に立たない心配」なのでしょうね こればかりは アメリカ国民の良心を信じるしかないようです

ということで、わが家に来てから今日で2134日目を迎え、菅義偉官房長官は3日の記者会見で、新型コロナウイルス感染が拡大する中、今月のお盆の帰省に関し「国として県をまたぐ移動を一律に控えてくださいと言っているわけではない」と述べ、「慎重に考えないといけない」とした西村康稔経済再生担当相の前日の発言を軌道修正した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     感染者が急増しようが死者が出ようが「Go  To  トラブル」の経済最優先だもんね

 

         

 

昨日、夕食に「豚の生姜焼き」「生野菜サラダ」「キャベツの中華スープ」を作りました 生姜焼きは、薄切りロースを使いました。隠し味にマヨネーズを入れましたがとても美味しかったです

 

     

 

         

 

昨日、正午から東京オペラシティコンサートホールで、バッハ・コレギウム・ジャパンのJ.S.バッハ「マタイ受難曲」を聴きました これは当初4月10日に開催される予定で延期となった「第137回定期演奏会」の振替公演です 新型コロナ対策の観点から①正午開演の部と②18時30分開演の部に分けて、各公演800名に限定して開催することになったものです 当初予定されていた海外からの歌手陣はコロナによる渡航制限により入国できなくなったことから、オール・ジャパンで臨むことになりました

出演は、福音史家=櫻田亮(テノール)、イエス=加来徹(バス)、ソプラノ=森麻季、松井亜希、アルト=青木洋也、久保法之、テノール=中嶋克彦、谷口洋介、バス=浦野智行、渡辺祐介、管弦楽・合唱=バッハ・コレギウム・ジャパン、指揮=鈴木雅明です

「マタイ受難曲」は簡単にいえば「マタイが著したとされる福音書の記事を歌詞としたイエス・キリストの十字架上の死を描く音楽」です この作品は1727年にライプツィヒで初演され、その約100年後の1829年にメンデルスゾーンがバッハの死後初めて公開演奏会で復活演奏して、19世紀におけるバッハ再認識の端緒となりました

通常は指揮者の前方の左右にソリストがスタンバイし、その後方に管弦楽が配置され、コーラス陣は最後方に横一列でスタンバイします それが今回は、指揮者の前にソリスト陣が横並びでスタンバイし、その後方の列にコーラス陣が配置され、最後方列に管弦楽(フルート、オーボエ、ヴァイオリン、ヴィオラ、ヴィオローネ)の2つのグループがオルガンを中心として左右対称に横一列で弓なりに配置される形をとり、チェロの2人が中央前方にスタンバイします 演奏者はチェロを除き、演奏する出番になると立奏する形をとります コーラス陣とソリスト陣の間には約1メートル間隔で飛沫拡散防止のための透明なアクリル板が立てられています 私は2000年からバッハ・コレギウム・ジャパンの定期会員になっているので、毎年のように「マタイ受難曲」か「ヨハネ受難曲」を聴いていますが、コロナ禍の中、今回のような変則的な形で演奏を聴くのは初めてです

いつもはロビーに長い列ができる「プログラム冊子」の販売はありません その代わりに、ステージの2階正面のパイプオルガンの左右スペースに日本語の字幕スーパーが出ます これは(いつもプログラム冊子を買わない)私にとっては とても良いサービスだと思いました さらに、再調整された自席は定期会員席のすぐ近くだったのでラッキーでした

 

     

 

今回の公演で一番素晴らしかったのは、エヴァンゲリスト(福音史家)を歌った櫻田亮です 彼は何度かこのパートを歌っていますが、今回は今まで以上に磨きがかかって、この受難曲の劇的効果を高めていました 次いで良かったのはイエスを歌った加来徹です イエスに相応しい威厳のあるバスで、表現力が素晴らしかったです 3番目に良かったのはソプラノの森麻季です ノンビブラートによる透明感のある美しい歌唱で、聴衆を魅了しました この人は、オペラを歌わせても、歌曲を歌わせても、そして今回のような宗教曲を歌わせても、素晴らしいパフォーマンスを見せてくれます

アルトを歌った青木洋也は一段と巧くなりました 鈴木雅明氏が根気よく起用しているのが大きいと思います また、ユダ&ピラトを歌った渡辺祐介は力強く存在感のある歌唱を発揮していました

管弦楽のソロでは、オーボエ&オーボエ・ダカッチャの三宮正満、フラウト・トラヴェルソの菅きよみ、前田りり子、ヴァイオリンの若松夏美、高田あずみが  それぞれ歌手を引き立てながら、素晴らしいソロを展開していました

前半=約1時間15分、休憩20分、後半=約1時間45分のコンサートでしたが、最後のコラール「哀悼と安息」を聴きながら、「今年もバッハへの旅が終わったな」と感慨深いものがありました つくづくバッハの偉大さを再認識するとともに、コロナ禍の現在こそ バッハが求められているのではないか、と思ったコンサートでした

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